武ニュースDiary


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2004年07月16日(金) 甘露が語る落馬事件(Lovers)

BBSの方で、メイキングDVDの落馬シーンの話が出たので、
この件、少し。
メイキング本『「十面埋伏」製作全紀録』に、メイキング(記録映画)を
撮った甘露が、この映画のいくつかの「最…(1番○○だったこと)」を
書いているのですが、その中の1つ、「最も心配だったこと」が
この落馬事件です。

「金城武がウクライナで落馬した。
この事件は外部にはずっと知らされなかったが、実は彼の怪我は大変重かったのだ。
もともと金城武は乗馬はできなかったのだが、
映画には乗馬の場面がたくさんあるので、
演じきるために、彼は非常な努力を重ねて乗馬を覚えた。

毎日、出番がなければ必ず近くで練習をした。
やがて大変上手になり、みんな感心して彼のために喜んだ。
私は何日にもわたった彼の練習風景をすべてカメラに収めていた。
あの予想外の事故が起きるちょうど前の日、
彼の騎馬姿がどんなに素晴らしいか、彼自身に見せてあげようと思い、
特別に撮影したのを覚えている。
その次の日、落馬してしまうとは思いもよらなかった。

その日、天気があまり良くなく、スタッフは早くこのシーンを撮り終えて、
その日の仕事を終わりにしたがいと思っていた。
金城武がもうすっかり上手に乗れるようになっていたのを、みな知っていたので、
このシーンの撮影は割合リラックスしていた。
馬が急にコントロールを失い、大木に向かって突進し、
彼を振り落としてしまうなど、どうして知ることができただろう。
彼は動くことも、口を利くこともできなかった。

みな、死ぬほど驚いた。チャン・イーモウはことのほか心配し、焦りを感じてもいた。
ひとつには金城武の怪我の状態が心配でならず、
またひとつには、撮影ができなくなるのではないかと心配していた。
その後、金城武を現地の病院に送って診てもらったが、
その後また治療を受けさせるために日本に送り返した。
幸いだったのは、怪我が足だけで、腰は傷めていなかったことだ。
それでも、「十面埋伏」クランクアップのときも、彼の足はまだ完治せず、
松葉杖をついていたのである」
(「十面埋伏」製作全紀録)

甘露は、別のところで(記憶だけですが)、
この事件が起こったとき、飛んでいったけれども、
友人の金城武に、どんな具合かそばにいて声をかけたいと思ったけれども、
そうしてしまうと、撮影することができず、
この事件だけが空白になって何も残らなくなる、
それでいいのだろうかと葛藤したそうです。

今回のプロモーションで、香港のテレビのインタビュー番組に出演した中で、
足はもういいのかと聞かれて、しばらくためらい、
ゆっくり治っていってるというところで、
靭帯を2ヶ所切っているから、いついつ完治するとは
言えないんだと答えていたのが、気にかかりました。


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