日常些細事
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2004年07月15日(木) |
日本最初のミル金を食す |
暑いのだ。 新潟県では大雨で死者も出ていると言うのに、私の住む岡山県はカンカン照りで、今日も気温は35度を越えてしまった。所用で朝から岡山の表町あたりをうろついていたら、昼にはもう、汗だらだらである。 「うーむ。こんなに暑いとカキ氷でも食べたいのう」 そこで表町商店街にある喫茶『カニドン(実名)』へ行くことにした。妙な名前だが岡山の喫茶店としては屈指の老舗で、結構有名なお店なのである。 ここに来たら『ミル金』を頼まねばならぬ。小豆を潜ませたカキ氷の上に練乳をかけた、あれである。なにしろ、 「日本で最初にミル金を作ったのはうちの店」 と自慢しているくらいなのだ。一体どんな理由で「日本初」を標榜しているのか、そこのところはよくわからないのだが、とにかく私の生れる前からそう言って自慢しているのだからしょうがないのである。 12時ぴったりに店の扉を開けると、店内には誰もお客が居らず、入口あたりの椅子にウエイトレスのおねえさんがぽつんと座って雑誌を読んでいた。 む。ずいぶんヒマそうな雰囲気。流行っとらんのかこの店は。 いささかの危惧を抱きながら奥の席に着き、だるそーに水と紙おしぼりを持ってきたウエイトレスさんにミル金を注文する。 ミル金はすぐにやって来た。 直径15センチほどのガラスの器に、カンナで削ったような氷がてんこ盛りにされている。スプーンですくって口に入れると、氷はあっというまに溶けて、口の中に練乳の甘さと冷たい水の感触だけが残る。氷の削り方に秘訣があるらしく、口の中でしゃりしゃりしないで、ふわあっと溶けてしまうのだ。凍った綿菓子を食べているような感じである。器の底に潜んでいる粒あんも甘さ控えめで、小豆の味が立っていた。 「日本で最初」かどうかはともかく、なかなか美味いミル金である。 半分くらい食べたところで、お客さんがどっと入って来た。全員が女性と子供。狭い店内があっという間に満席になって、あっという間に騒々しくなった。私が訪れたのはちょうどお客の切れ目時だったようで、店は繁盛しているようだ。 ミル金の値段は税込で700円。このあたりの店のラーメン一杯より高く、お昼の定食よりは少し安い。
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