柔らかい信玄梅はマズイ。
ハイ。観音デス☆
ひと月もしないうちに、 相談があると言ってBチャンが家へ来た。 連絡が来た時、アタイの部屋では既にHクンが、 まるで我が家のようにくつろいでいたので、 その旨を伝えると、別に構わないとのコト。 彼女を待っている間、ソワソワして落ち着かないアタイ。 「なんかドキドキすんね…。」 「"話"じゃなくて"相談"ってトコが気になるな。」 「アレから何かあったんかな?」 「考えててもしゃーないべ。」 そう言ってHクンはマンガ本を読みふけっていた。 緊張感の欠片もナイ男だ。
Bチャンが来ても尚、 オレのコトは気にするな、と言いながら、 相変わらずマンガに集中しているHクン。 「相変わらず入り浸ってるみたいだねぇ。 仲良くて羨ましいわ。」 「マテ。コイツが勝手に上がりこんでるダケだ。」 「1人暮らしだから家にいてもつまらねェんだよな。 ココに来りゃ本ダケは山のようにあるからな。 何のおもてなしもないのが難点だが。」 「たまには手土産の1つでも持ってきたらどうだ。」 「オレ貧乏だもん。」 「ウチも決められた生活費で暮らしてんの。 って私らの経済状況なんてどうでもイイんだよ。 Bチャンの相談て何?」
「どうしたらいいか分からないんだ。」 「何が?」 「告白した方がいいのか、やめた方がいいのか。」 「したいならすりゃいいだろ。そんなの自分で決めろよ。」 「…まぁ、言い方はキツイケド私も同意見。」 「振られるのが分かってても?」 「分かっててしたヒトがアンタの目の前におるやんか。」 「私は本気で好きなんだよ。」 …イタイトコ突いてきますな。(-_-;)
「正直言って私も告白しても振られると思うよ。 でも、アンタがソレ言うのはおかしくないか? 本気で好きなら躊躇ったりする前に行動してると思う。 アンタの性格考えればね。 片思いが長すぎて臆病になっちゃった? たとえダメでも区切りにはなると思わない?」 「うーん…。」 「その程度の本気なら言わない方がイイと思う。 何よりヤツが調子に乗りそうで腹立つし。 と、コレは私の意見だが、決めるのはアンタだからね。 ヒトに決めてもらったら後悔するよ……?」 はて?(ー∇ー;) 黙って聞いているBチャンの顔が、 笑いを堪えてるような気がするんだが。 と思ってたら、ホントに笑い出した。
「ヒトが真剣に話してんのに…。」 「ゴメン。実はココに来る前にAと会ってたんだ。」 Aチャンは、絶対にうまくいくから告白した方がいいと言ったらしい。 あの悪魔。一体何考えてんだ…。 「ホント言うとアレからどんどん気持ちが冷めちゃってさ。 そしたらAの話すコト全部が胡散臭く思えちゃってね。 今の観音サンちの言葉みたいに素直に聞けなくてさ。」 隠し通したいならソレでも構わないそうで、 本当のコトも別に知りたくないそうだ。 もう2人ダケで好きにやってくれ、という状態だと言う。 なんか違う意味でイヤな予感がしてきたぞ。(汗) …ぃゃ。気付かなかったコトにしよう。( ̄∀ ̄;) 「Aチャンには何て言ってきたの?」 「もう好きじゃないかもしれないって。 そしたら、本気で言ってるの?って、 なんか怒ってるみたいにしつこく聞かれた。 ショックだったのかな?」
ぉぃぉぃ。何でショック受けるかな。 Bチャンの恋心が冷めてくれれば2人にとっちゃラッキーなハズ。 待てよ…。(またしてもイヤな予感) 「ひとつ聞きたいんだけどさ、 アンタらってA男の話しかしてなかったんと違う?」 「うーん…言われてみればそうかも。」 なるほどな、と。 ようするにA男は、Bチャンを傍に置く為になくてはならない存在で、 もうイイと言われてしまったら………。 「恐ろしい考えになってしまった。」(汗) 「恋の魔法は解けたな。」 「うわぁっ!男がそういうコト言うなよ。」(鳥肌) 「少女マンガの影響だ。」 「ハイハイ。それにしても、とんだピエロだな。(A男が)」 「サムイ。…ヒトのコト言えねェだろ。」
「何2人してワケ分かんないコト言ってんの?」 Bチャンには言わない方がイイだろう。 アタイとHクンは、初めて心からA男に同情した。 「気にすんな。ソレより今度はもっとイイ男に惚れろよ。 例えばオレみたいな。ワッハッハ〜。」 ………この大バカ。( - -) トオイメ。 自分のコトとなると思いっきり鈍感だな。 いつかのキサマの言葉を借りるなら、 テメェのケツはテメェで拭けよ? 「まあそうだね。A男は踏み台にして次の恋へ進もうぜーぃ。」 「そうだねぇ。」 そう言ってBチャンはニコニコと笑った。
嗚呼やっぱり。 次の恋は既に始まっちゃっているのね〜〜〜。(T∇T) …つづく。
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2003年09月10日(水) |
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