武ニュースDiary


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2004年05月22日(土) 「Lovers 十面埋伏」監督と俳優達へのインタビュー(毎日新報)と、吹き替えについて

写、そして公式上映があった後の報道は、ネタバレ前提ですから、
こちらは地雷踏みまくり。
それでも、外国語で読んで日本語に直さなかった文章は、
なぜか忘れやすいので、
できるだけ記憶から薄れるままにさせています。

プレミアの翌日、大陸の毎日新報記者が、監督と主演4人に
単独インタビューした記事がありました。
映画を見てから読むと面白い記事だと思いますが、
なかから例の、声の吹き替えについての監督自身の言葉、
そして武への質問と回答の部分だけ抜き出してみました。

ところで、記者会見で日本語で質問された件、ご近所で、
台湾のニュースで放映されたものを見せていただきましたが、
「何語で話したらよいか」に至るまでの経過がおかしくてしょうがなかったです。
当惑した武と通訳、大会のスタッフ(多分)の様子が爆笑を誘います。

このことが、今日あちらの新聞でも報道されていましたが、
中に、武がどうしたらよいか迷って、口を開きかけては黙るのを繰り返し、
結局北京語で話したのを、大陸のある新聞が、
金城武は長く日本にいても、日本語の程度は水準まで行っていない、
と誤解して書いていたのがありました。
他の新聞はちゃんと理解していたよ、毎日新報さん、ということですが、
この記事は大丈夫ですよね。

華仔(アンディ)と城武、映画では声を失う

新報 映画では、金城武とアンディ・ラウは
自分でアフレコをしていませんが、それはどんな判断からですか?

チャン・イーモウ 「グリーン・デスティニー」で、
チョウ・ユンファとミシェール・ヨーは普通話(北京語)を上手に話すため、
3ヶ月特訓をしました。しかし、結果はよくなかった。
言葉というのは、短時間でマスターできるものではないからです。
「グリーン・デスティニー」を見ていて、少なからぬ観客が笑ってしまい、
映画に入り込むことができませんでした。
私は自分の映画がそういうふうになってほしくない。
私は2人の声を、ただ全部削除したのでなく、いいところは残しました。
実は、「英雄」でもこのやり方をしています。

金城武が最も惹かれたのはチャン・イーモウ

新報 ウクライナの撮影で怪我をしたと聞きましたが。

金城武 はい、そうです。「十面埋伏」はぼくにとって初めての武侠映画で、
初めての時代劇でもありました。
アクションシーンで小さな怪我をするのは避けられません。

新報 撮影が非常に大変なこの映画の、
あなたはどこに惹かれてやることにしたのですか。

金城武 一番引かれたのは、チャン・イーモウにです。
ぼくは彼の映画がずっと好きでした。
特に「あの子をさがして」のような真実味のある作品が。
彼から「十面埋伏」へのオファーがあったのは、
ぼくがまだ「向左走、向右走」を撮っていたときのことでした。
そのことを聞いて、すごく心配でした。
なぜかというと、映画の背景が唐代で、俳優はセリフもアクションも、
当時の特徴を出してやらなければならないからです。
実際、ぼくはそれがつかみきれなかったことが時々ありました。

新報 チャン・ツーイーとの共演は楽しく出来ましたか。

金城武 彼女は非常に努力家の俳優です。
ぼくはシーンが終われば、やっと終わった、とほっとしてしまいます。
でも、彼女は違う。いつも監督に、もう1度やらせてほしいと頼むんです。
ほとんどいつも、自分の演技に満足しない。実はすごくいいのに。

新報 ラストの激しいラブシーンですが、
チャン・ツーイーはちっとも気まずくなんかなかったと言いましたが、
あなたは?
(チャン・ツーイーは、「撮影に入る前に、みんなで十分準備して、
動きの1つ1つを相談するから、スムーズにできて、1回でOKだった」
と答えている)

金城武 ぼくは、ちょっとありましたよ。
あのとき、まだああいう感覚が理解できていなかったんです。
で、また監督に助けを求めたら、監督はこう言いました。
「今回は、助けてやれないな」(笑)って。
(毎日新報 2004.5.21)


き替えについてですが、今の時点での私の気持ちは
「仕方ない」です。
初めて、吹き替えだというニュースを読んだときは、ショックでしたよ。
ちょっと心配していたから。
それが二転、三転して、やはり吹き替えだということに落ち着いた今、
理屈の上ではその必要性はわかるので、受け入れるしかないと思ってます。

「グリーン・デスティニー」の件は、読んだことがあります。
それから「向左走、向右走」でも、ジジ・リョンが北京語版のアフレコを
自分自身でやって、特に大陸ではすごく評判が悪かった。
中国の古い詩を読むシーンがあるのですけど、笑ってしまうんだそうです。
台湾でも、おかしいと言われてました。

ジジの発音なんかは、私にはわかりませんが、
大陸と台湾の発音が違うのは、私にですら歴然としているので、
同じ北京語なのに――といっても、実はそう簡単ではない。
ことに時代劇ですから、違和感はかなり出てくるのでは?
日本語の場合で考えれば、監督の判断も理解しやすいのではないでしょうか。

じゃあ、中国人向けと、それ以外のと作ればいいといっても、
それも簡単ではないと思う。
だって、香港人のアンディと武の北京語にも差があるはず。
台湾では武はOKだが、アンディは違和感が残るかもしれない。
すると武は元の声で、アンディは吹き替えということになる。
香港では、2人とも自分の声。
これだけで3つの版が必要になってしまいます。

中国語圏でないところは香港と同じにすればよいかというと、
中国人は世界中に散らばっています。
中国語映画が欧米で公開されたとして、普通はお得意さんは
華僑の人たちじゃないでしょうか。
そうなると、どう使い分けていいのか。
費用のことを考えなくても、相当複雑な事態になりそうです。

それにまた、声が違ったら演技に価値がないとなったら、
日本人が中国映画に出演することも不可になってしまう。

残念ですよ〜、とっても! 望みを持っていたし。
だけど、「仕方がない」。
ここは、監督が、言葉の問題は承知しながら、それでも武を望んでくれた、
そして、大陸の記者たちにはなまりが残っていると文句を言われながら、
少しでも本人たちに近づけるよう、声を部分的にでも残してくれたことに
感謝しようと思うんです。


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BBS   2:00


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