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ラヂオスターの悲劇
トマーシ
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2006年03月07日(火)
フィクション

テレビをつける。
パチンっ!
「ほら、ついた。」
ニュース!ニュース!ニュース!
まるで砂糖のお城みたい。
流れている映像が、というわけではなく、四角い括弧の箱の中の全部が…ちょうど画面は泳ぐ子どもにクローズアップしていくところ。
「泳げるようになったよ。」
子どものバタ足とビニールの浮輪と水の音がキュッキュキュッキュと素敵な感じ。
それから歯磨きのCMを挟み、チャンネルを変え、兵士が砂の丘を腹這いでほふくぜんしん。その真上に大きな月が架かっている。これは時計のCM。またチャンネルを変えるカチャリっ
「あぁ、やっぱり変わった。」

とたんに大きな笑い声。パチンコ台みたいにデコレートされたゴンドラに人が乗って、そのゴンドラはひっきりなしに上下している。クイズ番組なのだ。
さてそのうちテレビのそとがガヤガヤしてくる。二度日が暮れたような気がしてテレビを消す。
パチンっ
「ほら、消えた」