Airをとっととクリアして感想なりなんなりを書こうと思っていたら意外に長いゲームのようで先が見えません。とりあえず二人クリアした時点での感想は「惜しい!」です。最後のビックリマークがミソです。しかしビックリマークは変換して吃驚マークと書くと物凄いことになっていそうでほのかに好感が持てるのですがはじめから感嘆符と書けば全て済む訳で日本語って難しいです。
さてさて、わかる人にはわかる話なのでしょうが、バッドエンド四回を経て霧島、遠野とクリアしました。何でもメインの三人をクリアしただけでは終わらないゲームだそうでして、まだ先は長そうなので感想の中間報告をしておこうと思います。色々と予定もあってこれからまたちょっと日記書けそうに無いですしね。
感想を一言でいうと、今さっき書いた通り「惜しい!」です。何が惜しいのかと言いますと、「やりすぎ」なんです。基本的にストーリーの本質は面白く、音楽や台詞の質、タイミングなどどれをとっても申し分ない出来です。相変わらず私の言う「ゲーム」では無いのですが……。ああ、特に遠野シナリオは本質が秀逸だったと思います。ギャルゲーって絶対に恋愛が絡むものだと思っていたので、恋愛要素が全く無いあのシナリオはいい意味で期待を裏切られました。 ですが、やりすぎちゃって鼻につく部分が多いんですね。軽いノリで朴訥なキャラクター(特に主人公)が突然詩人に変貌したり、キャラが不幸になるべく(=感動に繋がる)して「用意された」過去があったり。また、その落差が大きすぎたり(落差=感動に繋がるのは事実なのですが)。こういう点が多々あります。 そして、絵。お金と時間と人をかけたFFXなんかと比べるのもアレなんですが、口パクすらしない下手な絵(絵の上手い下手には様々な論がありますがちょっとプロと言うにはアレなレベルかと)で、微妙な表情をかもし出すわけでも無いキャラではエンターテインメント作品の総合力をダウンさせてしまいます。どうせやるなら(特に、移植までしたのなら)「やるドラ」シリーズの様な方向性で表現するべきだったでしょう。動いたら(普段の立ち絵じゃなかったら)物凄くいいシーンなんだろうになぁ、というシーンが多かったので勿体無いと思いました。 次に、絵の表現力、枚数不足も関係しているのかもしれませんが、シナリオの表現力も少々難がある様に思えます。日本語は便利なもので、はっきりといわない事による表現手法が沢山あります。で、このゲームのシナリオでは最初の段階ではっきりと物事……主に感情を描くことで「普通以下」をわざと演出しています。そして、盛り上がるにつれてぼやかす、読み手が察する部分を含めた「普通」のシナリオにしています。シナリオのネタ自体は悪くないですし、この落差でシナリオがとても感動的に変貌したと思う方が多いのではないかと思います。こんな事考えてゲームをやる嫌な奴なんざそんなに居ないかもしれませんので問題じゃないかもしれませんけどね。 また、シナリオの内容についても惜しい部分が沢山あります。このゲームはもともとエロゲーで18歳未満禁止のゲームだった筈なので、もっと中身を読解力と割り切りを備えた大人向けにしても良かったのではないかと思いました。特に、全体的に救いがあるシナリオなので、突き放す部分を突き放しても良かったのでは無いでしょうか。FFXを秀逸だと思った理由にも、こういう部分が良く出来ていたという点があります。まあ、シナリオに関しては、現実世界を基盤としている割に奇天烈なストーリーである時点で、ハイファンタジーを作り上げてそれを活かしたFFXとでは比べられないかもしれませんけどね。別モノです。 あと、主題歌。メロディが綺麗で、流れる後ろに挿入する絵の枚数も少ないなりに効果を上手く使っていてよく出来ているのですが、エンディングの曲があまり良い曲ではないのでこの主題歌をエンディングに持ってきた方が遥かに効果的だったと思います。主題歌を見て、エンディングのもたらす効果を期待していたら肩透かしをされてしまいました。
さて、とりあえずやってみて思ったところはこんなところです。 後々どう感想が変わるかこうご期待。
|