キムへ――― 神崎の好意で、今この短い手紙を書いている。 神崎は俺達二人の間に横たわる例の問題について 最後の決着をつけるために俺の手が空くのを待っている。 奴は今、いかにして日本警察の目を避けて いかにして俺の行動に関する情報を手に入れたか その要点を説明してくれた。 おかげであの男が高い知力を持っているということがはっきりしたわけだが なあに そんなこたぁ昔から知りすぎるほど知っていたさ。 これで彼がもたらす害悪を社会から取り除くことができるかと思うと 俺は深い満足を覚える。 ただ、その代償として、戦友諸君 とりわけキム お前に苦痛をあたえることになっちまうな。 だが、たびたび言っていたように どのみち俺の手は血で汚れすぎていたのだし 最期の幕を閉じるのに これ以上俺に相応しい方法はないのかもしれない。 事実、正直に言ってしまえば 俺は神崎からの電話が決着の呼び出しとはっきりわかっていたし その後こういうことがおこるのを予期して お前が基地に留まることを強要させたのさ。 日本の安田妙子という女性に 神崎悟の有罪を証明するのに必要な書類は 表に「カンザキ」と書いた青い封筒におさめて 整理棚の「K」の部にいれてあると伝えてくれたまえ。 財産は日本を立つ前に 妻の涼子に譲渡する手続きを済ませておいた。 マッコイじいさんによろしく。 死線をくみ交わし友 シン・カザマ 『最期の事件/シャーロック・ホームズの思い出』より ------------------------------------------------ というわけで、名探偵コナンの映画見てきました。 今回は名探偵コナンと宿敵怪盗キッドの対決話だったんですが、奇遇なことにこの映画、 三木眞さんが新庄という役で出ていて、バッハの小フーガのアレンジ曲がBGMで使われておりました。 しかも、内容というのが航空機パニックもので、旅客機内で事件がおこり、それに機長・副機長が巻き込まれてしまって操縦不能、そんな緊急事態に、たまたま乗り合わせた稀代のトラブルメーカー江戸川コナン君らが手動で着陸に挑むという話。 ファントム無頼かと思いました。
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