ナナとワタシ
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ナナから、突然の質問。
「ねえもしさー、余命あと何ヶ月って宣告されたら、どうする?何をしたい?」
「(あにゃたに気持ちを伝えたいの、とも言えず)ううううううん・・・そちらはどうしたいの?」
「あたしは・・・家族の気持ちを優先するなら、後悔させないように思う存分看病させてあげるかな。おとなしく入院なりして」
「なるほど」
「でも、あたしの気持ちを優先していいのなら、旅に出たい」
「ひとり旅?」
「んー・・・どうしよっかな」
「それともパパと?」
「それは・・・ありえないな。悲しいことかもしれないけど、あたしの気持ちを優先していいのであれば、最期に家族と一緒に過ごしたいとは思えないんだよね」
「・・・・・・・・」
「最後は自分のことだけ考えて、好きにしてみたい。家族といると、どうしても家族優先になっちゃうでしょ」
「うん」
「じょりぃは?」
「んー・・・死ぬ前に好きな人に気持ちを伝えたいというのが望みだったんだけど、前にその話をキミにしたら『そういうのって、相手にとって負担かも。後悔させちゃうんじゃないの?』みたいな話をされたので、こりゃいかん、却下かなと考え直してるところなんだけど」
「え!?あたし、そんなこと言った?」
「言葉は違うかもしれないけど、概略としてはそんな感じのことを」
「言ったのか、あたし」
「言った」
「・・・言ったかもね。でも伝えたいなら伝えた方がいいよ、と今は思う」
「うん。でもキミの言ったことも一理あるから考えてるんだ、どうしたものか。・・・私も旅に出ようかな(笑)」
「そしたらどこに行くの?」
「オーロラ見に行きたい」
「誰と行くの?」
「・・・一緒に行ってくれる?」
「・・・(笑) いいよ」
「寒いけど平気?」
「あ!そうだった。じょりぃが死ぬ前にあたしが凍死しちゃうかも。そしたらまぬけだー。 ・・・ハワイでオーロラの映像を見る、とかいうのじゃダメでしょうか?」
「もういいです。誘いませんから」
「ハワイでいいじゃーん。ハワイ行きたーいあたし」
軽いノリの会話とはいえ、ワタシの最後の望みより「寒いのイヤ。ハワイ行こ☆」が優先されましたよみなさん。 なんて素敵な会話なんでしょう。 一生そのまま、ワタシを上回る自分勝手ぶりでいてくださいませナナのやろうめ。
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