とうとう一口の酒で爆睡できる身体に逆戻り。
ハイ。観音デス☆
商店街に建っているこの店。 通りをはさんだお向かいサンは喫茶店。 見上げた先には、 無表情にコッチを見下ろしている4つの瞳。 「どうかした?」 ケッコウ鈍感なOチャンが気付かなくてもムリはナイ。 しかし今回ばかりは気付いて欲しかった…。 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。 困ったアタイは満面の笑みで外に向かって手を振った。 アタイは視線を上に向けたまま、 口をなるべく動かさないようにOチャンに話しかけた。
「…絶対に驚かないと約束できるか?」 「モノによる。」 Oチャンの度胸を信じよう。 「んじゃ私の言うコトをよく聞いて。 まず、私がソッチを見て話しかけたら、 嬉しそうに座り込んで上に向かって手を振るコト。 AB店長とO先輩がいるから。」 「えぇぇぇぇっ!!!」Σ(゚Д゚;) 「動揺したらオシマイだぞ。 悪いコトなんて何もしてませーんって顔で手を振れ。」 「…分かった。」 ヽ(^∀^;)(^∀^;)ノ
この時食べた惣菜は、 全く味を感じなかったと言っても過言ではナイ。 少しして、AB店長とO先輩は店に遊びに来た。 「ビックリした〜。」 ソレはコッチのセリフだ…。(-_-;) 「2人ともお喋りに夢中だったみたいだし、 気付くかな?って言ってたんだよ。 座らなかったら気付かなかったよね?」 エェ、アナタのご指摘どおり。 オヤツを食らう為に座り込まなきゃ全くな。 「いつもそんなトコで食べてるの?」 「ぃぇ。今日はたまたま店がヒマだったので。」 「そうだよね〜。いくらなんでもいつもじゃねぇ。 Oサンが食べてるのも丸見えだったよ。」 「すみません…。」( ̄_ ̄;)
もしコレがO先輩ダケだったら、 『アンタ達、何やってんの?外から丸見えだよ!』 と怒鳴られていたコトだろう。 昔は彼女のこういう所を優しさだと勘違いしていたが、 今となっては直接文句を言われるより感じが悪い。 「それにしても、休憩でもないのに…ねぇ。」 ハッキリしないがジワジワと責めてくるAB店長。 Oチャンはスッカリ萎縮してしまっている。 休憩時間以外にオヤツを食べてるのはオマエの店も同じだろう。 アタイはだんだんと腹が立ってきた。 ヒトはソレを逆ギレと言う。
「ウチのバックルームは暗いうえに狭いもんで。 AB店長サンの店みたいに広くて明るければイイんですが。」 「でもバックルームで休憩するワケじゃないし。」 「でもオヤツは食べてますよね? 前に手伝い行った時、エクレアごちそうになりました。」 「あの日はたまたま頂き物で…」 「いつものように順番にバックルームで と誰かが言ってたように記憶してますが?」 「………。」 記憶などしていないが、 あの手馴れた行動は一度や二度のコトではナイだろう。 そう確信したアタイは、 ハッタってハッタってハッタリまくった。
AB店長とO先輩がようやく帰った後。 「よりによってなんでAB店長が…?」 「ココ最近の妙な視線の主はAB店長かもな。 監視でもしてたつもりなんだろ。」 「じゃあ、いつもアソコから見てたってコト?」 「見回しても分からんハズだ。 まさか上から見てるとは思わんかった。」 「でも何の為に…?」 「決まってる。コッチの…というか私の………。 どーしよう。イヤな予感がしてきた…。」( ̄ェ ̄;) 「まさか、Aチャンのコトで仕返し?」 「仕返しなんて可愛い言葉で済めばイイんだが。」
この手のイヤな予感が外れたコトがナイのは実証済み。 アタイの行動を見張って、 つけこむスキがあったら…あったら…。 いくらなんでもソコまではなぁ。ふはははは。 アイツじゃするかも。(ぐはぁ) 新入社員でAB店長に懐いていたのはAチャンダケだった。 そのAチャンを追い出した人間に敵意を持っても不思議はナイ。 追い出したつもりは甚だナイんだが…。 と言っても聞く耳持たんだろう。 その日の夜。 この出来事をHクンに報告した。
「…まさかAB店長自ら見張ってたとは。」 「社長に告げ口しようとしてたというセンが濃厚かと。」 「観音サンの行動の悪いトコダケ選りすぐって上に報告。」 「その為に張り込んでたとしか思えない。」 「今回はオヤツで済んで良かったんじゃねェ?…でもマズイな。」 「いや、今回はそんなにマズイコトしとらんよ。 ドコの店でもやってるコトだし。 まあ、場所が悪かったのは確かだけども。」 「そうじゃねェよ。 その後のオマエの行動のコト言ってんだ。 今回は偶然オマエが見つけたからかもしれないが、 元々、何かあったら乗り込んでくるつもりではいたと思う。 それがオマエの弱みを見つけてウキウキ乗り込んだのに、 逆襲に遭ってすごすごと退散しなきゃならんハメになっただろ。」 「うはは〜。AB店長のプライドもズッタズタ〜………ん?」
ズサ―――――ッ。 (↑ 血の気が引く音)
タイプ的にはAチャンと似たり寄ったりなAB店長。 近いうちに何かが起こるだろう。 …つづく。
|
2003年09月16日(火) |
|