絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


顔料を買う。黄金テンペラ・その後の展開(展覧会感想)         2005年07月11日(月)

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フラアンジェリコ・受胎告知模写(部分)2005-0711_02.jpg顔料を買ったので、念願の周りを塗ってみた。
ちょっと黄色っぽすぎたかな。

パレットに出す色は限定なので、
使用色はすぐ分かる。周りはイエローオーカー、
チタン白、ローマンレッド、テールベルト。

カーテン部分はバーミリオン。

新規購入色は、ホルベインのローマンレッド(赤茶色)、
バンダイキブラウン、テールベルト、
松田のセピア。セピアは松田でしか出してない。

テールベルトはホルベインのが一番色が薄めでいい感じ。
他のメーカーのは色が黒すぎるように思う。

ローマンレッドは同じ赤茶系でも、
ライトレッド、バーントシェナより柔らかい感じがする。

あと買ったのは、ガラスの練り棒(小)!!
割引効いて1,400円ほど。

やっぱ道具があると違うね。かっこいいし。(^_^)v
今までパレットナイフで水練りしてたのだけれど、
練れば練るほどいい絵の具ができるらしいし、
パレットナイフだと変なところに力が入って手が痛くなるので、専用の練り棒。

あぁ、だけどちょっと小さいから別のところがやっぱり痛くなる。
もう1,000円足して大きい方を買えば良かったかなぁ。

下描きのラインに沿って、二度塗り。二度塗りするとムラが目立たない。
卵黄テンペラ特有の半艶が綺麗。

この段階で、影つけとか何にもしてないんだけれど、
抽象的で幾何形で、なんか面白いぞ背景。

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土曜日は細迫 諭さんの作品を見に行った。>>ギャラリー上原・ページ真ん中辺り
金箔も貼る板地の木目を活かしたテンペラ作品。

いやぁ、板地の木目を出すってのは以前トールペイント見てから
自分、やりたかったんだよね。でも古典技法バリバリ勉強中だったので、
技法書で、現代化学塗料の羅列にイマイチ躊躇してた。
さ、先を越されてた〜〜〜(笑)。

木目や木の形を活かして描写も見事だなぁ。
でも、何より感動したのは、
見せ方がすごく楽しいの。うん。楽しい。眉間に皺寄らない。(^_^;

オーソドックスで、くそ真面目になってもいいモチーフなんだけれど、
周りのサイドに金箔貼ったり、額縁も手製だったり、手作りメノウ棒も見せて頂いて、
ちょろっと金箔貼ったりして、遊び心も満載、
もう手作りが楽しくてたまんない〜〜〜〜!!そんで技術も確か〜〜〜!!!

…という感じの作品群でした。多作もスゴイけど、多作だからこそ、かも。

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日曜日は、上野にお子さまと芸大美術館の旧館の方に行く。

目的は、目黒区美術館・ワークショップで助手をやっていた方が、
今、芸大院生たちが同じような模写をやっていると紹介してくれたので、
参考&勉強に観に行った。
>>−黄金背景テンペラ模写と現代における展開・構築−

概要は、ここが一口で言い当ててる。 西洋絵画の画材と技法・宣伝用掲示板[225]

フラアンジェリコなどイタリア初期ルネッサンスのテンペラ画模写作品
(木島隆康+保存修復油画研究室修士学生他、油画技法材料研究室修士学生他)
約40点を陳列館1階に、現代におけるテンペラ画の展開・構築を例示する作品
(田口安男、坂本一道、佐藤一郎、大西博+油画技法材料研究室修士学生他)
約40点を陳列館2階に展示します。

いわば、東京芸術大学油画技法材料研究室と保存修復油画研究室が
ここ十年あまり共同でテンペラ画に取り組んできた研究成果の公開ともいえるものです。

木島先生のフラ・アンジェリコの模写がめちゃくちゃ綺麗だった。
思ったより白っぽくまとめてる。
イタリアで見たサン・マルコ寺院のフレスコ・受胎告知は
そういや白っぽいイメージがあったから、
元絵もそんな感じなんだろうな、と思う。
学生&自分は色を使いすぎかもね。

二階も面白かった。黄金テンペラのその後の現代風展開。
佐藤先生は布地銀箔、田口先生のは初めて見ちゃった。
自分はそんな感じでバイブル化してた本の作者の作品をじっくり見てた。
お子さまは他のおもちゃのような箱の作品や
(わたしも気に入ってた!おぉっと、今調べたら坂本一道名誉教授の作品だった。
 作品がめちゃくちゃ若い感じがするから、若い人の作品かと思った…)、
おっぱいの絵などちょっとお下劣入った作品が気に入ったよう。

小二のお子さまは現代美術が好きだ。
それは直感的で分かりやすく、珍妙で面白い(全然難しくない)のと、
おもちゃ感覚が楽しいんだろうな。

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この、現代美術が(特に芸大系)イラストっぽい、おもちゃっぽいというのは、
どういう事なんだろうな。
おもちゃっぽいは、エンタだと考えていいのかな。
ラン・ランもエンタでかっこよかったし。)

先の細迫さんのもおもちゃ箱のようで楽しかったけれど、
小さい分小粋な感じが。
アートと工芸、アートとおもちゃの差って、
根本的な違いは値段だけだったりして。

アートがおもちゃに影響受けて、
おもちゃがアートに影響受けてるのかな。
自分のくそ真面目な絵も、そのうち変わっていくのかも。

そんなことを思ったり。

でも、フラアンジェリコはスゴイね。
圧倒的にスゴイ。だから芸大の展覧会で一番良かったのは
やっぱり木島先生のアンジェリコの模写。
(…と坂本センセのおもちゃ箱みたいなヤツ。)

by HPY


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