「静かな大地」を遠く離れて
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2001年09月22日(土) |
ボストンから出撃せよ!(5) |
題:100話 札幌官園農業現術生徒10 画:安全ピン 話:「私らは馬について考えを改めなければならない」
「ホントに極私的G−Whoアメリカ旅日記2000」
2000年10月12日
Bostonラストの朝も透明な空。陽光に充ちている。最初の冷たい雨模様が嘘の ように心地いい天気が続く。昼にはローガン空港へ行ってなきゃいけない。 地下鉄ですぐだし、ホテルのcheck out timeまで散歩しようと、街が動き出す のを待って外へ。地下鉄の最寄り駅の向こうの川を渡る。 景観が開ける。BostonのLong shotが目に入る。 水辺は晴れたり曇ったり、季節によっても様相を変えるので美しい。 マラソン人が行き過ぎる。気持ちよさそう。 翌週にはレガッタ大会も行われるらしい。
橋を渡って少し行くとMITのキャンパス。 ミーハー極まれり。大学のそばのパンの店でサンドイッチとコーヒーの朝食を とりつつ、また“Symbiosis Planet”を読む。 マイノリティもかなり多く受け入れているという大学だけあって、アジア系の顔 もチラホラ以上に見える。 このサンドイッチ屋、近所の欲しい。ルヴァンより、これのがいい。 ニセ留学生ごっこでキャンパス内の建物を歩き回る。 川に面したところにギリシア風の列柱の巨大な白い建物もある。まだ早い時間 なのでさらに気分を盛り上げて、T一本で行けるマサチューセッツ大学へ。 JFKライブラリーも同じ駅にあるらしい。中心街を通り抜けてU.MASS駅から シャトルバスに乗る。明るい陽光。学生達の流れに乗ってキャンパス内へ。
僕の誤解じゃなければここはDr.リン・マーギュリスその人がいる大学だ。 彼女の本にマサチューセッツ大学(旧マサチューセッツ農科大学)と書いてあった ので、これも記憶違いでなければ札幌に来たクラーク博士の関係した大学では なかったか? 新渡戸稲造はクラークとはすれ違いだけど黒田清隆とケプロンと榎本武揚と エドウィン・ダンと並べつつ、北海道ーアメリカ・ラインというのを辿る。 わがジョン・マンの活躍はこれから読むわけだが、維新期に米国が南北戦争中 だったということが日本の歴史に結果的にどう作用したのか、とか知りたい。 龍馬にしてもワシントンを英雄とした、“アメリカの子”である。面白い。 Nantucket以来、広い芝生と白い家を見ると、話が出来過ぎだけど普天間で みたアメリカ軍人の住宅を思い出す。一気に日米の150年史に想いがとぶ。 そしてポーツマスを転機にした視点でハリマンのこと、満州のこと、西海岸の 移民のことに及ぶ。
キャンパスの端の海を臨む木陰の芝生に陣取って“Symbiosis Planet”の ラストを読む。肩越しにDr.リン・マーギュリスがのぞきこんでもおかしくない ?場所で読むのは楽しい。Gaiaについての記述など含めて、難易度はこのままに さらに詳しい記述の著書が読みたいものだ。 生物学が18cの博物学を、そして聖書と進化論の相克を今なお平気で引きずって いるのも面白い。かつこわい。 “自然と人間との関係”という誰もが持ちうる関心に、僕は今回New Englandへ 来ることで応えようとしている。HarvardのMuseumで、Fairheavenの海辺や Nantucketで、そしてBostonの街で、Aquariumを振り出しにして。 『アメリカ文学史のキーワード』の読み残しをfinishしつつ、ホテルから空港、 そして機内へとWashingtonD.C.への途をたどる。
国内線でWashingtonD.C.へ行くコースはなんとなくよそよそしく心細い。 日本人はおろか、あのNew Englandを席巻していた老夫婦系ツーリストたちも いない。 DCの遠い方のAirportに着く。途中チラチラ本を読みつつも晴れてかすむ 眼下のアメリカを見ていた。Long Islandが見えて、 遠くてもわかるマンハッタンが大俯瞰で見える。 そこを素通りしてWashingtonD.C.へ。なかなか面白いコースである。 Airportではいよいよ心細い。あのボストンのヒューマンスケールの感じは、 空港からして、無い。ちゃんとした格好のOn dutyの人々。 観光地で浮くくらいのコートを着ていてよかった。 市街までバスとメトロを乗り継ぐ。 千歳空港から大谷地で地下鉄に乗り継ぐようなもん? ボストンでなまじMetroに通じていたもんだからといって、いい気になってたら 街のスケールが異常にデカくて難儀する。大汗をかきつつホテルへ。
すぐそばの航空宇宙博物館へ駆け込む。無料。飛行機と宇宙船だらけ。 子供みたいにワクワクする。すぐに閉館時間。 Bostonのドサクサで昼食をとっていなかったので空腹がこたえてきた。 巨人の国みたいなスケールの街なので知らずに歩いているとRestaurantなんて 永遠にないんじゃないかという気がしてくる。 当てずっぽうで少しでもヒューマンスケールの界隈へ。なんとなく大ざっぱな 知識で当てにしていたチャイナ・タウンにぶつかり大ラッキー! 明日はNORAというOrganicの店でデート?なので実質上今夜が儀式のための ラストチャンスなのである。アテネでもダブリンでももちろんパリでもネタに してきた、謎の東洋人ごっこ。DuckとTsingtao beerという定番を得て、 Chinese-Japanese popsがかかる中、春巻を食べる。 お茶まで飲んでそこそこの値段で満腹。 世界のチャイナタウン、四方田犬彦氏『越境のレッスン』入ってるが、 今後も続けよう。『満州の誕生』を読もうとしたのはやりすぎ? 『アジア系アメリカ人』中公新書は必読か。 スターバックスは中国語で何て書く?ネタの取材にも余念がない。
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