額縁がおもしろい 2003年08月20日(水)
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今日は上野の森美術館へ行った。
いつもながら、あまりにもたくさん作品があるので、自然足は速くなる。
ただぼーっと見ていてもしょうがないので、
額と作品の関係をメモを持って調査。
注意深く見ていると、時々遭遇する、
額縁と絵がぴたっと合っているという作品。
「これは…いいな…、うん」
創造とは違う。でもそのチョイスに感動する。
それは何が要因なのか。
色や質感が、額と作品と
どこかしら共通しているものがあるのでは、と考える。
オイルで透明色を使う人は同系色の艶のある額を。
ごてごてっと黒を盛り上げる人は、手製額にまで同じ絵の具を盛り上げていた。
面白かったのは2階にあった水彩。(上図)
えらく白く輝き、目立っていると思ったら、
黒褐色のニスを塗ったベニヤの上に、
手漉き水彩紙の絵が貼ってある。
普通の額が奥まるのに対し、前へ前へとせり出しくる。
黒と白の対比も相まって、相当に目立つ。
もちろんガラスはなく、保存効果は期待できないが、
他の額と全然発想が違う。
見せ方も作家の腕の見せ所だよなぁ、と感心する。
逆に廉価品の金属額は、作品と合っているものはほとんどなかったんじゃないかと思う。
特に小さい作品は絵と金属との割合がよくない。
のっぺらと平面的で、光りすぎるんだよね。違和感が残る。
なんだか、本額は高いとか作るのは面倒だとか、
これしかなかったとか、
金も手間も惜しんだ単なる作家の手抜きと感じてしまった。
あれはよくないよ。
アマチュア対象のコンクールでこんな文句をつけるのは酷か。
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アメリカでは金銭的な事情も含めて、額装技術を身につけた画家が多い、という掲示板カキコミを読んで、大いに発奮し、
今度作るF50、F30の手製額制作プランを練り上げる。
これでうまく行けば、もう買わずにすんだりして。うしし。
和紙張りしようか、木目を出そうか、案がぼこぼこ出てきて楽しい。
ま、そんな時間があったら、制作にあてろという意見もある。(^_^;)
でも、どう見せるかは大事にしたいな。
今まで無頓着すぎたからね。
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アトリエの人と今日はよくしゃべった。
「ちまちま描くのが楽しいの」と発言し、
前回の自分の胸のつかえもとれて、すっきり。
彼らの抽象絵画がほとばしる躍動するエネルギーだとしたら、
わたしの絵は凝縮するエネルギーであって欲しい、これは希望。
9月以降大きなコンクールがないので、来年の話が出た。
春を見据えて、公募にチャレンジしようかな、と思う。
春までに100号4枚。ただし一辺倒にはしない。
大きい作品と並行して小品は描きたくなってくるし、
その辺を目標にしてれば勝手に作品がたまっていくから、
自然、個展もやりたくなるんじゃないかと。そういう予定。
by HPY
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