ネタ帳

コノハナ【MAILHOME

だけどわかるぜ 萌える友情 16
2006年03月23日(木)

♪ガン!ガン!ガン!ガン!若い命が真っ赤に燃えて〜

やかましいんじゃぁぁあッ!早乙女研究所!


マジンガーZ最終回に凹む私の心情お構い無しに、今日も騒々しいゲッターチーム。
また殴り合いやっているよ、こいつら。ゲッターは3人いつも一緒で羨ましいな。
それに比べて、マジンガーは、4年半も日曜の夜を飾ったのに、3人が一緒になるのが一度もないなんて・・・。羨ましいよ、ゲッターチーム。

ああ、とうとうきてしまいました。マジンガーZ最終回。
いや、最初に見始めたときから、わかっていたんだけどね、いつかこの日が来ることを。でも、実際にきてしまうと、やはり悲しい。
先の展開を知っているだけに、1話からずっと出撃時に使われた渡辺宙明の傑作『Zのテーマ』が流れると、ああ、これを聞くのも今日で最後なんだな、これが最後の出撃なんだな、今日でマジンガーZともお別れなんだなと思うと、ぐっとこみ上げるものがありますね。

まあ、マジンガーZというのは、それまでずっと無敵を誇ってきたのに、最終回に突如何の前触れもなく、鉄の城が陥落して、ぼくらのマジンガーZが負けて終わるわけですよ。これまで91話ずっと無敗を誇ってきたのに、最後の最後で完敗という終わり方で、それゆえ、この最終回は伝説の主役交代劇として語り継がれるのですが、今見ると、非常に悲惨な最終回ですな。

よく知られたように、マジンガーZは最終回で徹底的に破壊されます。
その壊され方も半端ではなく、両腕が無くなり、両翼がもぎ取られ、腹に大穴が貫通し、全身が腐り、Zの頭脳部であるパイルダーが落下し、キャノピーがぶち割れて、パイロットが失神という完膚なきまでの敗北ぶり。今までとは比べ物にならないぐらい強い暗黒大将軍の前に、手も足も出ないで、まるで勝負にならないまま、鉄くず同然となって崩落する鉄の城。わずか数分で、ぼくらのマジンガーZが鉄くずになってしまうのです。

この最終回、甲児くん可哀相すぎっす。

一番の泣かせどころは、すでにZには戦闘能力なんか残っていないのに、甲児がその現実を受け入れることができず、いつまでも、戦おうとするところでしょうか。弓先生は早々に退避を勧告し、甲児のほうでも相手がこれまでの機械獣と異なり、Zがかなう相手でないのはわかっているのに、それを認められないでいる。負けを甲児認められないでいるわけです。

ここでグレートマジンガーが現れて、甲児はすんでのことろで一命を取り留めて、科学要塞研究所の病室に収容されるのですが、

ここが可哀相すぎる!

だってお見舞いにやってきた光子力研究所の人々が、そこで、見たものは、

ベットに包帯に巻かれて横たわる兜甲児の姿。
顔も体も包帯を巻かれ、放心してベットに横たわる歴戦の戦士の姿。

弓先生達は、力なく横たわる甲児くんに、今までよくやってくれた、命だけは助かってよかったと、声をかけるのですが、甲児はそれには返答しません。
共に戦ってきた人々も、助かってよかったと声をかけるのですが、それにも甲児は答えません。
人々の声にも答えず、声のするほうを見ようともせず、そして虚空の一点をみて、彼はただこうつぶやくだけ。

「マジンガーZ・・・・」

カーーーッ可哀相すぎッ!
1年10ヶ月にわかってお茶の間をにぎわせてきた、兜甲児の最後の台詞がこれですか?1話で、こちとら体は小さくとも、喧嘩なら負けないぜとノリノリで軽快に登場した兜甲児最後の台詞がこれですか?やいやい、待ちやがれ、機械獣野郎、へへーんだっ。あの独特な甲児口調で、軽妙に飛ばしまくった、マジンガーZ全92話の最後の台詞がこれ?どんなに苦戦していても、余裕ぶっこいているようにみえる芸風がうりの兜甲児最後の台詞がこれ。毎週日曜日のお楽しみだった明朗快活番組の主人公の最後の台詞がこれ。
マジンガーZ・・・
これで終わりかよ。か、哀し過ぎる。

