たぶんここのサイトに来ている人の多くは、ヤマトに造詣が深いと思うのですが、私もそれに倣い、基本に戻って『宇宙戦艦ヤマト』を観てみることにしました。 一番最初のTVシリーズを観たのですが、 すいません、舐めていました。 古い話だし、科学考証も甘々だし、映像的にも老朽化が激しく、矛盾だらけで馬鹿馬鹿しくて今じゃもう見れたもんじゃないと舐めてかかっていたのですが、とんでもなかった。 ジーザス、こいつはとんでもねぇ大当たりだぜ。 私、土下座して謝まらないといけないかもしれない。 メチャメチャおもしろかった。 正直万事において古くて、今見るのはしんどいだろうと思っていたのだけれど、そんな心配は1話のAパートで消え去りました。 ヤマトは永遠でした。ヤマトは不滅でした。ヤマトはまぎれもなくアニメの金字塔でした。 OPのメキメキと土の中から蘇る戦艦の重厚な力強さはどうだい。砲台の細部に至るまで丁寧に書き込まれたこの気合の入り具合はどうだい。赤ちゃけた地球が今にも滅亡しそうで悲壮感と絶望感が溢れているじゃないか。壮大かつ雄大なこの音楽に胸を奮わせろ。無限に広がる宇宙を見よ。腹のそこに響く男達の詩を聞け。総天然色フルカラーの第1艦橋の美しさに涙するがいい! うわー、絵が戦場ロマンシリーズみたい。 新谷絵にそっくり。 何故ここに風間真が?!というぐらい古代進と風間真がそっくりなのが笑える。 コスモゼロ操縦中を風防越しに見たところとか、波動砲の照準合わせているところなんて激似ですよ。1巻なんて本当に風間真かが現れたかと思って血圧が上がってしまったじゃないですか。お前ら似すぎなんだよ。もちろん中身は全然違うけど。 改めて新谷氏が松本氏の弟子だったと再認識させられます。 実は私は宇宙戦艦ヤマトは子どものころ再放送を順番ばらばらで見ただけで、それで一通り見た気になっていて、最初から見るのはこれがはじめてだったりするわけですが、大きくなってから見返した『さらば宇宙戦艦ヤマト』の絵の古さ、設定の矛盾の多さ、古代進の艦長職の不向きっぷり、それになによりヤマトに漂う第二次世界大戦末期の日本軍の特攻賛美みたいな雰囲気に抵抗を感じて、今みてもそれほど楽しめないんじゃないかと思っていたのです。 でもそれは違った。 ヤマトにリアリズムなんて必要なかったんだ。 戦艦大和が宇宙戦艦として蘇るのがいいんだ。 将棋盤ひっくり返すほどの気の短い戦闘隊長古代が、ヤン提督が聞いたら呆れそうな策略も何もあったもんじゃない滅茶苦茶な交戦に飛び出していくところがいいんだ。 真田さんがこんなこともあろうかと、あたかも敵の作戦を事前に知っていたかのような新兵器を何時の間にやら完成させているところがいいんだ。 サーシャも地球までやってくるなら、メッセージだけじゃなくてついでにコスモクリーナーを持ってきてくれればいいのに、いや、わざわざイスカンダルまで取りに行かなくても、真田さんだったら作れるんじゃないのか?と思わせるところがいいんだ。 病床だろうが絶対に艦長帽を脱がない沖田艦長や、乗組員は日本人ばっかりで、すぐに壊れるけどすぐに修繕される戦艦がいいんだ。 矛盾多すぎだとか、考証デタラメとか抜かす奴には、くそくらえと返信しておけ!ラウンデル。 ああ、私にも今解ったよ、松本ワールドの様式美が。子どものころわからなかった松本美学が今なら、今なら解かる気がする。 そうさ、たしかにヤマトは矛盾だらけかもしれん。 でもいいじゃないか、そんなもの。 男のロマンがあるのだから。
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