P-diary
Piccolo,Play,Practice,Pleasure,Process,Pray,…Precious!
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2001年06月13日(水) |
「狂言の発声(1)」 |
<まずは、狂言について。> 室町から江戸時代にかけて完成した。なので、使われている言葉は、その頃の言葉。 元々、能舞台は屋外にあるもの。 今は屋内でやることも多いが、基本は野外。 なので、普通以上に大きな声を出す必要がある。
<能舞台> 舞台自体は、約9m四方。 舞台の後方には「後座(あとざ)」…能の場合は、お囃子とかが控えている。 舞台の下手に「橋がかり」…廊下のように伸びている。その脇には、松が3本。 客席=見所(けんじょ)
<発声練習> 伸ばす音。ア、イ、ウ、エ、オをお腹から、大きな声で。 最後に力を入れる。なので、“アーーーーーーーーーーアアッ”って感じ。
短い音。同じく、ア、イ、ウ、エ、オ。 今度は、一押しする感じ。“アアアッ”って感じ?
<今回の教材『以呂波』とは> 180ある狂言の演目のうち、一番初めにやるもの。 先生も、6才の時に初めてされたのが、この作品だとか。
シテ(仕手:主役)弟/アド(挨答:脇役)兄 ※ただし、演者の年齢によっては、“子と親”の設定で演じることも。
内容;兄が弟に読み書きを教えようとするが、なかなか上手くいかない…
<いよいよ『以呂波』> まずは、全てを、先生の後について読んでいく。 独特のイントネーションであったり、テンポがあったりで、ついていくのに必死。
次に、全体を二つに分け、兄と弟に分ける。私は、弟。 全体が向き合って、まずは練習。 掛け合いながら行くので、段々雰囲気が出てきて、面白くなってくる。
ちょっと休憩をはさんで、動きをつける。 …説明は省略。とにかく、ややこしい。動き自体は少ないのだが… とにかく「お約束事」的な動きが多い。
※歩くときは、すり足。足の動きは、左右交互になるように。 向きを変えたときでも、どっちの足を動かしたかによって、次の歩き出しの足が決まる。
※掛け合いであっても、特に長いのとかは途中両者とも正面を向いて、最初と最後は向き合うとか。
※最後は、幕に入ってしまうまで「勝ったぞ勝ったぞ」「やるまいぞやるまいぞ」を言い続ける。
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本来は、当然一対一、二人で行うものだが、今回はそういうわけには行かず、40名ほどが、一斉に演じる。 不思議な光景。 特に、後半、兄が弟に腹を立てて突き倒す・弟が仕返しをする、というこの演目一番のアクションシーンでは、ものすごいことに。 まず、20対20の言い合い、ちょっぴりウエストサイドストーリーみたい? ついで、兄が弟につかみかかるのだが、その間弟は身構えて兄を待つ。 が、セットになってくれる兄が来るのを待つのは、ちょっとドキドキ。…誰か来てって感じで。 そして、引き回され、突き倒されるのだが、くどいようだが、20組の兄弟喧嘩。固まって動くから、何が何だか分からずグルグルしている。 最後、弟も兄に同じ事を仕返し、「勝ったぞ勝ったぞ」と去っていくのだが、後から兄たちが「やるまいぞやるまいぞ」と追ってくる。 幕の中から見ていると、むちゃくちゃおかしい。 変な迫力がある。 今日は、なんだか狂言の面白さなのか、集団演技の面白さなのか、よく分からなかったが、でも楽しかった。
最終的には、全3回の授業で、この作品を完成させる。 最後は、テキストを見ずに、演じる。…出来るかな?
久しぶりに大きな声を出して、「演じる」ということをして、ものすごく楽しかった。
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