2001年07月06日(金) |
上海に飛ぶという感性 |
先週の日曜日、宮崎 学の講演会でのこと。
主催者の河合塾の先生が、宮崎氏の男女関係について質問していた。
「宮崎さんは愛人が5人も居られるそうで、その、世間には1人の妻で 大変な目にあっている方も多いのに、一体どのようにして折り合いを 付けているんでしょうか?やはりそれも宮崎さんの人間的魅力なんで しょうか?」
という質問。
それに返して先ず宮崎氏は、
「あのー、僕にこういうこときく方って、今までにも何人かおられたん ですが、みなさん大体御自分の結婚生活に問題を抱えてる人なんです ね。それで僕にきいたこれをきいた人は今までのところみんなその後 離婚してるんです。それで、先生の方はどうなのかと」
会場の河合塾の生徒達がどっと爆笑。 さらに宮崎氏は続ける、
「僕自身は、そんなに魅力的な人間だとは思っていないです。ただし、 僕の著書にも出てくる万年東一さん、彼は愚連隊の親分なんですが、 ものすごくハンサムで、喧嘩が強く、女にもてた。すごくきっぷがい いんです。それで、戦前の話なんだけど、気がついたら色々女が出来 てそれぞれの女どうしの関係がぐちゃぐちゃにからみあって、にっち もさっちも行かなくなってしまった。それで万年さんは、こうした面 倒な事が嫌になって、一度全部捨てて上海に1人で行ってしまうんで す。その、いざとなったら全部ぽいっと面倒くさいことを放り投げて 上海に行ってしまえる感性、それがやはり万年さんのかっこいいとこ ろの1つだったなと思います。」
とのことだった。上の文は正確な記録ではなく、私のうろ覚えの記憶 から要約したものなので、全部正確ではないかもしれないが、多分大 体こんなことを言っていたと思う。宮崎 学の著書で万年東一が主人 公として出てくるのは、万年の伝記、「不逞者」であるが、「突破者」 にも宮崎氏が万年のところに世話になっていたころの話が出てくるし 「喧嘩の極意」等にも何回も万年の話が出てくる。
「不逞者」は読んだことがあるけれども、確かにものすごく万年は格好 いいのだ。喧嘩が強く、金に執着しない。アウトローの世界では異例な ことに「来るものは拒まず、去るものは追わず」を貫きとおした。
空遊が一読をお勧めする小説のひとつだ。
ごちゃごちゃしすぎた時に、すっと手を放せることってすごく大事なん だと思う。そこで執着を続けると、こじれてることがもっともっとこじ れていく。こじれているのを見取って、すっと全部捨てて上海に飛んだ 万年の感性、格好いいなあと空遊も思った。
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