- 2017年04月20日(木) 休業
またひとつ、灯が消えた。 長崎の志乃田寿司。 「3月31日で休業します」と書かれた紙に呆然と立ちすくんでいた。
思案橋からほど近く、電車通りにも面していたその店。 カウンターに5、6人しか座れない狭小な店は、いつも満員だった。 あちこちから出前を受けていて休む間も無く大将が寿司を握っている。 「かぶり」という言葉を使ってみたくて、見様見真似で頼んだり。 かつて水害があり、その時の水位を忘れないように書いたという柱の線に感心したり。 色々思い出は絶えない。
小雨がぱらついていた。 名残惜しさにお店の写真を撮っていると、偶然にも大将が来た。 戦後、川の上に立てた建物で取り壊しになること。 周りには賃料や大きさの見合う物件がないこと。 色々聞けて良かった。
偶然とは書いてみたものの、不思議なもので。 まるで引き合わせてくれたかの様に感じるナァ…。 少し気持ちにけじめがついたよ。
仕切り直そうと老舗のおでんやへ入った。 気さくな大将だったので、つい寿司屋のことをポロリ。 そしたらね。
「うちも川の上なんです!」
苦笑い。
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