「静かな大地」を遠く離れて
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2001年09月24日(月) |
ボストンから出撃せよ!(補) |
題:102話 札幌官園農業現術生徒12 画:ボタン 話:「私はかくして野心を得た」
一挙掲載の「ホントに極私的G−Whoアメリカ旅日記2000」、 この日録を読む方の身になってくれ、と言われそうな感じ(^^; 注釈をつけはじめるときりがない。 文中に登場する書誌的おさえをすることで、代えたい。
*津本陽『椿と花水木』上下巻(新潮文庫) ジョン万次郎の物語。旅の軸となった本。 作者の他の作品はいざ知らず、ことこの本に関してはとても魅力ある物語 になっていると思う。日本もアメリカも文明も若かった、のだろう。
*巽孝之『アメリカ文学史のキーワード』(講談社現代新書) コロニアリズム、ピューリタニズム、リパブリカリズム、ロマンティシズム、 ダーウィニズム、コスモポリタニズム、ポストアメリカニズム。 特に白眉の前半は、新書の鑑である。アメリカの無意識まるわかり(^^)
*掘武昭『反面教師アメリカ』(新潮選書) 時節柄、読まれて欲しい名著だと思う。ある意味でストレートな続編である 『東欧の解体 中欧の再生』(同)とぜひ併せ読んでほしい。 「世界の中のアメリカ」が逆照射されて視えてくる。出色の国家論。
*久保尚之『満州の誕生 日米摩擦のはじまり』(丸善ライブラリー) 明治・北海道という事象の延長上の彼方に、昭和・満州が在った。 <近代国家>という産業と軍事の巨大機械のようなもの、 その生態のケーススタディ。現在と明治の中間点に満州を置いてみたら…。
*リン・マーギュリス『共生生命体の30億年』(草思社) 「サイエンス・マスターズ」シリーズの14。生命について語るとき、 そして「共生」という言葉を使うとき、ガイアという概念に疑念を持つとき、 ハンディな本書は頼れる。そしてエキサイティングだ。
出来たら、このどれか一冊を読んで面白いとか面白くないとかじゃなくて 同時に並べて混ぜ合わせるように読むと、僕が何を思ってマサチューセッツ を旅したか、わかりやすいかもしれない。 その上で御大の『未来圏からの風』をもう一度手にしてみて欲しい。
きっと少しは2001秋の世界に対して、精神的余裕を持って対峙できるはず。 そのうえで我々は、これからの世界でどんな「野心」を持てるのか? …それを考えること。たとえば、オランダへ行くとかして(ニヤリ)
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