武ニュースDiary


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2003年04月03日(木) 金城武自伝 第2回 「恋人より友達」

子どもの頃一緒に遊んだ仲良しの友達は、ほとんどが日本人学校の同級生だ。
毎日放課後になると、一緒に近所で遊んだ。
あるとき、彼らとこっそり学校の講堂に入り込んで、
紙に火をつけて、あったまったことがあった。
ものすごく面白かったけれど、講堂の床を焦がしてしまい、先生につかまってひどく叱られた。
今、当時やったことを思い出すと、確かにとても危険だよね。

小学校生活は日本人学校で送った。
高校に上がるとき、今度はアメリカンスクールに移った。
日本人学校とアメリカンスクールは互いに近くて、両方ともぼくの家のある天母区にあった。
新しい学校は静かできれいで、設備も完備していた。

ぼくのパスポートは日本のものだ。台湾では戸籍も身分証も持っていない。
だからお父さんは考えて、ぼくを日本人学校とアメリカンスクールに通わせることにした。
インターナショナルスクールの教育制度は、台湾の学校とは全く違っていた。
自由で開放的であり、四角四面過ぎるところがなかった。
束縛されるのが嫌いで、自由な生き方に憧れるぼくの性格は、その影響を受けている。

小さい頃からぼくは球技が大好きで、学校チームのメンバーにもなった。
サッカー、バスケットボール、バレーボール、みな好きで、
どのチームにも顔を出していた。
おかしなことに、直接自分の手足を使ってする球技はなんでも得意なのに、
バットやラケットを使ってするものは下手だった。
たとえばバドミントンなんか、実はとても簡単で、やる人も多いけれど、
ぼくが打とうとすると、いつも力が入らず、コントロールもきかない。

初恋はアメリカンスクール在学中の、まだ十何歳のころ。
相手の子は同級生で、彼女と一緒に過ごしたときのことは、
今でも、1つ1つ、はっきり覚えている。
初めてのデート、初めて手を握ったこと、初めて抱き合ったこと、初めてのキス。
喜びと痛みとともに、すべて記憶の中にある。
残念なことに、ぼくと彼女がつきあった時間は短い。
彼女が外国の学校に進むことになり、ぼくらは離れ離れになったから。

その後もぼくたちはずっとよい友達で、よく電話で話をする。
彼女があちらで新しい恋人ができると、ぼくに電話してくる。
もちろん、ぼくは彼女のために喜ぶ。
彼女が彼とけんかすると、彼女は電話で泣いて訴える。
ぼくは愛の相談相手になって、彼女を慰める役目だ。
ぼくは別れてしまった恋人同士も友達になれると思っている。

ぼくは気持ちの整理が下手で、ときどき、愛なんてなんになる、と思うことがある。
誰かを愛することは喜びで、そして悩みや不安の種でもある。
ぼくは恋愛至上主義じゃない。ぼくの中では友達の占める位置の方が比重が大きい。
ぼくの一番の友人は、みんな昔のクラスメートであり、
学校で培われた友情こそ本物だ。彼らは永遠にぼくの友達なのだ。


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