ナナとワタシ
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温泉からの帰り道。 「あたし、ここから一人で帰る!」事件のあと、ケロっとして牧場でアイス食べていたときの出来事でございます。
寒いので車の中で食べていたんですが。 甘いわ冷たいわということで、ワタシはアイスはパス。ナナだけ食べていたので、ワタシは窓の外をぼーっと見ながら、ナナが食べるのを待っておりまして。
斜め前のワゴン車に、若いムスメ(推定22〜23歳くらい)が4人、楽しそうに乗り込みまして。
じょりぃサーチ始動。 うぃーーーーーーーーん。
前から2番目の茶髪の娘、かわいいじゃん。 スタイルいいし。 にやにや。
しておりましたら。
あら。 ナナがワタシを見ておりました。 何か、何か言わなきゃ。
「わ、若い娘が。 ほら」 「だから何?」<コワイ 「いや、若いっていいなあと思って」<ウソ 「ふうん。 じょりぃ、若い娘が好きだよねー」 「え」 「けっこう会話の中に出てくるよ『若いムスメ』という言葉」
なんてわかりやすいワタシ。
「お、おばさんとかおばあさんより、見ていてこう、溌剌としていて楽しいような気がするんですが」 <口からでまかせ 「そういう比較の問題じゃないと思うよ」 「そうかな」 そうなんですけど。 「お風呂のときもさ、『若い娘が自分のすぐ前に腰掛けちゃって、お尻が目の前にあったから目のやり場に困った』とかグチっていたけどさ」 「う、うん」 「嬉しかったってことなんでしょ?要は」 「いや、あれはホントに困った」 ホントです。 「けっこうチェック入ってるよ、『若い娘』」
そういうアナタもけっこうチェック入ってますね。 もしかして、ヤキモチですか? って、あり得ないのは知ってますので、聞こえないフリでもしてみてください。
この日はもう1回「若い娘がらみ」の会話がありまして。
ホワイトデーだったので、次女ちゃんにバレンタインデーのチョコをもらっていたじょりぃは「何か次女ちゃんにホワイトデーのものを買って帰りたいんだけど」と、雑貨屋に寄りまして。 ナナも「子供たちにおみやげが買えなかったから、あたしもここで買っていこ」ということになり、ふたりして広めの店内ををぶらぶらと。
しておりましたら。
すらっと背が高く、足も長く、顔も小さく、そしてかわいい「若い娘」発見。
ワタシは常に「素人モデル」を探している身でありまして。 それが本業ではないんですが、仕事の関係で、まあ常に目を光らせているのです。 決してじょりぃのシュミで目をギラギラさせているわけではないんです。ホントです。
ただ、ワタシの好みって、えらく偏っているらしいので。 ナナにも訊いてみることにしました。 一般論としての意見を聞きたかったので、予備知識を与えないように、最小限の質問をしてみました。
「ねえ。 あの、全身白で固めた、ブーツすら白い、髪の長い背の高い女の子がいるじゃん?」 「え? ああ。うん」 「あの子ってかわいくない?」 「・・・・・どういうこと? じょりぃはかわいいと思うわけ?」 「うん。まあ」 「悪くはないんじゃない? あたしはかわいいとは思わないけど。スタイルはいいかもね」 「かわいかったりきれいだったりはしない?」 「別に。普通じゃないの?」
あーあ。 じゃ、ダメか。 おまけにナナ、返答がなんだかトゲトゲしいです。 ヤキモチとは思いませんが、オンナゴコロとしてなんとなくおもしろくないのかもしれません。 いえ、それすらないかもしれませんけど。 なんか、トゲトゲ。
「なんでそんなこと訊くの? じょりぃはあーゆーのが好きなんだ?」 「好きとかでなくてさ、実は、モデルにどうかなと思ったんだ」
それまで目を合わせずに話していたナナが、こちらを向きまして。
「そういう目的があるなら、最初からそう言ってください」と。 「は。 スミマセン」 「それならあたしだって、ちゃんとそういう目で見るよ」 「え? 変わっちゃうの?」 「モデルとしてならいいんじゃないの? かわいいし、きれいだと思うよ。なにしろスタイルいいしね」 「さっきは普通って・・・」 「あんな質問、突然されたって、よくわかんないじゃん」
そういうもんでしょうか。 客観的に見てかわいいのなら、そう言ってくれればいいじゃないですか。ねえ?
「ああ。よく見ると、すげーかわいいね。うん。いいと思うよ」さっきと全然違うナナ。 「・・・そんなにかわいくないような気もしてきたなぁ。でも、キミがそう言うならどうしよう」 「どうしようって、アナタ、自分で声かけられるんですか?」 「かけられない・・・」 「もうっ。 名刺持ってるの?今日」 「持ってる」 「貸して。あたしが話してあげるから」 「いや、やっぱいいや・・」 「あ、行っちゃうよ。ほら」 「あうあうあう」 「・・・・・弱いなあ・・・・だらしねー」
こんなに協力的なら、最初から「モデルとしてどう?」と訊けばよかった。
ていうかナナ。
ホントはワタシが若い女の子をでれでれ目で追いかけていたのが気に入らなかったんでしょ? そうに違いない。(違います)
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