貴方のことを想うと温かな気持ちになれる。 だけど、切なくなる。
もしも貴方が私のことを想ってくれるなら、私はこの上なく幸せだと思う。 貴方のそばにいるだけで、色んなことを信じたくなるから、 貴方と付き合えたなら、私はきっと愛というものを信じられるんじゃないかと思う。
そう思う反面。
今の私は愛というものが分からなくて。 愛というものを信じることが出来ない。
それは、今までの恋愛が理由なのではなく、 私が生まれ育った環境のせいなんだと思う。
特に不自由なんてしていないし、それなりに幸せなんだとは思う。 だけど、決定的に足りないものが、ある。 それは、外から見ても分からないこと。 もしかしたら贅沢な足りないものなのかもしれない。 けれど、きっととても大切なモノが足りていない。
私は、もうずっと前から、それを求めている。 誰かを好きになるたび、不安になるのも、きっとそれを感じられないからだ。 あの子のことを信じ切れなかったのも、きっとそれが足りなかったから。
一人になって気付いたのは、何かが足りないのは相手じゃなく、私だということ。
私の中の足りないモノを、私は相手に求めている。 ううん。 その足りないモノを"欲しい”と言っていいのかを、探っている。 そしてそれを言う前に、いつも言えなくなる状況を自分で作る。 強い自分を、作り上げてしまう。
そうなったら手遅れだ。 もう、足りない部分を見せることが出来ない。 だって、そんな私を、私だと認めてくれないから。
でもね。 貴方は違うって思ったの。 付き合っているわけではないけど、違うって思ったの。 何度弱いところを見せても、貴方は笑ったり否定したりしなかった。 常に、やさしい。
だから、惹かれてしまった。 だから、恋をした。 愛というものを、信じてみたいとも、思った。
でも、恋人にならなくても、貴方はきっとやさしい。 だったらこのままでもいいんじゃないか、とも思う。
そう思ってしまう自分が、切ない。 自分の気持ちさえ、閉じこんでしまいそうな自分が、悲しい。
足りないものは分かってる。 だけど、まだ、力が出ないんだ。
|