ナナとワタシ
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本日夜、きょんとナナが1時間半も電話しておりました。
「ちょっと!あたしのオンナとらないでよ!!」 「何言ってんのよ!勝手につきまとわれてこっちこそ迷惑してんのよ! あたしのオンナと言うからには、もっとしっかりしつけなさいよ!!!」
という会話ならばみなさまに楽しんでいただけたのですが。 日頃ほとんど会話をしないふたりが1時間半も話し込んでいたのは「犬」についてでございました。 もちろん「ナナ=質問者」「きょん=回答者」という組み合わせです。 ワタシは途中、いそいそときょんに水を運んだりしておりました。 蚊帳の外なじょりぃ。 ぽつーーーーん。
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昨日、ワタシはナナに「1時間ほど時間を作れないか」とメールで申し入れをいたしました。 話したいことがあったのです。おもにふたつ。 ひとつは、ワタシにとっては大事な話とはいえ、いつものナナワタとは関係のない話なのではしょらせていただくとしてですね。 もうひとつは、ワタシのナナに対する恋の魔法が解けてきた云々を別にして(実際解けたかどうかはまだ不明です)、最近お互いがお互いをあまり大事にしていないのではないか、そしてそれはナゼなのかということを話したかったのでございます。 お互いを大事にといっても、私たちは別に恋人同士ではありませんから。 あくまでも友として、ということですが。
一時は恋愛感情がないとはいえ、お互いがこの関係を大事にしているなとという自負があったのですが。 最近どうも なにか へん。 ワタシに問題があるのかな?という気もしますし、今まで以上にナナがワタシのことをどうでもよくなってしまったのかな?という気もします。 で、「話がしたい」とはいうものの、そんな「実際起きているかいないかすらわからない現象」について、いったいどうやって話をしたらいいものだろう、ナナはなーーーんにも思ってない可能性のほうが大きいし、なんて悩んでおりました。 ナナはなーーーんにも思っていないとしたらそれはそれでワタシにしてみれば深刻な事態なので、つかみどころがないまま、それでもワタシは会って話をして「何か」をつかんでみたかったのでございます。 まあ、相変わらずひとりで相撲を取ろうとしていたと言われればそれまでですが。
「午前中ならいいよ」ということでしたので、10時45分頃にナナ宅へ到着するじょりぃ。 ピンポンを押すと「開いてるから入って」とナナの声。
ワタシの顔を見るなり、質問の嵐でございます。 質問とは、「ねえ、あたしのこと好き?」なんてかわいいものであるはずもなく、犬のことばかりでございます。 じょりぃ、たじたじ。
子犬と遊びながら、ナナの話やら質問やらを聞くじょりぃですが、ホントにまあ、そりゃあすごい勢いで。 「これでいいの?」「こういうときはどうしたらいいの?」「お医者に連れていかないとダメ?」その他もろもろもろもろもろもろもろ。
ワタシ、犬の話をしにきたんじゃないんですが。
が、ナナはもう既に「じょりぃは犬のことで助けにきてくれたんだ!」と思いこんだのか、あるいは自分のことしか見えていないのか(たぶんこっち)、ワタシの思惑など眼中にないまま、犬の世話のしかたについて「どうしようどうしよう」という感じで話し続けます。
犬にとってはよかったですが、アナタ、相変わらず完璧を目指しすぎです。 肩の力を抜け。
そんなにいろいろ訊かれても、ワタシは犬の素人です。
「今日、きょんと電話できるようにするから、そのときに訊いて。ワタシが適当なこと言って、間違えていると困るから」と申し伝えまして。 「うん。わかった。ありがとう」 と言ったあとも、質問責め。
ちょっとうんざり。
悪かったよ。 キミがちゃんと犬の世話しないかもとか、少しのあいだでも思ったりして。 そんなに一生懸命になるとは思わなかったのだ。 謝る。 だから。
だから。
お願い、ワタシの話を聞いて。
と言えないのがこのアタクシ、じょりぃ。
顔だけはにこにこしつつ、だんだんココロがふてくされていきます。
だって。
また犬にオンナ取られてしまいました。
無念。
というフキゲンが蓄積され、ワタシはいぢわるじょりぃに変化していたようです。
「いよいよ仕事しようと思ってたのに、犬から手が離せなくてさー」とナナ。 「仕事する気あったんだ」 「前からそう言ってるでしょ。仕事したいって」 「ふっ。そんなこと言ったってさ しないよ」<強い口調になってしまった
しかもこの「しないよ」、片眉つりあげて、目をくるりんと回転させつつ、首をすくめてイヤミ笑いしながら言っちゃったもんですから。
「・・・何それ。 その言い方」 ナナ、怒りました。 「だって、口ばっかじゃん」にやにや。