この後、弓先生の提言で、アメリカ留学に出発するのですが、そこはもうナレーションだけで台詞はありません。アメリカ行きの飛行機に乗っているところが慌しく映し出されて、ジ・エンドで幕。1年10ヶ月、大晦日も、お盆もやむ事無く放映され続けたマジンガーZ 全92話、これにて終了。来週からは、グレートマジンガーがはじまるよ。みんな見てね!って、そんな気分になるかよッ。

ああ、最終回の感動も余韻もなしで、追い立てられるように、退場させられるマジンガーZとその操縦者が哀れでなりません。記憶の中にあったものよりずっと残酷で、悲惨な終わり方じゃないか。マジンガーZって、こんなに後味の悪い終わり方だったのかよ。
子供のときは、Zが滅多滅多に壊されるというのが衝撃すぎて、乗っている人間の心情まで考えることはできなかったのですが、今見ると、この話って、主人公をうむをいわせず強引に退場させ、次番組の主人公&主役機の顔見世で終わっているのですね。バトンタッチして、あとはお前にまかせるぜっ、という終わり方ではなく、無理やりそれまでの功労者を追い出して終わりという終わり方。主役交代というより、主役のっとりみたいな終わり方。
私には、Zが可哀相すぎて、グレートを格好いいと感じる余裕はなかったよ。

私、マジンガーはグレートが一番好きで、剣鉄也ファンだったのだけれど、これ見て、Z信者の人が、グレートは認めん、鉄也許さんといっていたのが、少しわかった気がしたよ。
今まで私、グレートはZを踏み台にしたという言い方が、気に食わなかったのだけど、グレートのどこが悪いんじゃと、苦々しく思っていたんだけれど、そういう人達の気持ちも、ちょっとわかったかも。たしかに、この登場の仕方じゃ、鉄也とグレート憎まれるかもしれないよ。マジンガーファンというのはデフォで甲児好きなので、この後、彼が甲児くんにしたことを合わせて思うと、鉄也が疎まれるもの、なんとなくわかった気がしたよ。

ああ、これが、東映まんが祭りの『マジンガーZ対暗黒大将軍』が最終回のシナリオだったら、全く文句はなかったのにな。
あちらもZはボコボコにやられちゃうけど、でも、あちらはグレートと二人で、共闘して、共同作業で敵倒しているし。Zも大破しているけれど、戦闘できるだけの精神力と余力がちゃんとあるし、それになにより、最後にグレートとの会話がある。これがあるとないとじゃ大違いで、この映画のこの場面、後世に語り継がれるだけあって、それはもう格好がいいのだから。

満身創痍になったZと傷一つなく光輝くグレート。
二つの機体が日の光を浴びて対面し、会話を交わす。

「強い・・・君のロボットはなんていうんだい?」
「グレートマジンガー」
「グレートマジンガー?」
「マジンガーZの兄弟さ。また会おう、マジンガーZ」
「待ってくれ グレートマジンガー」
呼び止めるZの声を振り切って、走り去ってゆくグレート。
名前だけ告げて走り去っていく謎の勇者。な?カッコいいだろ。な、痺れるだろ?
そして甲児の〆の台詞。

それにしてもあのロボットを作ったのは誰だろう?

その正体はもちろん、甲児の父、兜剣造博士なのだけど、この余韻を持たせて終わらせる終焉の爽快感といったら、どうだい。ああ、これだったら、文句なしの伝説の交代劇だったのに。

それが、テレビ版だと、Zとグレートの会話がないまま終わっているんだよね。もしかしたら、甲児は、自分を助けれてくれた勇者が誰なのか、知らないんじゃないだろうか。グレートのほうでは、知っているんだけど、Zのほうでは、誰だか知らないで終わっているっぽい、このへんが、どうも釈然としないんだろうな。だってさ、主役同士があいさつ交わさなきゃ、バトンタッチしたとはいえないんじゃないかい?

