もうだいぶ前の話になるが、内定をもらった夏に友達と 東北に旅行に行った。その旅行は一味違っていて、本来なら レンタカーを借りて自由きままに移動したかったのだが、 あいにく車の空きが無かったので、タクシーであちこち 回ってもらうことになった。結果的に余計な回り道は しなくて済んだし変わった場所も回ってもらったし ネイティブな東北弁のおっちゃんと仲良くなれたしで、 これはこれで楽しい旅になった。 どこで住所書いたんだか小岩井農場からはいまだに通販の パンフが来るし、奥入瀬渓流と田沢湖はマイナスイオン 湧きまくりの本当にステキスポットだ。山が深いし未開の 文化が潜んでる感のある東北は本当に魅力的。 特に田沢湖は透明度が高くて綺麗な湖だし、私には どうしてもミスマッチに見える洋風の黄金像が代表物と して建ってるし、なにげなく扉を開けたら壁が塗りこめ られてる古い部屋という、いまだかつて泊まったことの ない暗い廊下と陰気なホテルにも泊まれたし、 なかなかインパクトがある旅だった。 ところで、不用意に全裸を見られたことがあるだろうか。 私はある。 この旅の最終日、日帰りで乳頭温泉に行った時のこと。 ローカル線のマイナー駅で降りてバスに揺られ、バス停から さらに徒歩で行った所にある乳頭温泉のとある宿で日帰り 入浴した。当時から私は風呂好きで、そんなメジャーにも なっていない乳頭温泉だったが憧れスポットだった。 そんな聖地の日帰り入浴がなんと300円。かなり安い。 ぽつりぽつりと点在している入浴施設を全部入って回っても 充分安い。しかも施設内の自販機も、ジュースが110円と良心的 価格。本来、ホテル内は150円とか、田舎だったら200円取っても おかしくないのに、更に安い110円。かなり好感を覚えた。 しかも田舎の山奥だからか、風呂場が混浴。本来、いつ男が 入ってくるか解らない混浴なんか入る気もしないのだが、 こんな山奥まで来て憧れの乳頭温泉の露天風呂、とつい 誘惑に負けて服を脱いだ所で入ってきたおっちゃんと 全裸で鉢合わせした。いや、全裸は私だけだが。 まさか一緒に入るほど神経強くもないので、そそくさと 服を着て結局足もつけずに出て来てしまった。あれ以来、 乳頭温泉に行ってないし思い返すだに悔しい。いや、 見られたことがじゃなくて、露天に入れなかったことがだ。
…そんなことを、乳頭温泉が雪崩で大変だったニュースを 見てふと思い出した。入浴中一番まったりしているところに 全裸でいきなり頭から雪かぶったらショックだろうなぁ。 ああ、かえすがえすもやっぱり入っておくべきだった。 (いえ、ご不幸は痛ましい限りですが) それにしても、こう、いやらしい目つきで見られる訳じゃ なくうっかり見られちゃった全裸は別に恥ずかしくないと 思うのは私だけだろうか?相手だって絶対、咄嗟には 「あ、肌色の塊」くらいにしか見えてないと思う。ねぇ? 私だって目が合ったのに騒ぎもしないで無反応だったし。 つまりここが言いたかったのですが、よく少女マンガにある 「きゃああちかん!」とかいう展開には早々ならないと 思うのですよ。せいぜい「あらあらまぁまぁ困ったわ」 ってくらいか(どんなだ)
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