P-diary
Piccolo,Play,Practice,Pleasure,Process,Pray,…Precious!
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『「戯曲」とは? 』
喜●先生 ※シェイクスピア「夏の夜の夢」(新潮文庫版)使用
◎「戯曲」とは? これについては、ウチの学校の戯曲研究の授業でも話があったらしく、担当の先生から聞いていた。 「戯曲」と「台本」は微妙に違う。 戯曲は、あくまでも「文学作品」。 台本形式で書かれた物語。
◎戯曲…というか、この作品の「読みにくさ」 ・筋を追いにくい ・文体が難しい
◎戯曲は構造を把握すれば分かりやすい。 ・〜幕〜場→実際の場面転換というよりは、事件などの単位として考えた方がよい。 ・登場人物がどの場面で登場し退場するか、一覧表にすると分かりやすい。 ・限られた時間の中で物語を展開し、終着させないといけないので、一見複雑にみえる物語も、終着に向けて構造は工夫されている。
※「夏の夜の夢」における3つの大筋。
背景…『シーシアスとヒポリタの結婚』 葛藤があるわけではないので、物語とは言えないが、結婚までの4日間の出来事である、という背景を提供、最後は結婚によって物語が締めくくられる。
『4人の若い男女の恋のもつれ』 『オーベロンとタイタニアの夫婦喧嘩(?)』 『町の衆の素人芝居』 葛藤を含み、それをいかに解決するか。最後には解決されるが、それまで、3つの物語が少しずつ絡み合いながら、展開していく。
◎舞台について
《額縁舞台》 現代の、一番一般的な形の舞台。客席と舞台が完全に分離し、舞台と客席の間には、見えない壁(第4の壁)がある。
*装置がある。(ことが多い)/照明効果あり/客席と分離。
《張り出し舞台》 舞台か客席に「張り出して」いる感じ。例えば… 日本の能舞台→二方向に客席。幕はないので、客席と未分離。 グローヴ座(ロンドンにあったエリザベス朝の劇場。シェイクスピアが使用) →三方向に客席。役者は舞台奥から登退場。幕はなし。
*基本的には装置なし/照明なし(野外の太陽光線か、蝋燭など)/客席と未分離 →天候時間の変化は、台詞(や、音響、小道具など)で表現しなくてはならない。 (例:28頁「“夜”をさまよう浮かれこぼうず…」・29頁「“月の夜”に…」=夜) →客席への語りかけがある。 (例:能の名乗り。/20頁 ヘレナの長ゼリフ=これからのしようとしていることを“客に”伝える。)
◎シェイクスピアの“言語” “名乗り”的なものは少ないが、独白・傍白は多い。 独白…舞台に一人しかいない。(独り言) 傍白…複数の人間がいる場面で、他の人には聞こえていないことになっている台詞(aside)
◎原文は原則「韻文」。だが、職人たちは身分が低いので「散文体」
◎次回までには、必ずテキストを読んでくること
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 舞台の違いが、戯曲の(芝居の)性格をかえる、というのが面白い。 あくまでも、沙翁の作品は当時の演劇のスタイルにのっとったもの。 ならば、現代なら、もっと自由なアレンジは可能ということ。 …と理解していいのかな。
最後の方で出てきた、身分による言葉の違いが、個人的には興味深い。 というのも、卒論で、歌舞伎「世話情浮名横櫛」において言葉遣い(文法)が身分によってどのように使い分けられているか。(古めかしい言い回し、新しい言い回しの分布?)というようなことをやったので、古今東西同じような現象はあるんだなと、ちょっと感動した。 歌舞伎などでも、たしか、高貴な者は「韻文」調のはず。もしくは、「韻文調」によって雅やかな雰囲気を作り上げることは多い(はず)。 不思議な一致。面白い。
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