「静かな大地」を遠く離れて
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題:273話 砂金堀り3 画:アスパラガス 話:砂金というのがそうそう簡単に拾えるものではないらしい
題:274話 砂金堀り4 画:タラノメ 話:寝ている時に雨が降ってもまあ濡れないというほどのものだ
題:275話 砂金堀り5 画:こごみ 話:冬越しで砂金を採る時には、罠を作って兎を獲った
桜満開の春分の日は、春の嵐。都市で暮らしていても、時折こうして自然の洗礼 に見舞われる日が訪れる。樹々のざわめきを聞くと、心が騒ぐのを抑られない。 北海道などと比べて自然環境の面ではずいぶん「遠く離れて」いるつもりでいる。 なにしろ、苫小牧の樽前山系でヒグマの冬眠穴の跡に入った経験もあるくらいだ。 でも最近、都心の自宅の近所の掲示板で、こんな告知を見かけて驚いた。
猿に注意
×××4・5丁目あたりで 野生と思われる猿が出没しています 散歩中に威嚇された、洗濯物をとられた、 庭を荒らされた、窓を開けようとした、 等の情報が寄せられています 注意して下さい
×××保健所衛生課 東京都衛生局獣医衛生課
逃げたペットとかじゃなく「野生と思われる」っていう根拠があるのだろうが、 いずれにしてもこの都心で猿が徘徊して生き延びているというのもスゴイ話だ。 何年もみたこともないけど『噂の東京マガジン』とかで取材したらどうか(笑) 僕の散歩コースで猿を目撃したことはないが、“あいつ”なら見たことがある!
川端裕人『緑のマンハッタン 環境をめぐるニューヨーク生活(ライフ)』に 先日ここで言及したが、ペットや家畜などの“アニマルライツ”という概念や ニューヨークを中心としたアメリカの動物事情が紹介されていて興味深かった。 ディープエコロジストたちの“生態”も面白く読めたが、具体的な動物たちの 置かれている現状が突きつけてくる問題は、やはり看過しがたいものを感じる。
他の生命を喰らうことで生きているドウブツとしてのヒトにとって、隣人である 他の種との“つきあい”が、どう「幸福」な形であり得るのかというのは難問だ。 普段そのことを忘却して生きていることの出来る環境に居るつもりでいたけれど、 いつ「野生と思われる」猿と出くわしたり「威嚇」されたりするかわからないと いうのはなかなか悪くない。彼(彼女?)とチャランケする日は来るだろうか?
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