作業量と技術とお金 2003年12月09日(火)
----------
なんか描きづらいと思ったら、
紙にジェッソが塗ってあった。
ペン素描の上にインクを塗ると、ぬるぬる剥がれてしまう。
ちっ……。しまった。
テンペラは平気なので、構わず塗り重ねる。
今回、ほとんど色を混ぜずに原色を塗っている。
陶器絵付けの参考になるかなぁ。
----------
わたしはお金に疎い。
無頓着だと言っていい。
お金には疎いが、数字は気になる。
そのさ、仕事って、実質的な仕事量(時間と枚数とか)、
技術料(その人の最大の売り。経験値が加わる場合もあり。)
仕入れがある場合はかかった経費を乗せて、
それと相場とお客さんの懐具合を考慮に入れて、
自分で自分に価格をつけるわけ。
絶対的に分かりやすいのは、数値で計れる経費と仕事量。
これの価格は売買双方納得しやすいが、
問題は技術にいくら値段をつけるのか。
だから「価格=自分の価値」という錯覚に陥る。
もちろん買う方は「いい品安く」は大歓迎だろうけれど、
あんまりその傾向がひどくなると、
技術料は限りなくゼロに近づくわけだから、
職人泣かせだよね、ホント。
その上でさらに買いたたかれた日にやぁ、残ってたプライドも粉々。
こんなに苦労して取得した技術はなんなんだろう、って、
今更悩む話じゃないけれど、深く襲う徒労感。はぁ…。
やる気なくなるよね。やるけど。
----------
手を抜けない性格で、
全力で仕事をするのが好きだ。
全力で駆け抜けて、息を切らせて頂上へたどり着き、
景色はとても良かったのだけれど、
見つけた数値の少なさに、
これなら走らない方が良かった、と愚痴を言う。
与えられる数値は、最初から分かっているのに。
仕事はいつも、一生懸命やればやるほど作業量が底なし。
だからいつも、絵以外の仕事は引き受けまいと誓うのだけれど、
情が深いわけでもないくせに、八方美人の安請け合い。
しかし始めると、
新案が雲のように次から次へと湧いてきて、
面白くて止まらないのも事実。
----------
はぁ……。
愚痴が出るのは、やっぱり作業量・技術料と、
報酬の不釣り合い感から出るものなんだよね。
そういや以前、報酬値上げしてもらったら、
ぱたっと自分の中で愚痴がなくなり
仕事により一層打ち込むようになった事があったなぁ。
あとは完全に諦めるか。(;_;)
そもそもわたしは最初から
自分の中でのギリギリ最低価格を表示しちゃうから、
大抵、作業量と価格が合わないことになる。
見積もり甘いってヤツだ。
そんで愚痴を言ってりゃ世話ないよね。
会社にいた時は、後からおそらく容赦なく来るであろう、
クライアントの様々な要望に応えられるよう、
見積もりは2〜3倍で提示し、その上で受注を取り、
問題なければ、納品後値引きしろ、と言われてたが、
その必要性が今、トンと身にしみる。
追加料金より値引きの方が、お客さんも好きだよねぇ。
----------
さてどうしたものかなぁ。
なんだかんだといろいろ勉強させてもらったな。
そろそろ元の絵描きの生活に戻るか。
by HPY
Diary INDEX
|
BACK
|
NEXT
|
制作日誌をメールで読む |
HOME GALLERY