「静かな大地」を遠く離れて
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2002年02月23日(土) |
イノセンス,デカダンス,エレガンス |
題:249話 栄える遠別9 画:バックル 話:大地から涌いたばかりの水には汚れはない
イノセントな水。「自助論」を旨とする米国帰りのサケ孵化技術者・伊藤の自然認識。 若いアメリカ直輸入の清新なプロテスタント精神と、開拓期の北海道との相性の良さ。
まず先日の「演劇アンタッチャブル」に対して頂戴したメールにお応えしておきます。
*************************************** 21日の日録の「厚生労働省は朗読と芝居を禁止せよ!(笑)」というのは、 中教審が文部科学省に提出した下記答申と呼応しているのでしょうか(爆)
「国語教育を格段に充実する必要がある。その際,名文や詩歌等の素読や暗唱, 朗読など,言葉のリズムや美しさを体で覚えさせるような指導の良さを見直す べきである。」 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/020201/0 20201ca.htm#05 ***************************************
…ハハハ、「中教審」の答申なんてニュース、僕が知るわけないじゃないですか?(^^; 日本のいわゆる「教育問題」に関しては、自分が“教育される側”の頃、すでに考察を 終えております。すなわち、小室直樹先生が正しい!『偏差値が日本を滅ぼす』(笑)
かれこれ20年近く前の本になるでしょうか、日本社会は現在、あの頃に小室直樹御大 が予言していたとおり、急性(アキュート)アノミーが猖獗を極め病膏肓に入っている。 権威が崩壊し、規範が失われた社会を“掛け声”や“気合い”で立て直すことは不可能、 素読暗誦という名の「呪文」朗唱と呼吸法を強いる(<公教育でやるのならば)ことで 若い世代の中の「生きる力」が希薄な迷える子羊たちが救済されるならば、1995年 の上九一色村には、まごうことなき「救済」が実現していたはずではなかったか?(爆)
…というわけで、80年代世代の脆弱な精神から見ると、朗読カリキュラム化はどうも いただけない。個人がゆるいサバイバルとして能動的にメソッドを取り入れる、という のなら“いただける”という志向パターンも、それはそれで随分と紋切り型だけれど。 なんてコラムを山崎浩一さんあたりに書いてもらいつつ『別冊宝島 わかりたいあなた のための 朗読トレーニング入門』ってなタイトルの本を出してもらえば転向したり(^^; 朗読の「有用性」の主唱者であり『声に出して読みたい日本語』の著者・齋藤孝氏は、 まさに私塾=寺子屋方式で成果を上げておられるようだし、それはそれでいいことだ。
今夜のテーマは「神は自ら助ける者を助けてくださる」という、ピカピカの「自助論」。 その確信のもとに、鮭の孵化放流事業という「自然改変」を行う若者たちのイノセンス。 米国仕込みの自然認識と技術で支えるユートピア=遠別は、どんな行く末を辿るのか? 星新一が実父で星製薬の創業者である星一の青春を描いた『明治・父・アメリカ』と、 その続編である『官吏は強し、人民は弱し』(ともに新潮文庫)を読めば、事態の推移 そのものは予測がつくだろう。そこに御大がどんな“文学”を持ってきてくれるか…?
なんだかんだ言ってるうちに2月も終わろうとしている。「地獄の黙示録」も見たいし 小沢健二@N.Yの復活の新譜ももうすぐ出るし、身辺も何かとあわただしかったりする。 12月に「吹雪の音楽」でディープに書いたキャラメルボックスももうすぐ次の公演だ。
■演劇集団キャラメルボックス2002春公演・第1弾「アンフォゲッタブル」 …とくれば「ファイア」と続けたくなるのは、U2ファンならしょうがないところ(^^) この連想、成井豊さんの前口上を読むとあながち外れてなかったりするみたいです。 http://www.caramelbox.com/ 主人公は「探している。自分の場所を。何度傷ついても、諦めずに。」ということで、 これって“I still haven't found what I'm looking for”ってことじゃないかな。 今回のキャラメル、久しぶりのSF設定の活劇になるようで、主演は大内厚雄君と いう期待のキャスティング。2月28日から新宿シアターアップルではじまります。
さてさて、『Favorite AYAKO kawahara 川原亜矢子写真集』(講談社)をもう一度 眺めて眠ろう。女優さんの写真集を買うことなんてないんだけど、この方のは別次元(^^) フォトジェニックなのは死ぬほど当たり前なんだけど、なんというか漂うエレガンスが 見ている者の心までサラサラと心地よくさせてくれるようなショットが沢山あります。 ま、もちろん名コンビの“彼女”との「黄金のツー・ショット」も幸福度が高いです♪
あ、先日予告(?)した南果歩さんの一人芝居「幻の光」、明日観劇の予定に変更(^^; というわけで、本日のキーワードは“ひとりで立つ潔さ、そして美しさ”でした。
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