「静かな大地」を遠く離れて
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2001年07月28日(土) |
『武揚伝』に首ったけ |
題:46話 最初の夏16 画:枯れた花 話:小さな敗残者の胸中
さて、もうすぐ本業がちょっと一段落するのもあって、 8月4日から観光旅行に出かける予定。朝日新聞をフォローするのは 難しくなるので、また何か手段を講じて帰国後にまとめ読みします。 まだ一週間もあるのに、なにゆえこんな予告をしてるかと言うと 来週もそこそこ忙しそうなのね(^^;
それともうひとつ、浮気の宣言もしておこう。 佐々木譲さんの『武揚伝』が、ついに出たのだ! 読書スピードがとても遅い僕としては、何日も真剣に読みふける時間が 必要で、濃い日録を書く日は睡眠時間を削っているような状況なので 来週は『武揚伝』を優先させたいのです(^^)
今日の『静かな大地』は、侍の子の誇りと、その喪失がテーマだったが 『武揚伝』は、まさしくそれを歴史劇として展開してくれるはず。 刊行日に買って、異常に忙しかった数日を経て、ようやく今日、上巻の とば口まで読んだところ。 導入部から、すばらしく僕好みのネタの目白押し。これは楽しみだ。 渾身のエンターテイメント大作であり、浅薄な歴史認識を覆す骨太さを 併せ持つ、近年のベスト作品になりそうだ。
ちなみに僕が今まで理屈抜きに「滅法面白い!」と思った本を挙げるなら、 栗本慎一郎『パンツをはいたサル』、 村上龍『愛と幻想のファシズム』、 半村良『妖星伝』、 高山宏『ふたつの世紀末』、 荒俣宏『帝都物語』、 山田正紀『顔のない神々』、 隆慶一郎『影武者徳川家康』、 司馬遼太郎『竜馬がゆく』、 …といったところ。意外に思われるラインナップかもしれませんが。 本として重要とかいうより「夢中読み耽った度」の高さで選んでます。 かつ博覧強記にしてサービス精神が過剰、そして認識を覆すラディカルさ を併せ持っている、というのが大体の好みの傾向。 きっと『竜馬がゆく』も刊行当時はラディカルな作品だったのだ。 司馬作品を「おじさん向け」と敬遠する輩も、手放し礼賛する向きも、 ともに「視えてない」人たちだ、と思う。
で、『武揚伝』は、この域に達しそうな期待感が持てる。楽しみだ♪
あ、一言添えておきますが、池澤御大も榎本武揚ファンなんですぞ、 以前にここにも書いたとおり。「文春図書館」で書評を書かれる前に みなさんも読んでおきましょう(^^)
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