先日のAT-X版『バビル2世』の衝撃がやまないうちに、横山先生は逝ってしまわれました。 最後はバビル2世並の火炎放射を実演されてしまいましたな… 私ぐらいの年代だと、バビル2世というのはその名を知らぬものがいないほど有名な存在で、超能力=バビル2世というぐらいぐらい超能力の代名詞的存在として扱われており、そのメジャーっぷりはかのユリ・ゲラーをもしのぐほどでした。 高いところなど登ると、何もこないとわかっていても、空を仰いで「ロプロォォーース」と叫びたくなる衝動にかられた少年少女も多かったものです。 また都合が悪いことがあると、あーあ、こんなときロデムがいたらなぁとロデムの出現を願った小学生もあとを絶ちませんでした。 ロデムは大変に人気があるキャラで、同種の能力を持つサイボーグ007やバーバモジャと比べても、その人気のほどはゆうに頭一つ分リードしておりました。ドラ○もんなんかよりよっぽど重宝がられて人気あったもんね。 大きくなってからこの漫画読んでみると、ヨミが大変な部下思いの首領だったのに驚かされるわけですが、部下のほうも世界制服ためストイックにヨミに従事していて、感心することしきりです。部下に信頼される指導者と勤勉な企業戦士達、コイツ等現代社会に生きていたら、案外実業家として成功するんじゃないでしょうか。なんかそんな気がいたします。 反対に浩一くんは、正義のためには手段を選ばぬというよく考えてみると畜生なやつだったという事実に、やはり驚かされます。3つのしもべが従順なのをいいことに、コイツ傍若無人でやりたい放題です。 冒頭の明日は使者がくるんだとわけのわからないことをいって、育ててくれたお家の人を捨ててとっとと出て行ってしまうところなど、もうたまりません。 横山漫画の数多いタイトルの中でも、知名度ではトップクラス級の『バビル2世』ですが、この話の偉大だったところは、超能力と古代文明のドッキングとか、3つのしもめの存在とか、躍動するメカ等いろいろあるのでしょうが、やはり白眉だったのは、なんといっても浩一少年の学生服でありましょう。 とうに学校なぞいかなくなったのに、着る必要もなくなった学ランを愛用する浩一少年ことバビル2世。これがよかった。 連載を長引かせるために、ヨミが何度も蘇るというご都合主義ともとれる強引な展開も、この浩一くんの学生服の前には無力です。 ビバ学生服!ハイル学ラン!学生服はカンコー! さしもの正太郎クンの半ズボンも浩一くんの学生服には敵うまい! このバビル2世には続編があってタイトルは『その名は101』というのですが、私としてはこちらの話のほうが好きでした。 これはバビル2世こと山野浩一君(もちろんSF作家の山野浩一氏ではない)が主人公の話で一応続編という形はとっていますが、内容はまた別物というかパラレルといった感じのです。 浩一くんは引き続き主人公なのですが、こちらには3つのしもべは出てきません。 そのせいもあってか、どうもあまり評判はよくないみたいですが、私はこちらのほうが好きでした。一人で戦う101が孤独で。 自分の血を輸血したことにより作り出された超能力者を抹殺するために、一人戦う能力者・・・これがこの話の大筋なのですが、もうこの設定だけでメロメロです。 しかも彼にかかわりあいになった人は、それがために命に落としてしまうあたりなどがもうたまりません。 敵を倒した後に、あと何人…と残りの人数を数えて去っていくところなどはしびれたのですけどね・・・あーそんなこといっていたら、また読みたくなってきた。 おやすみ…横山光輝先生…
|