P-diary
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2001年07月18日(水) 「狂言の発声(3)」

『最後の授業』
 
これだけは、何があっても休むまいと固く心に決めていた、狂言の最後の授業。
今日は「以呂波」を少人数でやるので、台詞を覚えてくるように、と言われていた。
当然、ばっちり!と言いたいところだが、なにぶん、学期末の処理で頭がいっぱいいっぱい。覚える余地はなかった。
ラッキーなことに(?)、今日は、かなり長時間になると思われる会議があったので、その席に台本を持ち込み、会議そっちのけで、ぶつぶつと暗誦。
(一応、大事な話の時は、ちゃんと聞いてましたよ)
車の中でも、ぶつぶつ、ぶつぶつ…
台詞を覚える、という行為自体が久しぶりで、なんとなく嬉しい、楽しい。

授業は、いつも通り、まず発声から。いつもより人数が少なくて、ちょっと寂しい。

前回のおさらいで、小舞の「盃」「うさぎ」。
それぞれ、3人ずつで発表。
例によって「盃」は、好きなんだけど他の人と音を合わすのが難しくて、一人高すぎたり低すぎたり…でも最後の方は、「私としては」いい感じに謡えたような気がする。
(やっぱり、舞もやりたい!!)

「うさぎ」は、初めて扇を持ってやった。これも、3人でテンポが合わなくて、どうやら私は何かにつけ早すぎる傾向があるような気がする。
3人の真ん中で、左右の人を見ることが出来るので、特等席、だったはずなのになあ。

そして、いよいよ、「以呂波」。
まずは、全員で。9割方見なくてもちゃんと言えたので、一安心。
これも、兄3人、弟3人で発表。
他の人たちがやっている間、袖で練習。
みんな、“覚えてへん”、“どうしよう”とか言いつつ、しっかり出来てる!
これは負けてられない。(いや、勝ち負けの問題ではないのですが)
私は「弟」なので、兄の台詞の応える形の部分がほとんどのため、かなり楽だった。
結構いい感じで、落ち着いて進んでいく。
なかなか覚えられなかった「いつもお座敷に塵がござらば、掃き集めて火にくべまするによって、その事かと存じての事でござる。」の最後がちょっとあぶなかったが、ヨロヨロしながらも乗り切った。
最後に兄を突き倒すところで、その体勢になったがあとの二組をみるとまだ引っ張り回しているところ、ん〜またしてもちょっと早かったようです、私。
まあ、それでも、特に大きな失敗もなく無事終了。
全員終わったところで、先生からご指名で、兄一人弟一人で発表。
二人とも、堂々と落ち着いた演技。特に兄を演じたMづきちゃんはすっごい楽しそうだった。
表情が豊かで、見ていても楽しかった。
あとで話をしたら、実際、楽しくて仕方なかったらしい。
そういう気持ちが素直に表情に出るのがうらやましい。

狂言の授業は、これでおしまい。
月末にある狂言教室も行きたかったけど、やっぱり無理だ。
でも、機会があれば、もう一度、今度は時間をかけてじっくりと楽しんでみたい。

普通のお芝居では「狂言」そのものを使うことは難しいだろうけど、でもお腹から声を出す発声は通じるものがあるし、何より「様式美」的なところが、私は好き。
もちろん、様式化されない自在な表現でリアリティを表現することも必要だろうけど、やっぱり様式美も捨てがたい。
何にしろ、わずか3回とはいえ、本当に楽しい授業だった。


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