ナナとワタシ
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ナナからの留守電が来ないまま、今日も一日、ワタシはくるくると働いて(いるフリをして)おりました。
だんだん腹が立ってまいりました。 約束したじゃん! ホントにワタシのことなんて、どうだって良いのだね。 明日から旅行、ってことだって、きっと忘れているに違いない。
もういいや。 留守電なんていらないし。 自分と子供のことにばっかりかまけていればいいさ。 だいたい、そうやって、ひとつのこと(子供)に頭をいっぱいにしすぎるから、余計悪循環なんじゃん。 そんなこともわからないのか。 バカモノめ。 愚かな女だ。
という具合に、心の中で罵倒しまくり。 ハワイから電話するね☆なーんて言っちゃったけど、絶対しないもんね。
と、ワタシがたいした態度のつもりでいても、ナナにはなんのダメージにもならなそうなところがさらに虚しさを覚えるわけですが。
とにかくもう、ナナのことはキレイさっぱり忘れてバカンスを楽しんでくるのだ! ・・・と、意気込みつつ、「でも子供たちには絵ハガキを送ろうっと」「ひとりに一枚ずつ送るんだ☆」と、いそいそと住所を控えていくけなげなじょりぃ。
とまあ、そんなわけで腐りまくりでござる。
が、そんな折、素敵な電話が。
「もしもし? 誰だかわかる?」 と、そのやさしい声。 「うん! 素敵な人☆」<お調子者
まりあからでした。
「明日から出発でしょ? 準備できた? 気を付けて行ってきてね」
それだけのために電話をくれたまりあ。 どっかの誰かさんとはエライ違いでございます。
嬉しい。 なんだか久しぶりですし。 まりあの声も元気そうで安心。
すっかり気を良くしたじょりぃは、まりあの声に励まされ、せっせと荷造り。 もう携帯の電源も切っちゃおうかな。 夜になって「あ、じょりぃ、明日行くんだっけ? やべー。しょーがない、留守電入れとくか。あとがうるさいし」なんて具合にナナから留守電入るのがイヤだったんですよワタシは。
これを「つまらない意地」と言います。 「間違えたプライド」とも言います。 「ひとり相撲」とも言います。 「勝手にやってれば」と言われます。
と思いつつも、電源切るのを忘れて2階で荷造りしておりましたら。
階下から、プリキュアのテーマソングが流れてきました。 ていうか、ワタシの携帯の着信音でございますよ。<いろんな人に軽蔑され中
仕事の電話かと思ってだだだだだと下に降りていったのですが、間に合わず。 すっかり切れておりました。
あらら大変、と思って着信履歴を見ましたら。
ナナでした。
留守電にも録音マークがついております。ぎょぎょぎょっ。魚。
ギリギリで約束守りやがりました。 時間は夜の11時半でございますよ奥さん。 絶対、「あ、じょりぃ、明日行くんだっけ? やべー。しょーがない、留守電入れとくか。あとがうるさいし」ということでかけてきたに違いありません。
けっ。
と空に向かって悪態をつきながら、異常に心音をばくばくさせながら聞いてみることに。 なんだかすごく恥ずかしいです。 こんなに恥ずかしいなら、留守電なんて頼まなければよかった。<勝手
うあああああああドキドキするーーーー。
何を吹き込んだのかな?というドキドキではなくて、こんなこっぱずかしいことをナナにさせてしまって、しかもそんなナナの声を聞くのがいたたまれなかったのであります。(だから、それなら頼むんじゃねえよと)
聞いてみましたら。
気を付けて行って来てね、おみやげ待ってます、めいたことが入ってました。 棒読みで。 デビルマンの主演ふたりも真っ青なほどの(見てないんですが)棒読み。
なんだかこう、何かを読んでいるかのような感じだったのですが。 たぶん棒を読んだんでしょう。 しかもけっこうきっちり16秒。
・・・もしかして、下書きしましたか?
いやまさか。 そんなはずはなかろうでござるの候。
でもとにかく、その留守電たら、なんだかすごく、ナナったら恥ずかしそうでですね。 聞いてるワタシもえらく恥ずかしくなりました。 恥ずかしがるんじゃねえよ!うつっちゃうだろ!(赤面しつつ罵倒)
いえ。 ナナが恥ずかしがってるのは、単に「なんであたしがこんな芝居めいたわざとらしいことを」ということで恥ずかしがっているだけなんですけど。 って、説明しなくてもわかりますかそうですか。
ふん。
どうせお義理でしょ。 しかたなくかけたんでしょ。 今の今まで忘れてたんでしょ。
と激しく思いつつも。
しょうがない、許してやることにしました。(にこにこにこにこにこ)
しかしですね。 恥ずかしそうなナナがあまりにも恥ずかしくてですね。
2回目が聞けないでいるんですが。
明日になればワタシもいくらか興奮が落ち着いているでしょうから、ハワイでゆっくり2回目にチャレンジしようと思います。
それでは行ってまいります。 アディオス!<国が違います
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