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2003年11月03日(月) 「アナウンス効果」はあるのか?マスコミ各社が選挙情勢調査結果を発表

自民、単独過半数の勢い 衆院選情勢で共同通信調査
衆院選、与党は安定多数の勢い…読売の22万人調査

週末から今日にかけて、マスコミ各社の選挙情勢調査の結果が発表されている。
それによれば自民党が過半数確保の勢いで、民主党も比例選を中心に議席を
かなり増やしそうだ、とのこと。
民主党が増えるのは前からわかり切っている
(合併効果+共産・社民の減少分を上乗せ)。
問題は、その増え幅がどのぐらいなのか、
逆に言えば自民党の獲得議席をどのぐらい減らせるか、
ということなのであるが、調査結果を見る限り、
現段階ではいまだ自民党の壁をおびやかすまでにはいたっていないようだ。
しかし、まだどうなるかはわからない。

よく知られているように、「アナウンス効果」というものがある。
例えば事前の予測が与党有利と出れば実際の投票行動は
逆に野党に流れるというもの。
無論その逆に、「勝ち馬」に乗る心理が働いて、
実際にも与党が大勝する可能性もある。
従って、本当に「アナウンス効果」があるのかどうかは、
専門家でも測りかねるらしい。
今回、もし「アナウンス効果」があるとするのなら、
「自民党が過半数確保」という部分に反応した有権者が、
どちらに動くのか、ということであろう。

また、選挙は最後の数日間の出来事で情勢が激変する場合がある。
例えば1998年の参議院選挙では、事前に自民党有利が伝えられたが、
実際には大敗した。
これは橋本首相が唐突に「減税」を言い出したりと、
発言がコロコロ変わったことが選挙目当ての方便と見なされ、
有権者の不信を買ったことが影響したといわれる。
或いは、2000年総選挙では森首相の例の
「無党派は寝ててくれればいい」
発言に反発した無党派層の投票行動が野党に雪崩れ込んだことで、
自民党有利と言われたほどには議席が伸びなかったとされている。
そのせいか、今回の選挙では、今のところ与党幹部の発言は慎重である。
反対に、攻勢をかける野党、民主党の動きが活発だが、
果してこれは吉と出るのか、凶と出るのか。

例えば先日も、民主党は追加マニフェストを発表した。
全候補者に署名させてマニフェスト遵守を誓わせたことがウリの民主党だが、
この追加マニフェストにも再署名させたのだろうか。
折角「マニフェスト選挙」に持ち込んだのに、その安易な乱発は
マニフェストの値打ちを下落させる危険もなきにしもあらずである。
また、その追加マニフェストでは、
北朝鮮への経済制裁を含めた厳しい姿勢が打ち出されている。
かつて「拉致被害者5人を北に返せ」などと幹事長が口にしていた政党とは
思えないが、このように外交方針がフラフラ、コロコロ変わる党の信頼性は
どうなのであろう。
更に菅代表は昨日、沖縄駐留の米海兵隊の国外移転を要求する考えを打ち出した。
誰だって自国内に外国の軍隊なんか、ない方がいいに決まってるし、
特に現に存在している沖縄似とっては尚更であるが、
これから政権を担おうという党がこの選挙戦のさ中になって
共産党か社会党張りの「在日米軍撤退論」を唱えることは是か非か。
もともと外交・安保はあまり選挙の争点にならないと言われる。
しかし北朝鮮情勢が緊張して、かつてなく関心が高まっている現在、
内政・経済面では結局、自民・民主両党ともさしたる決定打を打ち出せないだけに、
ひとつの鍵と成り得るだろう。

小泉首相は、
「(今回の選挙は)小泉首相か、菅首相かを選ぶ選挙だ」と言って、
今現在ではまだ連立与党の半分でしかない民主党をわざわざ対等視し、
ある意味では「援軍」までしてくれている。
日本に真の二大政党制が根付くのか、
そして民主党の政権担当能力が問われている。


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