ナナとワタシ
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2004年01月11日(日) |
不安と不満、ぶちまけ大会 |
前日の続きです。
ぼそぼそと、普通っぽくも低めの小さい声で話をはじめる二人。
ええと、何から話せばいいんでしょう。 とりあえず、お互い無言。
「責めてるの? ワタシって」
根負けして、ワタシから。 笑うナナ。
「うん」 「責めてないよ」 「責めてるよ。いつも責める」 「責めない」 「じゃあ、たまに責める」 「責めない」 「(笑)だって、そう感じるんだもん。しょうがないじゃん」 「誰を責めても、キミは責めないと思うんだけど」
埒があきません。 だって・・・・・責めるかあ? 怖くて責められませんけど。ワタシにしてみたら。
「年末に年賀状のことがあってから、あたしずっと気になっていたんだけど」とナナ。
やっぱり気にしていたのか。 でも何を気にしてたの?
「そうなの?」 「そうなの」 「あのさ、忙しいのに頼みやがってとか、そんなことは全然思ってないよ。そう思われたらイヤだなと思ってたんだ」 「でも、そうでないとしても怒ってたでしょ?」 「怒ってはいないよ」 いや、ホントはちょっと怒ったけど。 「電話にも出なかったし」 げ。やはり気付いていたのか。 「出掛けてたんだよ」 <ウソツキ 「でも怒ってた」 「怒ってたんじゃなくてさー・・・・うーーーーーーん・・・・・拗ねてたんだよ」 「拗ねてたの?」 「うん」 「何を?」 「あうーーーーー あうーーーーーー 最初、夜にハガキ持って来るって言ったときに、雪が降ったからって来なかったじゃん?」 「うん」 「会えるの楽しみにしてたんだよ。 なのに会えなかったから、さびしくって、まずそこで拗ねた」 「はは(乾」 「で、翌日来るって言ってたのに、ママだけ来なかったじゃん。で、なんだよーって、会えるの楽しみにしてたもんだから、また拗ねた」 「拗ねるなよ」 「さびしかったんだよ」 「(笑)」
笑われまして。 ちょっと場が和んだのでホッとしたじょりぃ。 我ながら、バカっ子のような素直さで「拗ねちゃった」「さびしかった」と伝えられました。 それがいいか悪いかはともかく、言えた自分はエライ。 と、おそらく誰もほめてくれないでしょうから、自分で言ってみました。
「あたし、すごく心配してたんだよ? 年末から、ずっと気になってたの」 「・・・・なら、そう言ってくれればいいじゃん」 「待ってたんだもん。じょりぃから言ってきてくれるのを」 「ワタシも待ってたんだけどな。 でも、ワタシも待ち続けてたら、じゃあずっとこのままだったの?」 「(笑)」
お互いズルかったんですね。
「あたしは、じょりぃがすごく怒ってると思って。仕事が忙しいって言ってたから、それで精神のバランス崩しちゃってるのかなって、そのこともすごく心配でさ」 「スミマセン」 <結局ワタシが謝るのか。 「だからとにかく、声が聞きたいって思って。 声聞けば、だいたい精神状態もわかるし、たとえあたしのこと怒っていたとしても、じょりぃが元気なのを確認できればいいと思って電話したのに、出ないんだもん」 「忙しくてさ」 <バツ悪い 「だから、とにかく仕事でパニクってるんじゃ悪いなと思ったから、うちのハガキがあったらそれだけでプレッシャーになるかもと思って、引き上げようか?ってメール入れたら、冷たいメールが返ってきてさ。 あれはあたしのこと、完全に責めてたでしょ?」 「あう あれは そうかも。 ゴメン」
冷たいメールに関しては、こちらをご参照ください。
で、お互い自分が思っていたことを打ち明け合いまして。 特にワタシにはナナから「こういうことはやめてほしい」「こうしてほしい」という、厳重注意がいくつか入りました。 なんかカッコ悪いなあワタシ。
厳重注意とは、まとめてひとことで言ってしまえば、「自分の思っていることは、ちゃんと言葉にして話してください」ということです。
「じょりぃが何考えてるかって、あたしには全然わかんない。不安になるのよ。それに、こう言うとまた拗ねるかもしれないけど、不安になると、楽しくなくなるでしょ?楽しくないことはあたしイヤなの。めんどくさいの」
しゅん。 めんどくさいって、ハッキリ言いますね。
