武ニュースDiary
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2018年09月24日(月) |
ピーター・チャンとの対話(喜欢你)・3(完) |
これでおしまい。
ピーター もう1つ言おう。 以前ぼくは香港の俳優と仕事をしていたわけだが、 彼らは普通、気楽に映画に出てくれた。 だから君は面倒に感じられた。 ところが、ここ数年、内地の俳優を多く撮るようになったら 実は君は面倒な内に入らないんだよ。 君よりめんどくさい人間は、もう1人2人じゃないからね。
武 ぼくに言わないで(笑) 人にはそれぞれやり方がありますけど、 ぼくは、金城武という名前を使ってどうこうしたいと思わない。 この名をマネージすることには全く興味がないんです。 だからぼくはしょっちゅう露出することはしません。 そういうことは大事でないと思うから。 大事なのは、ぼくが演じることで表現した役の人物であり、 ぼく自身のことは知らなくていい。 ぼくがしたことを知ってほしい、ぼくは絶対あの「金城武」ではありません。
ピーター みんなの想像してるのとは違うと。
武 それは違うでしょう。 人が思うこの人と、別の人が思うその人も、また違うでしょ。 人は自分の何かを投影するんですよ。 ぼくもそれをひっくり返すことはしませんよ。 その人が大事に持っていられるようにはします。
ピーター 君はとてもいいものを持っていると思う、つまり真実だということだ。 つまり、多くの俳優はときにとても作った感じがする、 あるいは表面と中身は別という印象を受ける。 心で考えていることと、表に出すことが違うのさ。 だが、君は非常に一貫している。
武 ぼくだってそうなること、あると思いますよ。
ピーター 君は自分を飾れないだろう?
武 特に仕事を始めたばかりの頃、どうしようもなく、ああいう状態に巻き込まれたから。 昔はぼくもよくバラエティーに出ました。 今は多分、ほとんどぼくのこと、見ないでしょう? なぜかというと、ああいうのが好きじゃないとわかったから。 あの場に入ってしまうと、否応なく自分じゃないものにならされる。 でも、番組に出ているときは、「ヘーイ、ワオ!」なんてね。ほんと難しい。
ピーター バラエティーは一番難しいよ。
武 なんでそれに気がついたかというと、ぼくは事務所を換えたことがないんです、 デビューのときからずっとフーロン(福隆)。今もそう。 それで、この事務所に入って20年経ったときに、 会社がぼくにDVDを1枚プレゼントしてくれた。 その中に入ってたのは、ぼくが出演した番組全部の録画だった。
ピーター ほほう、そりゃすごい。
武 それにCMと。
ピーター すごく見てみたいよ。君がテレビでどんなだったか。
武 ちらっと見てみて、呆然としてしまいました。 こいつ、誰? (ピーター はっはっは) 本当にびっくりした。この人間の表情も、言ってることも、 インタビューの受け答えも、記憶にないんです。
ピーター だが、君も否定はできないだろう、 つまり、多くの視聴者は「金城武」に興味がある。 特に、既にできあがった、かくもミステリアスでノー・スキャンダルで、 誰にも写真を撮られない、絶対人に写真を撮らせない金城武という人物に。 どうすれば、誰にも知られず、誰にも後をつけられないようにできるんだい、 これはほとんど不可能だよ、文字通り家から出ないのでなければ。
武 それでもやっぱり撮られることありますよ、多くないだけです。 もちろんあまり外出はしないけど、それでもある。 昔、デビューしたばかりの頃は、ぼく自身も思ってたかもしれない、 「金城武」という名を守って、酒場で酒を飲んだりパブで遊んだりは、極力しない方がいいんだって。 後になって、友達何人もから叱られて。 お前、なんで閉じこもってるんだ、外に出ろよ、外に食事にでも行けよ……
それから家族、それと親戚も。 親戚はね、ぼく、今は、新年の親戚の集まりには参加しないんです。 前は怒られました、年長者から叱られた。 今はもうみんなわかってくれて、お前は来なくていいよと。(笑) ぼくと一緒に外に食事に行くと、みんな楽しくなくなる。 もちろん、それでも比較的なじみの店には行くことがあるけれど、でも少ないです。 家で食べていいなら家で食べる。もうそれに慣れてしまったし。
ピーター 君のような人間は、他の会社じゃ扱えないってことを、 君はもうみんなにわからせるのに成功したわけだ。
武 (笑)オーケー、誰もぼくを引き抜こうとしない。(笑)
ピーター 君を引き抜く人間は誰もいないさ(笑)
武 いや、本当にスターぶってるんじゃなくて、 ほんとに、ああいうのはぼくじゃないと気がついたんだと思う。 今日のこのインタビューのようなのは、もちろん別だと思うけど、 だけど、今しゃべっていることに、ぼくだって百パーセント確信があるわけじゃない。 わかっているのは、何か話したいことはある、ということだけ。
ピーター だが、ぼくはやはり気になるよ、 君は初めの頃も外出しなかったのかい、20歳そこらの人間が。 昔から全然出かけなかったんなら、逆にわかる。 だが、以前は出かけていたとしたら、どうしてやめることができるんだ?
武 なぜだろう。急に聞かれたけど、ぼくもどうしてだか考えたことありません。 あ、ひとつには、さっき言った、周りの人も不愉快になるのがわかったこと、 一緒だと迷惑になるんです。 子どもの頃は外で遊んでいたし、実際子どもはみんな外で遊んでましたよ。 酒場やパブにも行ったけど、付き合いだから、ではなかった。 一緒に行った人たちはほとんど付き合いでだったかもしれないけど。 ぼくはただ、そこで酒を飲んでいただけです。
ピーター 人が付き合ってくれたら、君もお返しに付き合わなければいけないだろう。
武 いや、いや。多分酒を飲み始めた頃だったから、 お酒ってすごく楽しいなと思って、飲んでいただけ。 つまり酒を楽しんでいるというのが多かった。
ピーター 君と食事の約束をするのは実に面倒だ。 2人とも食べることが好きだから、旨いものでなくちゃいけない。 旨い店で、他の人は呼ばないで、部屋も予約が必要だ。 本当のところ、とても難しいよ。
武 ぼくは家でいいんです。 前に、あなたに外に出ないで何をしてるんだと聞かれて、ゲームをしていると答えた。
ピーター 今はしないの? 以前はそう言ったね。
武 前ほど夢中にはなりません。
ピーター 前ほどではない?
武 あの頃は多分本当に夢中になってた。 ネットゲームが始まったばかりのときで、そのときは一番熱中してましたね。
ピーター だから君はオタクの元祖なんだよ。
武 ぼくはオタクのことはわからない、この言葉もあまり注意したことありません。 だから、今は家にこもって―― 以前は割に閉じこもっている感じだったと思うけど、今はオーケーです。 まだ何か質問があるのかな? 全部カットしていいですよ (笑)。 (完)
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