ナナとワタシ
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「ねえ、じょりぃはさ、たくさん友達がいるのに、なんであたしにそんなにつきあってくれるの?」
ナナから質問。
「楽しいから」
あっさり返答するじょりぃ。
「楽しいって?」
「楽しくて、一緒にいたいなと思うから」 「・・・・・あたしといると楽しい、って言わないで。 プレッシャーになるの」
「プレッシャー?」
プレッシャー? なんで?
「だってあたし、そんなに楽しい人間じゃないもん」
「楽しいよ。少なくともワタシにとっては」
「楽しいときもあるけどさ。 でもいつも、こんな同じ様なことでぐずぐずしててさ。こういうときは楽しくなんかないでしょ?」
「まあね。楽しいというのとは違うだろうね」
何が言いたいのでしょうこの人は。
「なんでそんなこと訊くの?」 尋ねるワタシ。
「・・・・・楽しくなくなったら、友達をやめちゃうのかなって思っちゃうから。不安になるんだもん」
そんなこと、心配するのか。
アホか。
「そういうことじゃないよ。楽しくなくても楽しいんだよ。楽しくなくても一緒にいたいなって思うんだよ」
わかれよそれくらい。
「そうなの?」
「そうなの」
「へんなの」
「へんかな?」
「楽しい人なら、他にもいっぱいいるでしょ?」
「だから楽しくなくてもいいんだよ。キミといたいのだよ」
「言ってることが違うじゃん」
「一緒にいられればそれだけで楽しいんだよ。ていうか、嬉しいのかな」
「ふうん」
なんだ。 かわいいこと言うときもあるんじゃん。 ていうか、ワタシったら、もう愛の告白をしたも同然。 しかもなんだか自然な流れで。 これはもう、バッチリ気持ちも伝わっているはず。
おまけにこんな話題も。
「じょりぃと旅行に行きたいのに、パパに言いづらい」
「どうして?」
「なんでじょりぃちゃんとなんだよ。家族とじゃダメなのかよって言われちゃうきっと」
「じゃ、ひとりで行きたいって言えば? もともとひとり旅がしたいって言ってたじゃん」
「うん」
「ひとりでのんびりしたいって言えばいいじゃん。事実なんだし。それならパパもいいよって言ってくれるんじゃないの?」
「・・・・・・・・・」
「言うだけ言ってごらんよ」
「・・・・・・ひとりは、ちょっとさびしいかな(笑)」
「ワタシも一緒のがいいの?」
「うん」
みなさん、聞きましたか? 「できればひとりがいい」って言ってたナナが、「じょりぃとがいい」って言ったんですよ!
わあい。 なんかもう、口にしないだけで、ふたりとも実は、愛?
なんて油断してましたらですね。
この後、話題が変わりまして。
「ねえ、男女間で親友、って成立すると思う?」とナナ。
「するんじゃないの?」
「しないよ。しないと思うねあたしは」
「どうして?」
「女の人は、男の人に友情だけでっていうのもアリかもしれないけど、男の人は親友と呼べるほど親しくなったら、絶対なんかしたくなっちゃうと思うな」
「・・・・・・・そうかなあ」
「そうだよ」
「キミ、男友達っていないの?」
「今はいないね。 昔はいたけど」
「ふうん」
「なによ」
「友達みんなと寝たわけだねそうすると」
「! そんなこと言ってないじゃん」
ワタシも実はそんな風には思ってないんですが。 せっかくなのでいじめてみました。
「仲良くなれば絶対なんかしたくなっちゃうんでしょ? じゃ、そーゆーことじゃん」
「そんなに仲良くなかったもん」
「まあ、とにかく、友情は成立するよ」
「相手がゲイだ、とかはなしで、だよ?」
むむむ。 そうなるとどうかな。
ワタシの経験から言っても、かなり親しくなると相手は何かを期待しちゃうようなところは確かにありますし。
あ。でも。 そうかそうか。
「やっぱ、友情は成立するよ」とワタシ。
「どのように?」
「例えば、ええと、ワタシが男だとしてさ」
「うん」
「タマリンとは絶対親友になると思うんだよね」
「うん」
「でも、絶対、なんにも起きない。友達としてはすごーーーく大事だけど、タマリンにはその気にならない自信があるよ」
「ふうん・・・・じゃ、きょんさんだったら? その気になる?」
ぎく。
「なる」
「なっちゃんは?」
「なるね」
「 じゃ、あたしは?」
どきぃ。
「その気になります」 <ちょっと力こもってしまった。
「ふうん」
な、なんか、いい感じじゃないですか、ワタシたち。
なんて思っていたら、ナナ
「なるほど! あたしもわかった!」
「わかった?」
「あたしが男だとしたらさ、じょりぃにはまったくそんな気起きないもん。」
があああああああああああああああああああああん
ひどい。
まあ、ナナが男でワタシが女、という設定だったら、確かに萌えないかもしれませんが。
・・・・・・・・・・・・・・。
でもワタシ、振られたってことですよねこれ。
恋愛感情ゼロ、と宣告されたも同然。
でも気を取り直して
「うん。そういうことだね」
「ああ、そーかそーか。納得したよ」
そうかそうかそれはよかった、と笑おうとして。
あ。
ワタシ、思いの外ダメージが大きい。
普通に話ができない。 うまく声が出ない。
ダメだこれは。 普通にしようとしてると無理が出る。 正直に普通でなくなったことを告げよう。
「・・・・・・なんか、ビミョーに落ち込んだかも」
「え!」
「あう」
「なんで? 今のあたしの言葉で?」
「あう」
「落ち込むなよーーー」
「うん」
「ていうかさ、あたし男だったら、すごく好みにうるさいと思うんだよね。なかなかそういう気持ちにならないと思うから、じょりぃに魅力がないってわけじゃないよ」
めずらしくフォローを入れてるナナ。
しかし、これって追い打ちかけてます。 どっちにしろ「じょりぃには萌えない」って事実には変わりありませんからね。
「いいよ、そんなわざとらしいフォローしなくて。はは」
「フォローじゃないもん」
「もういいよ。この話題は。はは」
「・・・・・・・」
というわけで、ナナにとってやはりワタシは、まったくの恋愛対象外ということが判明しました。 3〜4日前のできごとです。 そう。ナナが娘のことで泣きながら電話かけてきたときのついでの会話です。
掲示板などではへらへらしてましたが、かようにワタシ、傷ついておりました。
ていうか、ホントにワタシの気持ちに気付いてないんでしょうか。 ちょっと信じられないんですが。
ワタシに「ずーーーっと好きな人がいる」という話はナナにしてあるんです。 ナナは「えー?どの男の子かな?」と、中学の時の同級生男子の名前を全部挙げる勢いなんですが。 やっぱりまったくそういうアタマがないんでしょうか。
いつもの「イジワル」であってほしい。 わかってて、それでもしらばっくれたくてとか、じょりぃにイジワルしたくて、とかで言ったのであってほしいけど。
あうう。
ここんとこ、すごーーーーーーーーーく落ち込んでいるじょりぃでございます。
その後のナナのメールなどが、いつもよりなんだか下手に出ていてやさしい感じなのが救いといえば救いでしょうか。
ナナのバカ。 キライだ。 ウソ。好きだ。 くやしい。
しゅん。
そろそろあきらめどきかなあ。 あきらめられるのかなあ。
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