ナナとワタシ
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2004年11月21日(日) |
合唱コンクールふたたび |
忙しい忙しいと言いつつ、前回のナナワタと一緒にこれも書いておいたので、せっかくなのでアップしておきます。
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もう帰っているかな? 帰ったばかりで仕事が忙しいとは思うんですが、金曜日って時間つくれない?
ナナ様からメールでございます。 旅行から帰った晩のことでございます。 水曜日の夜です。
仕事が忙しいって、泣きたくなるくらい忙しかったのですが、むむう、むむう、と唸りながら返信。
んー、午前中ならなんとかなるかな。
が、しかし。 ナナの用事はお昼からでございました。 去年もふたりで見に行った、長女ちゃんの中学校の合唱コンクールに一緒に行かない?というお誘いでありました。
ナナが適当に出かけたい、とか単にじょりぃに会いたくてたまらない(ありえません)とかなら「忙しいからゴメン」と断ったのですが、子供がらみならワタシだってなんとか時間をつくらなければいけません。 ワタシはナナよりも子供たちが好きなんですから。 ということもないんですが。 子供は大事。 ワタシの子じゃないけど。 母親に似て憎たらしい子供らですけど。
ということで。 アポの調整をし(この日に限って数件入ってやがりましたよまったく)、いざ、合唱コンクール会場へ。
打ち合わせの合間を縫って行ったので、ワタシったらカッチリ目の服装でございます。 いつもはいい年こいて小僧風な服装でございますからね。 こんな「企業戦士風」なじょりぃを見て、ナナが心をときめかせてしまったらどうしよう。 ・・・なんて心配はもちろん無用なわけでございます。 「あれ? 今日、いつもと違うじゃん」の一言すらありませんでした。 ワタシの服装なんてどうでもいいみたいです。
長女ちゃんは立派に歌っておりました。 よしよし、いいこだ。 去年「なぜムービーとか持ってこないのだ」とワタシがナナを責めた教訓を生かし、今日はちゃんとムービーを持ってきたナナはしっかり録画。
しかしこの女。 自分の娘を録画する以外にも、しょーもない理由でムービーを駆使しておりました。
ムービーのズーム機能をフル活用し、各クラスの「イケてる男子チェック」なんてしてやがるんですよまったくもう。
「あ、この子かわいい。 ほら」とか 「このクラスはいいのいないなあ」とか呟いておりますです。ワタシの隣で。 ワタシと腕が触れ合っている状態で。<関係ない
まあ、ワタシはワタシで「かわいい娘はいないかな?」と目を光らせておりましたので。 どっちもどっちなんですが。
何度目かの「ほらほら。かわいいよこの子」のときに、ワタシは言いました。
「それって楽しい?」 「うん。楽しい。ていうか、せっかくだしさ。みんなの成長ぶりを見ているのだよ」 「ふうん」 成長ぶりねえ。ウソこけ。 「あ。 この子なんて、すごく男っぽくなっちゃったなあ。子供だったのになあ」 「へえ」 <あまりおもしろい心持ちでない様子のじょりぃ。 「あ、見て。 この子かわいい☆」 「カッコイイより、かわいいのが好きなのか」 「そういうわけじゃないけどさ」 「どういうわけさ」 「中学生なんてさ、かわいいって感じでしょまだ」 「ふうん」 <おもしろくない
おもしろくないので、話題を変えました。
「自分が中学の先生になるとしたら、どの教科がいい?」 「えー? あたしが教えるのか? 想像つかないけど」 「想像したまえ」 「んーーー・・・・・数学?」 「数学?」 「とか、国語?」 「国語?」 「社会はダメだなとりあえず」 「ダメか」 「理科がいいかな」 「どして?」 「白衣とか着ちゃってさ」 「白衣」
じょりぃ、ごきげん復活。
「白衣か。 では理科の先生にするといいよ」 「そんなことで決めるのかよ(笑)」 「あー、 もっといいのがあった」 「なに?」 「保健室の先生がいいと思うな」 じょりぃ、軽く興奮中。 「は? なんで?」 「白衣着るしさ」 「・・・・・・・」 「絆創膏なんて、貼ってくれちゃったりしてさ」 「で?」 「傷口をふうふうしてくれちゃったりしてさ」
言ってることが看護婦さんごっこのときとたいして変わらないあたり、じょりぃの妄想も貧困であります。
