ナナとワタシ
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夕方。というか夜。 最後の打ち合わせを終えて帰宅し、かたかたと仕事をしておりましたら電話がぷるぷると鳴りまして。 ナンバーディスプレイ確認。 あ、ナナだ。
「もしもしー」とワタシ。 「あたしー」 「おーう。ひさしぶりー」 「あけましておめでとー」 「え!新年の挨拶してなかったっけ? そんなに久しぶりなのか!Σ (゚Д゚;)」
以前は一週間も連絡がなければ「すんすん、すねすね」としていたワタシだったというのに。 大人になったものです。
「そだね。まあとにかくおめでと」 「おめでと」
なんだー。新年の挨拶のためにわざわざ電話くれたのー?(*´∀`*)
なんてわけがなく。
「あのねー、 お願いがあるんですけどー」
やっぱり(´д`)
「キミ、お願いあるときしか連絡くれないな!(笑)」 「じょりぃが忙しいからでしょ!悪いと思うんだよ!用事があるとき以外は!」 「忙しくないのに」 「ホント?1月なのに?」 本来、毎年1月はワタシ特に忙しいのです。 「うん」 「じゃ、明日映画行こって言ったら行ける?」 「うん。行こ」 「あたし無理」
なんなんだおまえわヽ(`Д´)ノ
「で? お願いとは?」とワタシ。 「きいてくれるの?」 「うん。 いや、内容によるけど」 「あのね、住所調べてほしいの」 「住所? 場所じゃなくて?」 「あ、場所。住所はわかる。・・・明日お客さんのところ行くのに、場所がわかんないの」 「どのへん?」 「○○市。あたし全然わかんない」 「むむ。少しだけ遠いね。じゃ、住所言って」
ネットでかたかたと調べまして。 「住所言うだけでわかっちゃうって、ネットってすごいねー」と、ナナはなんだかかわいらしいことを言ってます。 そうそう。キミはそのまま、ネットなんて世界に足をつっこまず、存軽の存在も知らないままでいておくれ。
あ、あったあった。ここだー。
・・・・説明しづらい。 ファックスでもわかんないだろうなこれじゃ。
「キミ、たどりつけなそうよ」とワタシ。 「えー。 遠いの?」 「うん。どのへんまでならわかる?」 「実は全然わからない」 「むむ。 打ち合わせって何時から?」 「10時」
午前中か。 動けないこともないな。
「ワタシ、一緒に行ってあげようか?」 久々の過保護発言。 「え!ホント?!マジ? うれしい!」 ナナ、大喜び。
(*´∀`*)
道がわからなくて困っているだけとはいえ、こんなに喜んでくれるなんて、ワタシはとてもうれしい。
「1時にはなっちゃん来ちゃうから、それまでには絶対家に戻りたいんだけど」 「うん。それは大丈夫だよ。えー、ホントにいいの? 仕事は?」 「大丈夫だよ」 「・・・どしたの? やさしいじゃん」 失礼な。 「いつもやさしいんだよワタシは」 気分によってな。
「でもじゃあ、どうしよう。1台で行く?2台で行く?」とナナ。 「あたしの打ち合わせは時間かからないと思うんだけど、それでもじょりぃを待たせることになっちゃうし、2台のがいいかな」と。
「そうだねえ。でも道中長いからなー。せっかくのロングドライブだしなー」 「でもじょりぃ、時間がもったいなくない?」 「ワタシの車で一緒に行こうよ。打ち合わせのあいだ、車でふらふらしたり本読むなり仕事するなりして、適当に待ってるから」 「いいの?」 「せっかくだし、話をしながら行きたい。久しぶりだし」 「うん。じょりぃがいいなら、あたしもそうしたい。けど悪いなー。いいのかなー」
以前よりワタシの時間やら仕事やらを随分と気遣ってくれるナナ。 前もそれなりに気にしてはくれたのですが、自分が仕事を始めてからは、それが顕著になってきたようです。 そうか。もしかしてそれで前より電話とかも遠慮してくれちゃってるのかな。 と、自分に都合良く考えてみたりして。
「無理なら一緒に行くなんて言わないんだから(笑) 気にしないで」とワタシ。 「どうもありがとう。この埋め合わせは絶対するから」 「へへ。 じゃ、一緒に映画行こ」 「うん!いいよ、行こう。てか、行きたい。 でもそれでいいの?」 「あ、サウナもいいよなー」とワタシ。「サウナじゃイヤ?」
映画だと顔見たりおしゃべりしたりできないもんね ということで。
「サウナのがいい。サウナ行きたーい」とナナ。
決定。 でも言ってるだけかなー。ナナも忙しそうだしなー。 なんて思っていたら「いつなら平気?」とナナから。
「そっちは?」 「んーーーーー・・・今週なら○日」 「うん、○日なら大丈夫だよ。あ、でも、夜?昼?」 「昼(笑)」 「夜がいいなあ」 「となると遅い時間になっちゃうけど。早くても9時半とか」 「ワタシはかまわないよ」 「じゃあ、○日の夜ね」 「うん」 「よかったー。ホントにありがとう」 「うん」
電話を切って。
おかしい。 なにかおかしい。
だって、オチがないもの。
明日、ワタシが道に迷ってナナの仕事がポシャるとかいうオチかしら。 それは困ります。ありそうなだけに困る。
今日の会話の雰囲気があまりにもよかったのでワタシが期待しすぎて桃色なものを分泌させすぎた状態で明日を迎えたもののナナが冷たいのでずずんと落ち込むとかならいつも通りのつまらないオチですが。 それももう飽きましたしねえ。
みなさまがげっぷが出るほどの甘いオチを期待しつつ、今晩はおふとんに入ろうと思います。
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