「ひどい」 「だって、何考えてるかわからないから、あたし、考え込まなきゃならなくなるじゃん。あたしが考え始めると、深みにはまって大変なことになるの、知ってるでしょ?じょりぃは」 「知ってます」 「長女のことで悩んで思い詰めておかしくなっちゃうでしょ?あれと同じ事が起きてしまうわけだよ、キミのせいで」 「え! まさか」 そりゃ大変だ。 「だから、やめてよ」 「わかったよ」 それにしてもエラそうですねアナタ。 「あたし、じょりぃのあのメール、ほんっっっっとにすごいショックだったんだから」 「え」 「ホントに、ものすごく落ち込んだし、傷ついたし、ショックだったー」 「・・・ゴメン」 そ、そんなに? 「あたしがどんなに心配しても、じょりぃにとっては大きなお世話で、しかも迷惑なんだなって思った。メールじゃ気持ちは伝わらないから、声聞きたいって思ったのに、それもできなかったし、ホントに最後の方のメールはあたし悲しかったんだから」 「スミマセンデシタ」 「あたし、えらい大泣きしちゃったよ」 「え!」 「ふとんかぶって、ホントにえーんえーん、って泣いた(笑)」 「かわいそうに」
かわいそうにって。 ワタシのせいなんですけど。
で、ワタシの人間性の狭さ小ささを思い知ったんですが。
ナナが泣いたと聞いて、ワタシがどんなに嬉しかったことか。 ワタシの独り相撲じゃなかった、という事実が嬉しいということが、「ナナをそこまで傷つけて申し訳なかった」という気持ちを確実に上回ってました。 やっぱり自分がいちばん好きなのねワタシ。 ああイヤだ。
「ねえ、あたしじゃじょりぃの相手はムリみたい」 「え!」 「今回、ホントに何考えてるのか、どうしたらいいのかわかんないってすごい悩んで、結果、もうじょりぃのことを考えたり心配したりするのは一切やめることにしました」 「そ、そんな」 「だから、電話もメールも、用件だけなら気に触らないんでしょってかんじで、冷たく感じさせるようなものになってしまったのかも。深追いするのはやめようって決めたから」 「・・・・・・・・・・」自業自得。言葉無し。 「だってホントに何考えてるのか、あたしにはわからないんだもん。けっこう些細なことで傷つくくせに、そう言ってくれないで黙ってると、あたしはいろんな心配しなきゃなんないじゃん」 「傷つかないよ」<ウソ 「なんだか、お互い、ずれてる気がするの。 じょりぃがあたしを思ってしてくれることはあたしには重かったりうざかったりすることがあるし、あたしがじょりぃを心配して口を出すことは、じょりぃにとって大きなお世話だったりしてない?」 「ワタシがキミに対してはそういうところは確かにあるかもしれないけど。 大きなお世話だとワタシが感じたことはないよ」 「ウソだ」 「ホントだ」 「じゃ、仕事やめてよ」 「(笑)なんでそうなるの」 「心配なんだもん。なんでそこまでして、仕事しなきゃならないの?」 「弱ったな」 「大きなお世話じゃないって言うなら、あたしがじょりぃに新しい職場を見つけて来ちゃったらどう思うの?」 「え?(笑)」 なんだそりゃ。 「あたし、実際、年末年始に考えてたの。どこかいい職場はないかなって。きっと忙しすぎて、イライラしちゃってるんだろうって。お見合い写真とかも持っていってしまおうかとか(笑)」 「それは大きなお世話ですね(笑)。 なんでそこまで勝手に考え込むの?」 「あたし、他人のこと考える事なんて他にないから。どうしたらいいのかわかんないのかも」
こ、ここは、喜んでいいところなのかな。
「あたしねえ、今回のことで、きょんさんはホントにエライとつくづく思ったよ」 「そうかもね」 「あたしによこしたようなメールの、もっとひどい言葉できっとケンカするんでしょ?」 「比べものになりません」 「あたしなら耐えられないな。きょんさんのこと、大事にしなよ」 「 わかったよ」 「甘やかすんじゃなくて、大事にするんだよ? 甘やかしてはいるよねー相当」 「う・・・・」
ナナ、調子が出てきちまいやがりました。 しばらくきょんさんはエライ、大事にしろ、と説教されまして。フクザツな気持ちに。
「ねえ、どうしたらめんどくさくならないかな?」とワタシ。 「は?」 「めんどくさかったり楽しくなかったりしたら、ワタシと一緒になんていたくないじゃん。ワタシはどうしたらいい?」 「もっとわかりやすくなって。あたしを不安にさせないで。 ところでどうしてあたしは不安になるんだ?」
恋だろうよきっと。ふふ。 と、途端に強気な冗談を飛ばすじょりぃですが。 昨日の日記の情けなさは、もう読み返してみる気にもなれません。
「ワタシはわかりやすいはずだけどな」 「どう対処していいのか、あたしにはわからないの」 「だったらやさしくしてください。冷たくしないでよ」 身も蓋もないですねこれ。 「それもさー、じょりぃって『いい人ぶってるヤツとか、いかにもわかりやすいやさしぶった言葉とかって大嫌いだ』とか言うじゃない? あたし、じょりぃにやさしくしようと稀に思うときに、その言葉を思い出すの。なんか、いろいろ考えて、よかれと思ってしたことが『いい人ぶりやがって』とか『ダサい』とか思われたらつまんねーなーと思って、引っ込めちゃう事って多いよ」
