ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2005年06月10日(金) 返事はいらない

本日午前9時45分頃。
タバコが切れたワタシは、自転車に乗ってコンビニへ。
10時の映画を見るとナナが言っておりましたから、今頃はもう映画館の駐車場に入って  るわけないか。
駆け込みだろうな相変わらず。

なんて思っておりました。

そしたら11時頃にナナから電話。

「もしもし・・・」

声がおどおどしております。
それはワタシの係です。取るな。

「どしたの?」

ていうか、キミ今映画見てるはずじゃないの?
ナンバーディスプレイは、ナナの自宅番号であります。

「子犬って、どうしたらいい?」
「は?」
「パパがもらって帰ってきちゃったの。トイプードル」
「あなた、犬は飼わないって言ってたじゃない」
「そうなんだけど。
 ゆうべパパから『もらってもいい?』って電話が来て、『ダメ』って言ったのに、
 ちゃっかり持って帰ってきちゃったんだもん」

ここで一気にフキゲンになるワタシ。


これからフキゲンの理由をくどくどと述べさせていただきます。

まず、これはワタシの偏見と偏屈も多分にあるのですが。

ワタシは流行の純血種を飼いたがる人が嫌いです。
確かミニチュアダックスが流行っていたころ、パパは「ミニチュアダックス飼いたい」と言ってませんでしたか?

賭けてもいい。
これが雑種だったら、パパは絶対貰ってこなかったはず。
そこがもうなんともイヤ。フキゲン。
こういうスノッブな人を好きになって結婚して一緒に生活しているナナに対しても嫌悪感が生じます。
すごく飛躍しすぎですが。
しかも何を偉そうにお前何様だよじょりぃ様です。

さらに。

アホなパパ(ああ、今までガマンしていたのに、ついに言ってしまった)の言うことをそのまま聞くアホなナナがイヤ。
このあいだまで、「世話が大変だから飼わない」って言ってたじゃん。

ナナが承諾した理由もわかってます。

末子ちゃんが小学校に上がって、少し手が離れたのでさびしいのですよ。
そーゆーことに依存する姿勢がイヤ。
手が離れたらアレもやりたいコレもやりたいなはずじゃなかったの?
結局自分を縛るものがほしいのですね。自立しろ自立。 ということでフキゲン。


「世話できるの?(冷笑)」とワタシ。
「しなきゃならないでしょうね」
「室内で飼えるの?」
「この犬種ならそうせざるをえないよね」

今までさんざんウチに対して「よく犬と一緒の空間で生活できるね」とバカにしていた人のセリフです。
と、ワタシもイヤミなことこの上ないですが。
室内で飼わなきゃ飼わないで、もっと怒るわけですが。

「朝晩の散歩は誰がするのさ」 パパにさせろパパに。
「それは子供達がするって約束したよ」

賭けてもいい。

その約束は破られる。
子供とはそういうものですし、ましてやキミの子だ。
さらに言えばパパの子だ。
って言い過ぎですよじょりぃ。

「パパにめんどう見させろよ」 <命令形になってるし
「見るって言ってるけど。 ゆうべもパパが一緒に寝てたよ」

一緒のふとんで、じゃないだろうな。(それをしてはいけないのです)
ていうか、それって「めんどう見てる」ってことなの?
今かわいがりたいからかわいがってる風にしか思えませんが。
生まれたばかりのトイプードルなんて、そりゃあかわいいに決まってますからね。

「ふっ」 <すごいイヤな笑い方をするワタシ
「生後四〜五十日でさ。どうしたらいいかわからなくて電話しちゃった」
「ワタシに訊かれてもわからない。きょんのいる時でないと」
「そうか」

もう、このときのワタシの声の不機嫌なことといったら。
なんだか知りませんが、腹が立って腹が立ってしかたがなかったのですよ。
パパに腹を立てていたのですが、そうなると自然にナナにも腹が立つのであります。
おまけに、前日の映画の件も引きずっておりました。
そしてワタシは現在生理前ときたもんだ。

非常に冷たい態度で最低限のことだけ答え、早々に電話を切ったあとに、でもわからないまま飼われてしまったら、犬がかわいそうだなと反省。
ネットで犬の飼い方を調べ、プリントアウトし、ナナへファックスすることに。

これからファックス送るよ、とナナに電話をかけようとしたら、既に話し中。

ああそうですか。
ワタシでは埒があかなかったので、誰か他の人に電話して教えてもらっているわけですね。


と勝手に考え、さらに腹を立てるワタシ。
(そもそもの最初から、ワタシがもっとやさしく、知っていることを教えてればいいだけの話なんですが)

