P-diary
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Piccolo,Play,Practice,Pleasure,Process,Pray,…Precious!
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| 2002年03月03日(日) |
卒業公演〜日曜日組上演・修了式〜 |
日曜組上演。
9時集合。ホワイエでアップ。今日で最後、なんて感傷的になっている場合じゃない。 最後だからこそ、しっかり気持ちを高めて。
秋津先生のお話。昨日のダメ出しと、確認。 「悔いの残らないように。でも、悔いを残して次につなげるというのもあるかもね」 というのが印象的だった。そして、これは、実は暗示だったのかも知れない。
今日は昼公演なので、あっという間に準備の時間。 まずはメイク。劇団の方が手伝いに来てくださるということで、とりあえずベースを作る。 昨日教わったように、しっかり普段の3倍は粉をはたく。 眉は、最初は筆圧が高いから、眉山から書き始める。 昨日は直されてしまったアイシャドウ。なのでちょっと躊躇して劇団の方の手があくのを待ってみたが、ちょっと無理そう・・・と、ちょうど隣のエルガルが目のメイクにアドバイスをもらっているので盗み聞き、試してみる。アイホールに沿って濃い茶色でラインを作る、ふむふむ・・・。おっ、ちょっといい感じかも。 その勢いで、昨日引き直してもらったアイラインを思い出して、これまた自分で再挑戦。いつもより思い切って上の方に書いてみるのだ。これまたいい感じだ。 今日は調子いいぞ。 劇団の谷山さんに見ていただく。ちょっと色的には物足りないらしく、う〜んどうしよう、といいながら髪をいじっていただく。髪は、今日は結構収まりもよく、すっきりとかっこよく決まる。なので、あんまり色を入れない方がきりっとするかもねということで、メイクに関しては手直し無し!
研究科の稽古が終わり、少しだけ本科の稽古。最後の稽古。 歌中心。一番心配だった「僕の世界」。昨日になって後半でマットの仮面を私が取ってそれを持って台に上がりマットに付けるということになった。が、今日の、この最後の稽古では結局失敗。マットから仮面を取り損ねた・・・稽古が終わりみんなが準備している間にマットに頼んで仮面を取る稽古をさせてもらう。そして、それを持って台によじ登る練習も。なんとかいけそうだ
気になっているところの確認ができたこともあって、かなり落ち着いて開演を待つ。これで最後、と思うとちょっと目が潤みかけるが、我慢。
そして、開演。 自分的には絶好調だった。 かなり気持ちに余裕もあって、他人の心配をしてあげられるほどに。 自分でも楽しんでる!という実感があった。 が、後半でもろくも崩れ去る・・・ 私の一応10年にわたる(素人)演劇経歴の中で、かつて無かったほどの張り切りぶりが、とうとう空回りしだしたのだ。
さぁ、ここは私は一番奥まで走らないといけないから、遅れてはいけない!と思うあまり、きっかけを間違え一足早く飛び出してしまい、みんなのきっかけを乱す。
朝の稽古で練習しすぎたのが裏目に出て、「よし、うまいこと仮面をとったで!」と張り切って台によじ登ろうと走り出したら・・・しまった、まだ歌があった・・・しゃあない、何気なくそこで歌ってやれ、と思ったら坊主の皆さんが迫ってくる・・・動揺を押さえながら不細工に台に上り、(最後は仮面を箱の中に投げ捨てて・・・)と冷静に自己確認したのに・・・私の位置から箱の中に落とすのは無理、しかも、中で受け取ってくれるはずのルイザは幕を下ろすのに一生懸命。とりあえず何となくエルガラに預かってもらう。
最後の正念場、ゲネで失敗した、バンドのきっかけになる私の台詞。開演前からずっと練習していた。 これは絶対外すものか!と今日の失敗は全て忘れ、これにかける。「あ、ちょっと」よし、言えた。前奏も始まった、よかった〜。と思いながら台詞を続けた瞬間、階段で足を踏み外す。本気でそのまま落ちるかと思った。しかし、ここで落ちるわけには行かない。根性で階段にしがみつく。
・・・なんで、こんなに普段したことの無いような失敗をするんだろう。普段出来なかったことは結構うまくいったのに。これが生の舞台の恐ろしいところでもあり、でももしかしたら、そういう緊張があるからこそ、生の舞台は楽しいのかも知れない。
なんの失敗もなく、何の問題もなくこの舞台が成功していたら、それは美しい舞台にはなるかもしれないが、でも、私自身が楽しみ、味わい、考え、そして客席に伝える舞台になっただろうか。 最後の台詞は、やはり私にとって重い台詞だった。でも、今日は本当に実感を込めて言えたという自信がある。
今日のこの舞台に臨むにあたって、本当に数え切れないくらいの、計り知れない「壁」があった。 乗り越えられた、崩すことのできた壁もあったが、結局崩れなかった壁もある。 でも、壁があったからこそ、今日のこの舞台はあったのだ。 だから、最後の歌も笑顔で歌えた。本当の笑顔だったと思う。
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そして、修了式。衣装メイクはそのまま、という、なんとも不思議な雰囲気の漂う式典。 後ろには残って下さっているお客さんも。 実はうちの両親と伯母夫婦も。 (さらに、生徒も残っていたことが後日判明・・・)
どこまで真剣でどこから狙っているのかよくわからない、不思議な笑いの溢れる中、和やかに心温まる式だった。 今まで経験してきた卒業式の中で一番、泣いたかもしれない。
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さて、最後の舞台で、やはり私自身にも「壁」が残された。 あまりにも計算通りというか、話が出来すぎで怖いが、この壁とどう向き合うか。 芝居はまだまだ終わらない。 おわってたまるかぁ!!
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