ナナの声が大きくなりました。
「あんたムカつきすぎ!!」
ナナに「あんた」と言われてしまいました。
「『あんた』な上に『ムカつきすぎ』ですか」<聞こえるか聞こえないかという声でへらへらしつつ。
が、聞き逃さなかったナナ。
「ホントマジでムカつくよじょりぃ! きょんさんがじょりぃにいつもキレるのも、じょりぃがそうやってムカつくことばかり言うからなんだよ!」 「ワタシが悪いのか」 「そうだよ」 「ワタシってムカつくのか」 「ムカつくよ!」
床にぺたんと体育座りしていたワタシに向かってすたすたと歩いてきたナナ、ワタシを見下ろしながら言いました。
「あたし、本気でムカついたらマジギレするからね。 きょんさんみたいなわけにはいかないから」 「・・・・・・・・・・」 <ナナを見上げながらへらへらと無言じょりぃ。
こわ。
と思いつつ、ワタシはなんだか何かがふっきれてスッキリ。とてもスッキリ。
そうか。
相手にムカついていたのは、ワタシだけではなかったのか。
ナナのこの言いっぷり、何も今の会話に限ったことだけではない、という雰囲気です。 そうだったのか。 あなたも日頃から、ワタシにムカついていたのですね。 ワタシもここしばらく、あなたになんだかムカついていて、電話する気にもなれなかったんですよ。
ああよかった。 なんとなく、お互いを思いやっていない理由がわかりました。 お互いにムカついていたからです。 お互いの性格にムカついていたからです。
ちなみに、今日もワタシは、いくら今犬のことで頭がいっぱいだからって、自分サイドの話しかしないあなたにムカついておりますよ?
この話をきょんに話しましたら 「ナナの気持ちわかるよーーーー」としみじみと。 「ワタシ、そんなにムカつく?」 「うん。ムカつくね。 本気で働く気があったのなら、やっぱそりゃ相当ムカつくだろうよ」 「しかも、このとき、こーゆー表情でワタシセリフ言っちゃったの」 実演。 「あ、それ! じょりぃよくやるんだよその人を小馬鹿にした顔! 殺意すらわくよ、ムカつき通り越して」 「みんな実はワタシにムカついているんだろうか」 「あなた外ヅラはいいから、それはないんじゃないの?」
ということは、ナナもワタシの内ヅラチームに入ってしまったのか。 お気の毒です。
というような、変な具合にスッキリとした事件の後、ナナの怒りも収まり「買い物つきあって」と。 わあい、ショッピング? なーんてことはなく、犬用品の買い物です。 ねえ、おねーさん。 少し違う話しない? 飽きたよ、犬の話。
とも言えず、ふたりでお昼を食べたあと、ペットショップへ。 あれも買った方がいい?これはどうかな?ごはんは変えたほうがいいって言うけど、アイムスとヒルズ、結局どっちがいいの?と、またもや質問責め。
ワタシの答はただひとつ。
「今晩、きょんと話してから、すべてを決めなよ」
で、結局、途中ナナが用事で抜けたとはいえ、4時半頃まで一緒に過ごし、「ムカつく」発言をされたとはいえ、ワタシやっぱナナのこと好きじゃんなんて寝言を思いながら家路についたわけです。 とはいえ、萌えは一度も起こりませんでしたが、 やっぱり何かの機能が不全になっているのかもしれませんワタシ。
で、冒頭の電話になるわけです。 きょんとの電話が終わったら、少しナナと話をして、「もうちょっとお互いワガママをなくそうじゃないか」みたいな話をしたいなと思いつつ、きょんとナナの電話の様子を仕事をしながら見守っておりました。1時間半。
が。
ナナ、訊きたいことを聞き終わったら、あっさりそのままきょんと電話を終了してしまいました。
どすこいっ。
って、ワタシまたひとり相撲? ナナにとって大事なのは、犬のことだけだったのでございます。
萎え。
超萎え。
テンション、ふたたび急降下。 もういいや。 このままワタシのテンションが回復するまでムリしないでいようっと。
はー。 がっかり。
とはいえ。
ナナの微に入り細に渡る質問に(ホントに細かいんですよー)、丁寧に的確に答えるきょんの様子に、「さすがプロ」とすっかり見直しきょんに満足できた、という収穫はございました。
きょん。 ワガママ娘に1時間半もつきあってくれてありがとう。(きょんも「教えたい欲求」を満足させることができたので、双方にとって有意義だったのでしょうけど)
そしてナナ。
あんた、ムカつきすぎ。
ワタシがマジギレしたら、キミなんて一瞬で泣かせてしまうのだよ。
そのあと、ワタシが一生口をきいてもらえなくなるんでしょうけど。 一瞬で一生を棒に振るわけにいきませんので、どう転んでもやっぱりワタシが分が悪いのでございます。 ああ、悔しい。
とにかく、しばらくは距離を置こう。そうしようっと。
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