しかしまあ、しばらく時間を置いた後、「これだけは読んでおいて」と電話。
ナナもおとなしく「わかった。ありがとう」と。
低姿勢です。

ワタシって、いつもは常に常にへらへらしておりますので。
たまにフキゲンモードに入ると、ものすごい威圧感を与えてしまうらしく。
きょんなんて、ワタシがこのモードに入ると、言われなくても茶碗洗ったり掃除を始めたりするほどです。あのきょんが。
今回、それがナナにも適用されたらしいです。
これがワタシの真の姿なのだよナナ。
キライになってくれたまえ。


きょんが仕事から帰ってきてから、事の次第を報告。
きょんは知り合いが犬を飼うということになると、仕事がらか、非常に厳しいことを言ってたいてい嫌われます。
ワタシもいつもは「せっかくかわいがろうと思っている人に、ああいう言い方はないのではないか。その人の考えや飼い方を否定するような話し方はよくない」ときょんに説教する側なのですが、今回はワタシが逆上していたせいか、きょんが落ち着いていて、「まあまあ」と。

「いいじゃん。トイプードル、かわいいよー(にこにこにこー)」 いや、そういう問題ではなくて。
「トイプードルがイヤなわけじゃないよ! パパとナナがイヤなの!」
「まあね。でもそんなの、何を今さら(笑)。
 そんなことよりさ、生後四〜五十日というのが気になるよ。
 通常、六十日までは母犬と一緒にいさせないと、性格や行動に問題のある子になりがちなんだよね。
 できればいったん返したほうがいいんだけど」
「・・・教えてあげたほうがいいの?」
「まあ、できればね。
 それに、うるせーぞー、トイプードル」
「なんだかとてもおとなしい子だと言っていたよ」
「じゃあ当たりじゃん。具合が悪いのでなければね。
 性格のいい子なのかもね。なおさらかわいいだろうなーー(にこにこにこー)」<犬バカ

でもわざわざ言うのも余計なお世話という気もするしな。
昼の電話でも、否定的なことを言いまくっていたワタシですし。
どうしよう。
でもまだ小さいうちに、末子ちゃんあたりに好き放題やられて性格がゆがんでしまってもかわいそうです。

ということで、ナナに電話。
末子ちゃんが出ました。

「じょりぃちゃんだよー」
「あ! じょりぃちゃん? あのねー、うち、犬がいるのー」

幸せそうな末子ちゃんの声。

「そーう。 かわいい?」
「うん! あのねー、黒くてもこもこしててねー、すごーくかわいい」
「そう。よかったねえ。  ねえ、ママいる?」
「ママね、今、お店行ってるの」
「そうか」
「帰ってきたら電話するように言うね?」
「うん、ありがとう。じゃあね」

留守か。

その後、きょんはダンスのレッスンに出掛け。
ワタシは自分の夕飯を買いにコンビニへ。
コンビニを出て車に乗ったところで、さきほどの電話での末子ちゃんの嬉しそうな様子やら、がんばって世話をしようとしているであろうナナのことやらが頭に浮かび、生後60日云々のことは言わなくてもいいんじゃないかという気もしてくるじょりぃ。
犬のことを考えればいったん返してあげたほうがいいのですが、ワタシ、きょんと違って日頃そこまで犬に対してきっちりなわけじゃないしなぁ。

ということで、ナナにメール。

さっき電話したら末子ちゃんが「電話るすように言うね」と言ってくれたんだけど、しなくて大丈夫です。

人んちのことだし。
ワタシには関係ないし。<荒んでます


夜の12時を過ぎて、ナナからメール。

夕方の用事ってなんだったの?


めんどくせえ。
なんて返信しよう。
これこれこういうわけで伝えようと思ったけど、余計なことかなと思ってやめた。
と最初は送ろうと思ったのですが、伝えておきながら「やめた」という報告もなんだか矛盾しています。
なら最初から言うなよ、あるいは言えよ、という感じです。

さんざん悩んで、でも時間をおかずに返信。

犬のこと。
生後何日って言ったっけ?





返事なし。





頭に来た。
一昨日の映画のときも確か、返事来なかったんだよな。



頭に来た。




1時間後、ナナへメール。


返事くれなくていいです。




自分が困ったときだけ連絡よこしやがって。
やっとハッキリわかりました。自分の置かれている立場が。



もう永遠に返事くれなくていいよ。




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