日常喜劇

2006年05月29日(月) まだ真田モノ


いい加減まだ真田モノから抜け出せていない。
今度は真田太平記の番外編、というか太平記より
先に書いた内容だが番外編のような内容になっている
2冊を読んだ。「真田騒動」と「あばれ狼」二つとも
短編集で、それぞれに真田家にゆかりある話が収め
られている。まず「真田騒動」を読んだのだが、
何の心の準備もないまま読み始めたらいきなり
真田兄弟の今生の別れシーンから始まって電車の
中でいきなり呼吸困難になるかと思った。
ヤバイ、兄弟好きがもっともモエるシーン再び!
太平記では割と淡々と書かれていたこの別れの
シーンも、番外編では二人の容姿までしっかり
書かれていて余計に風情を誘う。というか二人とも
50歳のおっさんでちゃんとおっさんらしい描写なのだが、
腐女子の妄想パワーで想像上は若いまま。
でも弟が「いやになるほど腹が突き出て参って…」とか
兄が弟を「お前の(髪)は黒いな」とか「小太りの体を
馬に伏せ…」とか言い出すものだから、おっちゃんを
想像したくないあまりトド○ロちゃんが馬に乗ってるけど
またがる足の長さが足らない、みたいなファンシーな
イメージに逃げてみたり。…人間じゃないからそれ。
ともかく朝の電車で身もだえして読みふけったのは
確かだ。そして更にトキメいたのは兄の描写。
太平記では優秀・美形・自制心も強い・部下思い・
お家第一公正無私・弟大好き・な完全無欠の兄が思いのほか
ヘタレなのだ。京都で素晴らしい女性に会ってうっかり
一目惚れしてしまうのだが、これまた完全無欠の嫁が
怖くて側室も置けない兄はこっそりラブレターを
出したりする。向こうもまんざらじゃなくて手織りの
羽織を送ってくれたりするものだから、兄は舞い上がって
それをいそいそと着こんで食事をしてたら案の定
早速嫁にバレた(アホや)で、ごまかしたんだけど
ごまかしきれず、苦し紛れに仕事の都合で別居してる
嫁に向かって「いつ帰るんだ?」と聞いちゃったりして
見苦しい限り。なんて可愛いんだ兄…!
真田太平記12巻通してこんな駄目兄見たことない!(笑)
さて次の「あばれ狼」でもやはり兄が目立つ短編が
あるのだが、これがまた更に輪をかけてへたれ。
やっぱり片思いの彼女とのやりとりが書かれてるんだけど
直接やりとりが出来るほど自由な身ではないので
腹心の部下に手紙を届けてもらっている。しかし部下は
そんなしょーもない役目が嫌なので「もうヤですよ
こんな仲立ち」と言うと「いいじゃん、前にお前の女
譲っただろ。今度は助けろよ」と局地的に情けない
押し切り体勢。ああぁああもうなんてへたれ。
最高だ(爆笑)

本編を読んでイイ男な兄にステキな夢見ていたが、
そんな駄目男な兄にもすっかり参ってしまった。
あばたもえくぼ、というより駄目な方が人間味が
あって際立って更に魅力的。いくら駄目男な部分が
あっても彼が立派だったことに変わりはないもの。
つか池波先生、なんでこんなに兄を熱く書いて
くれるんだ、嬉しすぎる。池田先生をさし置いて、
真田信之書かせたら右に出る者は居ないだろう。


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牛良 [MAIL] [HOMEPAGE]

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