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2003年06月05日(木)
 くらもと君。


夕飯の後、ソファーに寝転びまったりと毎日予約の渡鬼を見ていると、
背後から夫の声が聞えた。



「おまえ最近同じレジばっか並んでない?」



振り向くと夫はパソコンで『てきぱき家計簿マム』を起動中。
今日の買い物のレシートを転記していた。



「なんで同じレジだって分るの?」


「だってレシートに担当者の名前書いてあるじゃん。」



あ、そうなんだ。
知らなかった。
つうか、そこまでチェックするのか。
ホントまめなオトコだなぁ・・・。


「あ、今日のレシートくらもと君になってる?」


「なってるよ。」



ワタシは再び夫に背を向けて話し始めた。


「その人ねぇ、すんごいかっこいいの!!」


「そうなんだ。妻夫木くんより?」


「あ、タイプが違う。もっと色黒で、そうだなぁ・・・。」


「うんうん。」


「中村俊介と似てるかも!」


「ふーん。」


「職場でも人気者なんだって。」


「なんで知ってるの?」


「ヨーカドーで働いてるジムのおばちゃんが言ってた。」


「へぇ。おまえどんなに混んでてもそのレジ並ぶわけ?」


「ううん、違うの。」


「何?」


「なんかね、買い物終わってカゴ持ってレジの近くに行くじゃん?」


「うんうん。」


「で、どこのレジにしようかなって顔を上げるじゃん?」


「うんうん。」


「そうすると、必ずくらもと君と目が合うの。」


「は?」


「なんかすぅーっと吸い込まれるようにそこのレジに行ってしまうの。」


「へぇー。」


「って言うかね、どんなに遠くからレジを見ても必ず目が合うんだよねぇー。」


「・・・・。」


「くらもと君がワタシを探してるとしか思えないんだよねぇー。」


「・・・・。」


「あ!分った!きっと惹かれあう運命なんだ!」


「・・・・。」


「絶対そうだ!運命の人なんだ!きゃあああああああああああ!!!!」


「・・・・。」











「ちょっと!!人の話聞いてんの!?」









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