武ニュースDiary


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2010年07月13日(火) 日本の金城・ぼくらの武&「等待」ちょっと

いよいよ新作! という時期にまた大幅に時代をさかのぼりますが、
金城武の国際性=違った国々(地域)で同様に活躍できる
=違う国の人間ももれなく魅了する……とは何かについての興味深い記事が、
あの大ブレイクした1998年にありました。
香港の雑誌「amoeba」です。
この記事をちゃんと読みたいと思って10年。
そのかん、何度か挑戦したのですが、広東語風味が強いこともあって、そのたびに挫折。
最近思い立ってまた挑戦。……やっぱり難しいのですわ。
でも、今度は先生の助けも借り、ようやく全体をつかんだので、みなさまに分享。



日本の金城、ぼくらの武

日本人を父とし、台湾人を母とする金城武の出身は、
ぼくらにずっと錯覚を与えてきた――彼はだからとても国際的なんだと。
乗っかって、あやかりたくなるくらい国際的だ。

芸能界の今の基本的ムードは、我らが武が日本で名を揚げたことに拍手喝采している。
もちろん、彼は李麗珊ではけっしてないので、
身内扱いしたい気持ちを表には出しかねて、抑えようとはしているのだが。

一方、日本はといえば、さっさと彼をおらが国のものにしてしまった。
もとより、珍しくアジアブームが起こり、各地に離散した流寓の大和の民の子孫を
呼び戻そうという風潮があったからだとはいえ、
日本語ができるという、求めても得がたい良い条件が彼には既にあるのだから、
たとえアイドルに仕立て上げられなかったとしても、
第二のアグネス・チャンとしては使えるわけだ。

もちろん、現在、事態は予想を超えて順調に進んでおり、
金城武はたくさんの作品に出演し(「不夜城」「神様、もう少しだけ」)、
それに様々な意識的無意識的な誤解
(アメリカのインディペンデント作品「ニューヨーク・デイドリーム」は
日本ではハリウッド映画と思われている)が加わって、
その勢いはとどまるところを知らない。

また、日本人の彼への愛のあり方は、実はぼくらとあまり違わない
――同じように、一種の、自分はよく知ってるんだぞという気持ちがありながら、
しかしある隔てをも感じている。

金城武のこの距離感は、彼の最も評価されるボディランゲージの技でもある。
別の言い方をするなら、人はたちまちいいなと思ってしまい、
飛びついてしまうような感じだということになる。

だから、ぼくらは金城武のパイナップル嫌いをとっくに知っているのに、
とんねるずの番組「食わず嫌い王」で松田聖子と木梨憲武がだまされるのを見ると、
自分だけが知っているという快感でいっぱいになるのだ。

しかし、日本人は日本人で、彼が英語7割、日本語3割を操って、
「ニューヨーク・デイドリーム」で魅力を振りまくのを見るとき、
ぼくらと同様、外国に出ていった子孫が、ついに国威を発揚してくれた、
と感じているに違いない。

宮沢りえと共演した「聖夜の奇跡」(1996)から「神様、もう少しだけ」に至って、
台湾人から名前も言葉も正統な石川啓吾に変身したことは
(「ニューヨーク・デイドリーム」でも正真正銘の日本人だったが)、
彼が日本の大家族の一員となったことの証明だ。

面白いのは、ぼくらは4つの言葉(広東語、北京語、日本語、英語)を使い分ける
金城武を目の当たりにするとき、どの言葉を話しているかで、
彼がいずれのものかを決めようとするが、
金城武の演技の魅力は、一貫して台詞にはあまり頼っていないことだ。
身体表現をメインとする芸風によって、
彼はウォン・カーウァイ作品で世界のどこにでも打って出ることができた――
少なくともアジアでは、上陸作戦の先頭を切る役目を果たしていた。

だから、今シーズン、「神様、もう少しだけ」をまだ見ないうちから、
友人たちは彼の日本語が大丈夫なのかどうか、実はあまり心配していなかった。
なぜなら、彼が日本のファンを征服することになった「恋する惑星」と「天使の涙」
「世界の涯てに」は、どれもその姿や表情、身のこなしで魅了したのだから。

この点こそ、彼のもっとも国際的な一面なのである。
名前や氏素性、言語などの付随的なものではない。
(文・湯禎兆 amoeba 1998年9月号)


早い時期のものなのに、結構本質をつかんでいるなと思います。
李麗珊(リー・ライシャン)は、アトランタオリンピックのヨット競技で
初めて香港に金メダルをもたらした女性選手だとか。

ところで、現在に戻り、「武侠」は決まりらしいとして、「等待」はどうなったのか?
中国人俳優で決まった……みたいな記事も見かけたけど、
「我要拍電影」のときに、ピーター監督は質問にこう答えたそうです。


っと以前からチャン監督は、事あるごとに、
長年温めてきた恋愛映画「等待」の撮影に入りたいと述べてきた。
今どうなっているか問われピーター・チャンは、遣る瀬なさをのぞかせて、こう語った。
「『等待』はまだ待っている(等待)状態です。脚本がずっと審査を通らない。
しかし、きっとみなさんに観てもらえるようになると思っています」
(新浪 2010.7.13)


   BBS   ネタバレDiary   21:30


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