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2003年01月09日(木) NHKが「坂の上の雲」をドラマ化!

冗談かと思ったら本当だった。
NHKが司馬遼太郎の「坂の上の雲」をドラマ化し、2006年に「大河ドラマスペシャル版」
として放送されることが決まった。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030110k0000m040048000c.html


「映像化は不可」との司馬遼太郎の"遺言"があるとされ、絶対ありえないと思われていた
いわく付きの作品が、まさかのドラマ化実現である。
原作のファンとしては驚くやら嬉しいやら不安やら、何とも複雑な心境である。
正直に言って、見たい事は見たいが、もろもろの失敗要因を想像すると見たくない。

そもそもにおいて、日露戦争というテーマの扱い方が難しい。
だから司馬も生前ドラマ化を許可しなかったわけだが、加えて昨今のNHKのドラマ製作能力に
甚だ不安がある。
話の大半は日露戦争なのだから、まさか「利まつ」のように女が出しゃばって来て
「私におまかせ下さりませ」などと言い出す場面はあるまいが、妙な平和主義思想の
入れ事をして話を滅茶苦茶にする可能性はありえる。一昨年の「北条時宗」のように。

また、学芸会化した近年の大河ドラマの例を見ても、この重厚な物語を演じるに耐えうる
役者をキャスティングできるかどうか疑問だ。
原作通りならば秋山兄弟、正岡子規が主人公なわけだが、
もしジャニタレを起用して安易な視聴率稼ぎに走られた日には、目もあてられない。
さらに乃木、児玉、東郷など、きら星の如き明治の要人が登場する。
戦国時代と違って写真も残っていれば人物像も明確なこれらを妥当な配役できちんと
描けるのだろうか。主役よりもむしろある意味では周辺群像が大事だが、今のNHKで
そのへんまで行き届いたドラマができるのか、実に心配である。

ちなみに映画「二〇三高地」が「坂の上の雲」の影響受けているが、
ここでは乃木希典=仲代達矢、児玉源太郎=丹波哲郎だった。
丹波の児玉は軽快な知将振りで好演だった。でも今更丹波と言う訳にも行かないだろう。
好きな原作のドラマ化はあれこれ脳内キャスティングする段階が
一番楽しいものだが、どうも、ピンと来る顔ぶれが今のところ浮かばない。


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