★東野圭吾。『殺人の門』

久々かな、東野作品。
毎回なにか違う感動を与えてくれる東野さんは、本当に尊敬。
今回の「殺人の門」を読み終えて、まずだいぶ前に読んだ
「白夜行」に似た空気を感じた。
もちろん、話の内容などは全然違うのだけれど、
人間の心の一番澱んでいる部分、その下にたまった
沈殿物が、ねっとりとまとわりつく。
耐え切れずにすっ飛ばした部分もあった。
主人公に肩入れできないと、読んでいてしんどいものだ。
なんでそうやねん!と思うことも多々あった。
もちろん、主人公田島の人生を手のひらで転がす
倉持というヤツは本当に心から嫌なやつなんだけれども、
本当にこういう人間がいたらと思うとぞっとするし、
その辺が「白夜行」で感じた「いやな感じ」と
合い通じる雰囲気なのかもしれない。
つまり2人は加害者と被害者というものではなく
離れられない運命を背負った負のパートナー……
もちろん、負のパートナーなんて願い下げではあるけれども。

2004年03月24日(水)
By ちゃいむ

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