午前1時ごろ、成田からオーストラリアに向かうカンタス航空機に異常が発生し、関西空港へ緊急着陸するとの連絡が入る。私の居る部署は空港島の外れもはずれ、「関空番外地」といった所で航空機の運用とは直接関係の無い場所なのだが、ここにも非常呼集が掛かり何人かが応援に出ていった。残りの者は、仮眠していた者も起こされ待機である。 待機といっても別にやることもないため管制室でぼんやり無線のやり取りを聞いていると、警察・消防・管制塔・空港セキュリティ部が入り乱れて交信しており、現場は混乱しているようだ。中には感情的になってお互いに相手を罵るような発言をする人たちもいて、「おいおい。救助のほうはどうなってんだよ」と心配になってしまう。 人の本性は非常時にこそ現れるものだ。 ここには書けないが、他にもいろいろ興味深い通信を傍受する。