ナナとワタシ
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だるいよーだるいよー、と、弱虫なことを思いながら仕事しておりましたら。 ナナからメールが。
明日から新学期ですからね。 ワタシ心配で、今日も昼間ナナに「どう?元気?」とメールしたかったんですが、そのメールによって動揺させてもアレだな、なんて思ってメールをガマンしていたんですが。
やっぱりクヨクヨと悩んでしまっているのかしら。
なんて思いながら、メールをチェックしましたら。
今メール出来る?
はて? 電話じゃなくて、メールがいいの? 何かしら。
うん。
と返信。 それから5分後。 ナナからメール着信。
間違っていたらごめんね。 好きな人って、私?
え?
ええええええええええええ?
(脳内空白)
ど どうしよう。
どうしたらいいんですか神様。 なんなんですかこのストレートな問いは。 この人はぐずぐずなワタシと違って、どうしてこんなにハッキリしてるんですか。
とりあえず、ナナがどんな意図で質問してきたのかわかりませんので、いったんはとぼけてみることに。
なに急に!
・・・・次のメールが来るまでに、手のひらにじっとりとイヤな汗をかくワタシ。 いつもは手のひらなんてさらさらなのに。 どうしてこんなにじっとりできるのかしら。
すごい長い時間が経ったように思ったのですが、実際は6分後に返信が来ました。
なんか気になって。 なんだよードキドキさせんなよー。 でも興味本位で聞いたんじゃないんだ。 眠くなんなくて色々考えてたら…そうなのかなと思って。
ナナはマジメに聞いているみたいですね。
どうしよう。
「そうだよ」と言ってしまっていいものなのか。
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ。<実際頭の中でこの言葉がぐるぐるしていたワタシ。
わからない。 わからないんです。
何しろ今までさんざん、当のナナに対して「相手に負担をかけたくない。大事に思うからこそ、告白はできない」と言い続けてきたワタシです。 「そうだよ。好き☆」と伝えてしまうのは、なんだか矛盾です。
が、ここまできて、何をとぼける必要があるのか、という気もします。 かえって失礼だし、ワタシのグズグズにいつまでもつきあわせるのも失礼なんじゃないかという気もします。
どうしよう。<キリなく書けますコレ。
今の気持ちに、正直に返信しよう。
困ったな。
こんな返事では失礼なのはわかってるんだけど。
困った。
優柔不断もここに極まれり。
でもでも。 言い訳しちゃいますが、優柔不断だけが理由じゃないんです。 ナナの問いかけに甘えて、うかつに気持ちを伝えてしまって、先々迷惑になってしまったら、なんて考え・・・・やっぱ優柔不断ですねこりゃ。 だって、答えたも同じですよね、この返信。 なのに、ハッキリとは伝えていない。
卑怯かも。 ずるいかも。
でも、今の自分の精一杯、という自負はあります。
ナナはなんて思ったかな。 やっぱり「ずるい」と思うんだろうか。 返事くるのかな。
長い。 ナナからメールが来るまでの時間が、ものすごく長く感じられます。
約30分後に、ナナから着信。
困ったのはわかった。
もしそうだったなら…。私は嫌じゃないよ。 むしろ嬉しいよ。 ヤァッター!という嬉しさとはちょっと違うけど…。 ありがとうと言いたいし、そのことでなんだかいろんな話してきたのに、 とんちんかんな事を言ってた自分が妙に笑えるし、 それに今まで気付いてあげらんなくて、まずごめんね、と思う。 今いろんな事振り返って思うと、じょりぃの事とても愛しいと思いますよ。 可愛いとも思う。 そんな気持ちです。 とかいって「オメーじゃねーよ」だったらかなり笑ってしまいますが。 (ワタシの好きな人が)他の誰かだったとしても、そう思ってくれそうな気がするよ。
・・・・・・・・・・・・・・。
うっかり感動してしまいました。
と、軽やかに言っておりますが、ワタシが感じた感情というのは、言葉にできません。 ホントに今まで気付いてなかったのかよ!という驚きはさておき、この人はなんてやさしいんだろう、と。(思うのはワタシだけだと思いますが)
