ナナとワタシ
ナナとワタシ
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2004年10月18日(月) ここぞとばかりに

前回のナナワタにも書いたのですが、ワタシとナナは中学校時代の恩師・M先生とお茶をしてきました。

ナナがここのところずっと子供のことで煮詰まっているのは、もう耳にたこができるくらいワタシも言い放っているわけですが、ここ最近のいちばん重症だった頃に「M先生に相談に乗ってもらえば?」とワタシが提案しまして。
「じょりぃも一緒ならいいよ」なんて言ってやがったくせに、我慢できなくなって、突発的に先にひとりで勝手に会いやがったナナ。
今回はナナがワタシに気を使って、先生に声をかけてくれ、3人でお会いできることになりました。

で、いろんな話をしている中で、M先生がワタシたちに訊ねました。

先生「ナナとじょりぃは、同じクラスになったことないよね?」
じょ・ナ「ないです」
先生「しょっちゅう会ってるの?」

じょりぃ、横に座っているナナの顔をちょっと見まして。
なんて答えたらいいのかしら。
しょっちゅう・・・・会ってるほうだよね?
ナナは答える気がなさそうなので、ワタシが答えねばなりません。ずるい。

じょ「しょっちゅう・・・・だと思います。 けっこう、会って・・・るよね?」

おずおずと一応ナナにおうかがいを立ててみましたが、ナナ、カジュアルに無視。

じょ「スミマセン。 会ってないみたいです、この人の反応からすると」
先生「あはははははははは」
ナナ「(苦笑い)」

先生がお聞きになっていらっしゃるのだ。
ちゃんと答えたまえよ、ナナ。
ていうか、ワタシの立場がないじゃありませんかコノヤロウ。

引き続きM先生、「ずーーーっと仲がいいの?」と。

じょ「いえ、ここ最近です」
ナナ「中学卒業してからは、ホントに全然接触なかったから」
先生「中学の時は、じゃあ部活で仲が良かったのか」
じょ「・・・・・・・・唯一、接点と言えばそこですけど」
ナナ「別に特別仲良くはなかったです」 あっさり
じょ「キ、キャッチボールとか組んでただろー」
ナナ「そうだっけ?」

ひどい女です。
ワタシと仲が良くなかった話なら反応がいいですこの人。


で、
先生にも3人のお子さんがいらっしゃいますし、現在いちばん問題なのは「ナナの子育て」なわけなので、自然に話題もそちらがメインとなるわけですが。
M先生が、ワタシの話にいちいち納得してくださいましてね。

「じょりぃはよくわかってるねえ」てな具合です。

そうだ!
ワタシだって、わかってることがたまにはあるのだ!
今の聞いたか!ナナ!

「ナナはさ、このあいだ話したときもじょりぃによく話を聞いてもらってるって言ってたけどさ、
 これからもじょりぃとのつきあいは大事にして、相談に乗ってもらったほうがいいよ」とM先生。

じょりぃの株、アーーーーーップ!

と言いたいところですが。
ここまで言われてしまうといたたまれなくなってしまいますし、ここは先生にちゃんと本当のところを伝えておかなければいけません。

「先生、ワタシは『わかってる』わけじゃなくて、『わかってるようなフリ』をして話をするのが得意なだけなんです」
「あははははは。よく言うよねーー。そんなことないよ」とM先生。

ここでナナ、すかさず、ここぞとばかりに

「いえ。本当にそうなんですよ。この人、『フリ』が得意なんです」


おーーまーーえーーなーーーーーーーー。




ばらすなよ。




他にも
「この人(<ワタシのことです)、いい人のフリもものすごく得意なんです。先生、騙されないでください」と、ナナ。

だからばらすなって。
それにワタシの悪口を言うときのあなた、なんだかキラキラしてるんですがナゼなんですか。

「先生、確かにその通りなんです。ワタシに騙されないでください」 ワタシもワタシですが。
「この人、フリだけで生きてるんです」 そこまで言うか、ナナ。

ナナの顔を見ましたら、ナナもこっちを見て「ふふん」てな感じで下目使いに笑っておりました。
だからナゼそこで勝ち誇るのだ。

先生はにこにこ笑いながらワタシたちを見てくださってましたが。
心の中で「じょりぃはフリだけで生きている」とインプットされたに違いありません。
M先生の思い出の中のワタシは「部活も勉強も一生懸命、キラキラ輝いていたじょりぃ」だったというのに。
これからは「ニセモノ人生・じょりぃ」となりました。


「じょりぃ、仕事は相変わらず忙しいんでしょ? 今日も忙しかったんじゃないの?
 あたしの都合でこの時間帯に付き合わせちゃってゴメンね」
と、M先生がおっしゃってくださいまして。

「いやあ、仕事なんて」 どーでもいーんですよあははははと続けようと思っていたのをナナが遮り

「忙しいですよ。まさに身を削って仕事してるもんね」 と。

なんだよーう。
おまえが言うなよーう。
勝手に口出すなよーう。
恥ずかしいじゃんかよーう。

でもなんだか、こういうのって、姉さんぽくてちょっと嬉しかったりもして。
と、浮かれてみたのもつかの間、

「全然寝てないんです。 先生、注意してやってください」 とナナ。

「栄養のあるもの食べないし、年中寝不足だし、今は愛想いいですけどいつもはむっつりしてるし、
 でもあたしの言う事なんてちっとも聞かないからあたしはもう放っておきたいので先生から言ってください」

心配してるんですか怒ってるんですか。
放っておかないでください。 かまってかまって。


とまあ、ここぞとばかりにワタシへの非難を先生のいるところで口にしたナナだったんですが。

こんな風に「なんだなんだキミぃ、ひどいなぁ」めいて書いていながら、実はそれが嬉しかったりしているワタシなもんですから、結局のところ、これはナナのサービスだった、という解釈で一件落着。
もし違ったとしても、無理矢理そういうことで。
ハッピーの「フリをする」じょりぃ。


先生が帰り際も含めて、何度かナナにこうおっしゃってくださいました。

「ナナ、また迷ったらいつでもあたしに話してくれていいからね。
 それと、じょりぃにも話を聞いてもらいなね? この子はナナの力になってくれる人だからね」


わあい。
ナナの中でワタシの株が上がったかもー。

なんて簡単になるはずないですもちろん。
ナナは絶対「けっ」とか「先生、わかってないなあもー」と思っていたに違いない。


でも先生、どうもありがとうございました。
ワタシは楽しかったし、嬉しかったです。
これは「フリ」ではありませんから。はい。


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