「あのさあ」とナナ。 「はい」 「じょりぃの想像の中で、保健室の先生がどんなだかはわからないけどさ」 「はい」 「なんか、すごく色っぽいものを考えてませんか?」 「もちろんです」 「実際はそんなことないよ」 「そうなの?」 「うん。白衣も着てないし。 なんか、色気ないトレーナーとジーンズ、みたいな格好してるよ」 「それは保健室の先生とは言わないから」 「言うから」
がっかり。
「でもさ、ママ(ナナのことです)が保健室の先生ならさ、エロいよきっと」<頭おかしいじょりぃ 「エロくないよ」 「いや、そこをなんとか」 お願いするようなことではない気がしますが。 「こう、かがんだときに、白衣から胸元見せたりして?」 「そうそうっ。 それだっ」
わかってるんじゃありませんかナナ。
「そんな保健室の先生がいたら、生徒よりも男性教師が通いそうだ」とナナ。 「それもそうだ」 「現実を知ってください」 「しゅん」
そのうちに、PTA役員さんたちの合唱となりまして。 ナナやワタシとそう年が変わらないはずなのに、どうも、こう、もっと風格があるというか、悪い言葉で言えばみなさん老けて見えるというか。
「すごくみんな『おかあさん』ぽく見えるな」とワタシ。 「そーお?」 「うん」 「白ブラウスと黒ボトムがいけないのかな」 「そういう問題ではないな。どちらかというと体型か?」<自分のことは棚に上げてます 「じょりぃが気に入るように、来年からはみなさんにナース服でも着てもらえば?(笑)」 「それは違う」 「なにが?」 「ナース服を着ればいいというものではないのだよ」 「そうなのか」 「そうだ。 あれは人を選ぶのだ」 「ふうん」 「きれいな人が着るからいいんだよ」 「ふうん」
暗に「だからナース服を着て欲しかったキミはきれいってことだよ」と伝えてみたつもりだったのですが、答は「ふうん」でございました。
これは伝わらなかったかなと思い、じょりぃ、くどい人間になってダメ押しで
「ママはよく似合うよね、ナース服」にっこり。
とお伝えしてみましたが、さっくり無視されました。 しゅん。
話は変わりますが。 この日、ナナはめずらしくというか、ワタシとしては初めてだったんですが、何かつけておりました。 つけるといっても「霊を憑ける」とかではなくて、香りです、香り。 なんだかほのかに、とても良い匂いが。
ナナは香りを嫌う人なので、最初はまさかねと思って、どこから香ってくるんだろうなときょろきょろしたりしていたじょりぃだったんですが、どうやらナナですよ。
どういう心境の変化だね? とも思ったのですが、何はさておき、この香りというヤツは、人をクラクラくらりんこにさせますです。 しかも、なんというか、こう、ちょっと色っぽいような香りでございますよ。 さわやかシトラス系☆とかではないんですよ。 もっと甘くて、ちょっとだけいやらしい香りですよ。と思うのはワタシがいやらしいからかもしれませんが。
で、「今日、何かつけてる?」とか訊けば、絶対照れくさがってしまいそうなナナですので、しらばっくれていたんですが。
合唱コンクールも終わりになってきた頃、ナナが「なんかさ、皮の匂いがしない?」と。
ゴメン、それ、ワタシ。 この人、鼻がいいんですよねえ。
「ゴメン、それワタシだ」 「は? なんで?」 「今日着てるコート、皮のコートと一緒にしておいたら、匂いが移っちゃったんだ」 「ふうん。 そんなこともあるのか」 「ママは今日、いい匂いがするね」
やった。 さりげなく言えた。 な、なんて答えるかな。 ナナの返事のあとに、何をつけてるのか訊くんだー。 そして、同じものを買って、家でひとりでクンクンするんだー。
と思ったのに。
またもや無視されました。
しゅん。 なんか言えよう。
というわけでですね。
愛しい人のために無理矢理時間をつくったじょりぃでありましたが。 愛しい人は、若い男子のチェックに余念がなく、そしてワタシが勇気をふりしぼってお伝えした言葉はことごとく無視する、という素敵な待遇でもって応えてくださいました。
それでもその日の終わりには 「今日は本当にありがとう。じょりぃの仕事が落ち着いたら、昼間ゆっくりでかけようね。夜中にちょっとお茶、とかでもいいし」 なんてメールを送ってくださるので、ワタシとしてはまたシッポを振りながらナナに会いに行くことになるのですけど。
そういえば、旅行帰りのワタシですから、フツウ、その話で盛り上がりそうなものですけど。 その件に関しては 「疲れた?」「いや。疲れない」「ふうん」 以上。 それだけ。
ホントにワタシに関心なさそうですねこの人。 やれやれ。 楽しいなあ。
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