ワタシはやっぱりナナには全然かないません。 今までひとりで七転八倒して「気持ちを伝えたら迷惑になる!」と大騒ぎの独り相撲を取っていて、さもさも自分がイニシアチブを取っているようなつもりでいたことにも気付かされました。 ワタシが思っていたよりも、もっと大きな人だったのです、この人。(と思うのはワタシだけだと思いますが)
プライド高いのに。 ワタシが「好き」ときちんと伝えたわけではないのに、それを前提にしてこのようなメールをくれるのは、ナナにしてみてもけっこうな勇気がいったと思います。 たぶん、ワタシのためにプライドはさておき、このように言ってくれたのもなんとなくわかりました。
ごめん、ふがいなくて。 そして、ありがとう。
なんて返事しよう。 とりあえず、感謝の気持ちを伝えたい。 ワタシが感動したことを伝えたい。
たっぷり時間かかってしまいましたが、ナナに返信。
先日の電話の時も思って、さっきのメールでもつくづく思ったけど、 キミってものすごく優しくて、懐が深いと思う。 それに頭がいい。 私がどんなにキミを尊敬しているか、伝わらないであろうことが歯がゆいほどです。 そして、どうもありがとう。 気を使わせちゃったね。ごめんね。
・・・今読み返してみると、あんなに考えた割にはなんだかなーですが。
このあとしばらく返事がこなくて、もういいかげん遅い時間だし、眠くなって寝ちゃったのかな?眠れなくてメールしてきたんだから、まあそれはそれでよかったな、なんて思って。
ナナの携帯は家族中が見るので、「削除しておいてね」とメールしようと思ったら、着信。
今回の事ではまったく自然体です。本当に。 基本的に気を使うの苦手なんだよ。 だからそう気を使わないで(笑)。 今日は月が明るいね。 もうボチボチ寝てみます。おやすみ。
月?
と思って、外に出てみましたら、ホントに明るい。
ナナと音信不通だった10年ほどの間、月を見てはなぜかナナを思っていたものでした。 その月が、今日はこんなに明るくて、カタチもキレイで、輝いております。
できすぎ。
とひねくれたことを思いつつ、「ありがとう、月」と、なぜか月にも礼を言ってから(口には出しませんが)、家に戻って返信。
そうか(笑)。ありがとう。 今、月見てきたよ。 ホントに明るいね。
くどいようだけど、キミってやっぱ、スゴイ人だと思うな。 私はこんなに自分に誇りを持てたことはなかったように思うよ。 これって意味がわかんないかもだけど。 でもキミのおかげなので、どうしても言いたかった。
おやすみ。 あ、メール、削除しておいてね(笑)。
どうして自分に誇りが持てたのかと言えば。 ワタシがずっと愛している人が、ワタシが思っていたよりもっと器の大きい人で、しかもカムアウトに引き続き、実に上手にワタシを受け止めてくれて、「ワタシの好きになった人ってスゴイ」と思えることが自分に対しての自信と誇りになったのでございます。 他人から見たらアホくさいことでございますが。 本人にとっては、これくらいのことで、どうしてこんなに誇らしく思えるのかというくらい、誇らしい気持ちでございます。
そして、深い感謝の気持ちでいっぱいです。
なんにも状況は変わっていないのです。 驚くほどです。 ワタシはとにかく相変わらずナナを好きで、ナナはワタシに対して恋愛感情はなくて。 これからもそのままということです。
ただ、ナナはそのことを知りました。 そして、ワタシはそのことをナナが「嬉しいよ」と受け止めてくれることを知りました。
なんにも状況は変わらないのですが。 それでも、なにがどう、というのではないのだけれど、 ワタシたちは転機を上手に迎えることができました。 そして、ワタシはこれからもナナを追いかけていてもいいんです。 たぶん。
これ、すべて、ナナのおかげ。 今までエラそうに「ナナのため!」と踏ん張っていたワタシ、出番なし。 というか、相変わらず変な意味で自分を通す頑固さと優柔不断ぶりのみで終わってしまいました。
とにかく、今はシアワセでしょーがありません。 両想いになったわけでもないのに。 どうしてこんなに満ち足りた気持ちなのかしらワタシ。 ちょっと頭が弱いのかしら。<ありうる
それにしても。ナナめ。 「メールじゃ気持ちは伝わらないんだよ」「メールだと微妙なニュアンスが伝わらないから、やっぱりよくないね」なんて言ってたくせに。
こんな大事な話をメールで?
まあ、結果オーライということで。
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