★恩田陸。『まひるの月を追いかけて』

『恩田陸』で、『奈良への旅』だったので買った一冊。
知った場所が舞台になると、頭の中でキャラが動き出したり
して楽しいのだ。
しかし…考えてみたら、奈良に住んでいたのに、
奈良の事をほとんど知らない自分を再確認してしまった。
唯一イメージできるのは、奈良公園から新薬師寺のくだり。
明日香は何度か行っているが、かなり昔なので
田園風景と亀石しか思い出せない…(汗)。
子どもの時はやっぱりそういう良さってわかんないんだよね。
今になって、めちゃめちゃ懐かしい、奈良。

ストーリーについては、かなり後半まで引っ張られた。
コロコロと変わるシチュエーション、不安定な人間関係、
現在と過去の交錯、挟まれる小さなお話、そしてあの結末。
片手間に安心して読み進める事はできないことは確かだ。
4分の1ぐらいまで切れ切れに読んでいたのをもう一度
最初から一気に読み直した。
ミステリ、とはちょっと違う気がする。
謎は存在するけれど、それよりもこれは旅。
あー、今の季節、いいだろうなあ、奈良。
(文中の季節とは違うけれど)
京都と奈良の違いについて書いてある部分があったが、
これは本当にうなずける。
奈良は京都のように、現在の中に過去が混じっていない。

余談だが、どこかしこにも煙草の匂いがしてきそうな
煙草吸いたちにちょっと閉口したかな…
2003年10月23日(木)
By ちゃいむ

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