本屋に行ったらメディアファクトリーから『スケバン刑事』の新装版コミックスが刊行されていました。エリ8の新装版コミックスと同じメディアファクトリーのMFコミックスです。なぜ今時分『スケバン刑事』が?と思いもしましたが、そろいの黒い表紙で仲良く『スケバン刑事』と『エリア88』が肩を並べて売られていうのは、サキ・ヴァシュタールと神恭一郎を繋ぐ回廊が開放されたようで、嫌な気はしないです。むしろ嬉しいや。 そういうわりに『スケバン刑事』はうんと小さかったころ、友達に貸してもらって読んだきりなので、どんな話だったかよく覚えていないです。ダメじゃん。ドピュッ!(着陸音ではなって、ヨーヨーが飛んでくる音) 和田慎二というと柴田昌弘や魔夜峰央と共に、男性少女漫画家の代表というイメージがあるけど、間違っていないですか?私にはなぜあだち充が少年漫画なのに、和田慎二が少女漫画なのか不思議でした。というよりこれを連載していた花とゆめという雑誌自体が、柴田昌弘の『赤いシリーズ』とか、魔夜峰央の『パタリロ!』とか、美内すずえの『ガラスの仮面』とか、こう少女漫画の範疇に留まらない濃ゆい漫画が多くて、純心な幼女たちからは異質な存在でへんてこだった気がいたし……うわァッ桜の大門がーッ!ドピュッ! 『スケバン刑事』と『ガラスの仮面』のコラボレーション漫画があったのは覚えています。商業誌では珍しいと思うのですが、和田氏と美内氏が合作で漫画を書いたことがあったのですよ。『スケバン刑事』の神恭一郎と『ガラスの仮面』の速水真澄さんが大学時代の知り合いということになっていて、二人が電話しているシーンがあった気がいたします。これ見て、神と真澄さんはお友達なんだ、と作者の読者サービスと遊び心に強い刺激の光彩が放たれ、膝を打って感心しました。なんかこういうのって嬉しいよね。 そうそう、新谷氏にも和田氏との合作漫画がありますよ。私も読んだことがあります。和田慎二と新谷かおるご本人による合同同人誌で、『黒い子守歌 砂の薔薇VSスケバン刑事』というタイトル漫画でした。こちらは商業誌ではなく、同人誌なのですが、手に入れるのは難しくないはずです。1999年8月八十八夜からの発行ですので、ご興味がある方は探されてみてはいかがですか。 内容はタイトルにあるとおり、『スケバン刑事』と『砂の薔薇』のスーパータッグで、麻宮サキらとデビジョンMのメンバーが共演しているというもの。表紙はヨーヨー持ったサキと銃を携えたマリー隊長の2ショットです。 ストーリーのほうはというと、不可解な殺人事件が起こって、捜査協力することとなった学生刑事サキとデビジョンMが真相をつかむため、人里離れた全寮制の名門女子校に変装して潜入捜査するというもの。マリー隊長が年齢も省みずセーラー服を着て女子高生に変装しようとガンバッちゃう場面も。しかし、母の刑期延長ため学生刑事やるのって、よく考えると(考えなくても)へんてこな基本設定ですね。エリ8の除隊するために外人部隊で150万ドル稼ぐといい勝負だと思います。ちなみにマリー隊長とヘルガからも学生刑事?なにそれと思いっきり突っ込みを入れられていました。 雰囲気的には、スケバン刑事ワールドに協力要請受けたデビジョンMが参加してくる印象でしょうか。メカが新谷パースじゃなくて、和田先生の古風な描線なのが味わい深くてでまた一興です。コマ単位で、和田氏と新谷氏が半々ずづ作画しているのですが、思っていたよりも、調和しておりなかなかのまとまりでした。 あとがきみると、お二方とも死ぬかと思ったとか2度とやらないとあるので、よほど製作するのは大変だったんでしょうね。このタッグではもう書いてくれないのかなぁ。いい組み合わせだと思うのですけど。 ま、好みをいうと、神恭一郎の共演相手はサキ・ヴァシュタールがいいですね!神が「サキ」って呼ぶと、サキ・ヴァシュタールが出てくるやつが。 エリア88ワールドの人は、他の作品とは親和性が低いように思えて、同じ作者の他作品でも、ゲストで登場するだけで私などは違和感を感じてしまうのですが(例:ふたり鷹のミッキー)例外な人も中に何人かいて、そのうちの一人が沢さんなわけで、エリ8の中でスケバン刑事世界に違和感無しで溶け込む人っていったら、私はだんぜんムッシュ・サワを推しますよ。 沢松之助&サキ・ヴァシュタールvs麻宮サキ&神恭一郎、この不文律の黄金コンビ、これがベストですよ!
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