春はあけぼの ようよう白くなりゆくヤマギワ電気の ソフト館は燃えてしまいました。もったいない。 ヤマギワ電気というと、昔バイトしていたことがありました。(関内店だけど) 当時はバブル期でやたら物価が高く、今みたいに中古市場が盛んでないこともあって、なんでも高い時代でした。 よく仕事中に欲しいCDの前で足を止めて熱い視線を送りながら眺めていたものです。気分はすっかりトランペットを見つめる黒人少年。 あのころは関内アカデミーで映画を見て、有隣堂の中二階で文庫を買って、ヤマギワ電気でCDを買って、それでお金がなくなっちゃってそのまま家まで歩いて帰るってことをよくやりました。途中寿町を抜けていくと早いので、あそこもよく通りました。あのころは3日に一度は映画を見たっけなぁ。懐かしいなぁ。 とそんな思い出話と今日の話が関係あるかというと、そんなことは全くありません。 「チャンネルまわせー」とエリアを見ながら叫んでいたら、一緒に暮らしている小学生のうまちゃんに、りよちゃん、チャンネルまわせなんて言わないよ、と言われてしまいました。 チャンネルはまわすものではなく変えるものだそうです。 え?「チャンネルまわす」って言い方しない?と尋ねてみたら、どうやって回すんだと逆に質問されてしまいました。 そうか今は「チャンネルまわす」って言い方はしないのか。そりゃそうだよな。リモコンテレビしか知らないわけだし、チャンネルテレビなんて見たこともないだろうしな。 なので、昔はね、テレビにチャンネルがついていて、それを手でガチャガチャ回して局を変えてたんだよ、画面の横にねじねじって回すやつがついてそれで局を調節して出していたんだと説明してやりました。そしたら彼女はえー、昔のテレビってそんなんだった、リモコンで変えるんじゃないんだと素で面白がっていました。 今の小学生って、チャンネルテレビ知らないんですね。 続けて、じゃありよちゃんの子供のころはリモコンはなかったの?と聞かれたわけですが、私が子供のころもちゃあんとリモコンはありましたよ。 画面横、縦一列にタッチ式チャンネルが並んだテレビの時代になるとリモコンは珍しくなくなるのですが、それ以前のチャンネル式テレビ(がちゃがちゃテレビと一般に呼ばれていた)の時代にもリモコンというものはありましたよ。知っていますか? ボタンを押すと、通常手で回しているチャンネルそのものが、がっちゃんがっちゃんと大きな音を立てて回るという大変原始的で即物的なリモコンでした。 形はそうですね、ちょうど懐中電灯みたいな形でした。防災用の懐中電灯を思い浮かべもらえればあっていると思います。 そして今考えるとえらい乱暴なんですが、テレビ画面の横にそのリモコンがはまる穴がくり抜いてあって、普段使わないときはそこにガチっとはめ込んで収納しておくんです。で使うときは、そこから無理やり引っこ抜いて使う。使い終わったら、またそこに押し込んでしまう。 どうもこのリモコンは音で反応するらしく、スイッチを押さなくても、100玉を落っことすと、その音に反応して勝手にチャンネルが変わってしまうという困ったちゃんでした。 ちゃりーんとお金を落とすと、番組を見ている途中に、音を立てて別の局になってしまうのです。凄いでしょ? あまり普及していなかったと見えて、このタイプのテレビを持っている家庭は珍しかったのですが、一時期確かに存在した代物でした。 今これを知っている人ってどのくらいいるでしょうね?懐かしいなぁ。 ついでに、この小学生の彼女は、ダイヤル式の電話の使い方も知らないそうです。 電話の真ん中にわっかみたいな丸いやつがついているやつ、私どうやって使うかわからない、黒い色の電話とかについているやつ。あれって、どうやって使うの?と真顔で聞いていました。 今の小学生ってダイヤル式の電話の使い方も知らないんですね。穴に指を差し込んで回してつかうんですよ。回してね。 さあて出かけるとするか。 まわせー!
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