あるいは映画ではなくて、永井漫画のほうでもいいのだけどさ。
漫画は漫画で、またいい終わり方しているんだよね。大破して終了するところはテレビと同しなのだけれど、こちらは、グレートが大破したZをお姫様だっこして、光子力研究所に連れて帰ってくれている。ここがまずいい。
この時、グレートが語りかけた言葉。

「勇敢なる戦士マジンガーZよ、いまやすらぎのときがきたのだ。これからはじまる暗黒大将軍との死闘はわたしが代わろう」
「だれだきみは?」
「グレートマジンガーとその操縦者剣鉄也だ。」

こんな具合で、漫画版は主役交代の引継ぎがきちんとできているんだよ。

またもう一つ漫画版のいいところは、この次のコマで甲児がまたいつもの甲児に戻って、いつものようにケロッとした顔で
「マジンガーZ以上のロボットを作るなんて、大天才博士なんだろうな、おじいちゃんよりすごいロボット工学博士がいたなんて うれしいような かなしいような」
車を運転してその博士に会いにいこうとしているところですね。
あれだけのことがあったのに、ずぐに平常に戻っているところがいかにも兜甲児らしいや。どんな辛い試練があっても、次の瞬間には、何事もなかったかのようにケロッとしていているのが兜甲児の芸風ですが、この漫画は、いつもの兜甲児で終わっているんのがいいですね。

そして科学要塞研究所を訪れて、甲児父と弓教授が対面するのだけれど、この時、アメリカ留学を持ち出すのは、剣造博士のほうなのですよ。アニメとは違って、剣造博士が甲児を科学者にしたいと言い出すのです。
私ここのところ大好き。

「甲児には兜家の科学者の血が流れています。甲児を自分以上の科学者にしたいのです。自分がきづつき倒れることようなことがあったら、その時こそ息子兜甲児にわたしの意志をつぎ立ち上がってもらいたいのです。」

大志をもって、息子を留学させる父。
それに答えて旅立っていく息子。
ああ、この父子愛、たまりませんね!萌えますね!豪ちゃんは父子の描き方が上手いですね。わたし豪ちゃん版グレートの兜親子が対面する場面、大好きですよ。

アニメだと、アメリカ留学を言い出すのは弓教授のほうですが、これだと、まるで戦闘で心身ともに疲弊し憔悴しきった甲児を、光子力研究所からしばらく放して休ませてやりたいみたいな印象を受けるんですよね。Zと向き合うのが辛い甲児くんを休ませてあげたいという感じ。甲児のほうも逃げるように、日本を離れていくみたいな感じ。それは辛いっす。
やっぱり私としては、留学は父が子にいつか訪れる日のために勉学を積ませるとしたほうが、感動的だなぁと思うのですよ。だって、マジンガーは兜家の科学者の血が格になる話なので、アメリカ留学は、弓先生ではなく、兜剣造博士のじゃあなくては、次番組への引継ぎにならないじゃないですか。

マジンガーZのおもしろさというのは、かなりの部分で繰り返しによるところが大きいと思います。毎週毎週あきもせずヘルは機械獣を作り、光子力研究所はあきもせず攻防戦を繰り広げる、さやかは毎週悲鳴をあげ、ボロットの首は毎週落っこち、甲児は毎週夕日にむかって高笑いをする、ひたすら、1年10ヶ月これを繰り返してきたわけで、こうした繰り返しの中に、ミネルバXやエリカさんやローレライみたいな変化球が、たまに投げられからそれらの話が輝くわけです。
中に、マジンガーはおっぱいミサイルの話と、ミネルバXとさやかマジンガーと最終回だけみればいいみたいな乱暴な言い方をする人がいますが、そうではないでしょう。やぱり、これまでの積み重ねがあるからこそ、最後の最後で、フォーマットを崩す超変化球技のこの最終回が効いてくるのです。今回1話から、一つづつ見ていったのですが、長く見続ければ見続けるほど、最後の殺人球が、とてつもなくひびく最終回でした。

救いは、飛行機の窓にうつった甲児くんの顔に微笑みが見られたことでしょうか。きっと、時間の都合で、画面には映らなかっただけで、最後はいつものように礼儀ただしくやんちゃに、おなじみの夕日に照らされる光子力研究所に、明るくお別れの挨拶にいく場面があったと、脳内補完をしたいと思います。

で、鉄也と甲児くんのからみはないのですか?

スタッフの馬鹿野郎。なんで、二人のからみがないんだよぉぉお!
チキショー、大介さんに負けるじゃないか。
鉄也くん、甲児くん、あああああッ義兄弟萌え


最後はいつものパターン。もうこのパターンで終わらないと落ち着かないっす。



BACK   NEXT
目次ページ