しまった。 自分で自分の首を絞めていたのか。
「アナタに関してはそういう風に思いません。そもそもいい人ぶってないし、キミ」 「そうなの?」 「だから冷たくしないで」 「冷たくないじゃん(笑)。あたしってやさしいと思うけどな」<自分で言うかこの女 「やさしいけど冷たいよ。 拒絶される不安が強くて、素直に気持ちを話せないんだよ」 「そうなのか。 あたしって拒絶するのか」 「ワタシが特にキミに嫌われたくないって思ってるからそう思うだけかも。カッコつけちゃうんだ」 「つけなきゃいいんじゃん(笑)」 「うん」
なんて具合に、今までお互いがお互いに思っていた不安や不満を、素直に話し合うことができました。 この世の終わりのように感じていた(大袈裟)この年末年始でしたが、こうなってみてしまえば、ある意味気まずくなってよかったなぁと。結果オーライってことで。
「じゃあさ、これからは、さびしいときはさびしいって言っちゃうよ」とワタシ。 「言えば」 <ほら冷たい 「ウザがらないでね」 「ウザがるかも」 「じゃあ言えないじゃん」 「そのへんさー、もうちょっと勇気を出すようにしてください。いろんな事に関して」 「う・・・勇気って?」 ゆ、勇気ですか。サムいんですけど。出さないといけませんか。 「たとえば、電話したいときは素直に電話したいって言って」 「う・・・」 「遠回しに何でも伝えようとするのはやめて。あたしにはたぶん、そういうことでじょりぃの言いたいことを察するのはムリです。すごく疲れちゃうし」 「・・・わかった」 「あと、ついでにもうひとつ言いたいんだけど」 「はい」 「じょりぃがうちに来ると子供たちの面倒を見てくれてあたしがラクだから、じょりぃを引き留めておくと思ってない?」 「すっかりそうだとは思ってないけど。それもあると思ってる」 「確かに助かるけど、そういう理由ではまったくないので、そう思うのはやめてね」 「う、うん」 「子供たちが寝てから、ゆっくり話でも・・って思ってるのに、いつも結構早くに帰っちゃうでしょ? 仕事も忙しいんだろうけど」 「でも、別にワタシと話したくて引き留めるわけでもないでしょ?」 「話したいっていうか・・・・ゆっくりしたいよね。 ビデオ見たりしてさ」 「うん」 「利用してるみたいに思わないで」 「わかった」
こんな具合に、細かい確認作業が続きまして。 そのあとは、いろいろな雑談となり。 結局3時間たっぷり話しました。
今日は話せてよかったよ と言おうとしたら、ちょうどナナから「今日、話せてよかった」と。 「ワタシも、話せてよかった」 「やっぱりメールじゃダメなんだよ。気持ちは伝わらないんだよ」 「そうかも。でも電話ってかけづらいよ」 「だったらメールしてくれればよかったんじゃん。もっと早く」 「子供だって見るからさ。キミの携帯の場合」 「(笑)そうか」
最後はうじゃじゃけて終わりました。 いったいなんだったんでしょう。ここ2週間ばかりの騒動は。 恥ずかしい限りであります。
切る間際 「最近、好きな人の話、しないのね」とナナ。 「ああ」 「好きじゃなくなったの?」
この「好きな人」というのは、ナナのことなんですが。 ハッキリとしたことをいつも言えないので、ナナは「架空の人」と命名してます。 ホントはいないんでしょケラケラケラと。 架空の人はおまえだよおまえ。
「好きだよ」 「話さないの?」 「んー・・・・」 「他に好きな人いないの?」 「んー・・・・」 「やっぱり話してくれないんだ」 「そんなに知りたいわけ?」 「ううん。別に。特に聞きたい訳じゃないけど」 そーですか。 「じゃ、いいじゃん」 「やっぱりあまり追究しちゃいけない部分があるわけですね、じょりぃさんには。 そういうとこ、多いのよ」
あ、責められた。
スミマセン。
でも話しちゃうと困ると思うよ。
というわけで。
お騒がせいたしました。 もう、じょりぃのこと、煮るなり焼くなりうまいものを食わせるなり温泉に連れていってやるなり、好きにしてください。
いやでもほんと。
こんな風に良い結果になるとは思ってなかったのです。 今はとにかく、ホッとしてます。 明日から食欲戻っちゃうのかなと、それがちょっぴり残念ですけど。
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